最高にホットな1シリーズが日本上陸|BMW 新型M135i 試乗レポート(2/2)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:田村 弥/MOTA編集部
BMWとしては久々のキレッキレ系
果たしてその走りはというと、これがもうBMWとしては久々の“キレッキレ系”だ。
クッションの効いた太いステアリングを切り込むと、瞬間的にタイヤのグリップが立ち上がって、スパッ! とノーズが切れ込んで行く。
面白いのはここからだ。操舵によってフロントサスペンションが滑らかに沈み込み、前傾のコーナリングフォームを作るのである。
そして、ノーズはどんどんイン側へと切れ込んで行く。うかうかしていると、曲がり過ぎてしまうほどに。
その身のこなしは、ハッキリ言ってFRであった旧M135iよりもFR的だった。
BMWとしては「FFでもFRライクな走りを実現した」なんて口が裂けても言わないだろうが、初期ロットとしてはかなり意識して後輪駆動的な姿勢変化を与えたと私は感じた。やや過敏過ぎるほどだが、それもBMWの、気合いの表れではないだろうか。
先代よりも踏めるクルマに
クルマがいち早く曲がってくれるなら、ドライバーがやるべきことはアクセルオンである。これ以上切れ込まないようにアクセルでノーズをバランス。コーナーの出口に差し掛かる頃には、これを完璧に踏み込むことができる。
だから新型M135iは、めっぽう速い。そしてアクセルを踏み込んで行くと、クルマ全体で押し出すような加速をする。そう、コーナリング中には全くその影響を感じなかったけれど、これは4WDなのである。
エンジンは直列4気筒のキャパシティを目一杯使いながら、気持ち良いブースト感と共にレッドゾーンまで吹け上がる。バラバラと未燃焼ガスをマフラーで燃やさなくなった代わりに、シフトアップでは“バスッ!”とドスの効いた重低音で締め括る。
直接比較したわけではないが、たとえ先代よりパワーが低くても、アクセルの全開率は新型の方が高いと思う。それだけ踏めるクルマになった。
そのパワーをシャシーの支配下に納めた走りは、ドライバーに安心感を与えるはずだ。
同じパッケージのミニ JCWとは異なる乗り味
先代モデルはそのノーズに縦長な直列6気筒ターボを押し込んで、後輪だけでハイパワーを受け止めていたから、どうしても足回りは硬めにならざるを得なかったし、リアグリップの確保にはかなり神経を注いでいた。簡単に言ってしまえば、ハイパワーFRという形式にこだわるが故に、却ってFRらしい自然な身のこなしができなかったように思う。
対して新型M135iの走りは、本当に生き生きとしている。
横置きエンジン/横置きトランスミッションによる重心の高さはあるはず。ボディサイズも全長+15mm、全幅+35mm、全高+35mmと大きくなっているが、パワーオーバーステアの心配がなくなった分だけサスペンションをしなやかに動かすようになった。唯一ランフラットタイヤのゴツゴツ感だけが残念でならないが。
ここにはミニとX1で培った経験が、大きく活かされていると感じられる。しかしそのセッティングは、ミニの強引な感じとは全く違う。若干前屈みになったロール軸に沿ってボディを傾かせ、切れ味鋭く曲がって行くのである。
直列6気筒の雑味なく豪快に吹け上がるパワー感はなくなってしまったが、代わりにシャシー全体で弾ける感覚がこのM135iにはある。まだ荒削りながらもこのハンドリングがマイナーチェンジを重ね平均化される前に、一度味わっておくべきだと私は思う。
[筆者/山田 弘樹]
BMW 1シリーズ M135i xドライブ 4WD 主要スペック比較表 | |
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車種名 | 1シリーズ |
グレード名 | M135i xドライブ 4WD AT |
価格(消費税込み) | 630万円 |
全長×全幅×全高 | 4355mm×1800mm×1465mm |
ホイールベース | 2670mm |
駆動方式 | 4WD |
車両重量 | 1580kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン種類 | 直列 4気筒 DOHC |
総排気量 | 1998cc |
エンジン最高出力 | 225kW(306PS)/6250rpm |
エンジン最大トルク | 450Nm(45.9kg・m)/1750rpm |
トランスミッション | 8速AT |
使用燃料 | ハイオク |
燃料消費率(JC08モード燃費) | 13.6km/L |
燃料消費率(WLTCモード燃費) | 12.0km/L |
燃料消費率(WLTC:市街地/郊外/高速道路モード) | 8.9km/L/12.2km/L/14.0km/L |
タイヤサイズ | 225/40R18 |
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