アウディ R8/TT RS試乗レポート|サーキットでアウディスポーツの本質を体感!(2/2)

アウディ R8/TT RS試乗レポート|サーキットでアウディスポーツの本質を体感!
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高い出力&トルクも豪快に使い切れるし、アクセルも踏み切れる

アウディTT RS。

これが今回の目玉モデルだ。日本では3月に発売が開始されたが、まだ広報車やイベントカーもなく、このイベントのためだけにドイツナンバーが付いた車両を海の向こうより運んできた。

初めて触れたTT RS。初代でもある先代TT RS同様に、見るからに速そうだし、最強最速を継承するモデルだと素直に思える。

なぜならTT RSはまずパッケージが見事。ボディサイズが日本のワインディングも含めて狭く感じることなく走れるうえに高速安定性も確保できるという、4190×1830×1370mmという3サイズと2505mmのホイールベースがいい。これ以上のサイズになってくると、徐々にクルマに何が起きているか、ボディ4角にまで意識が配れるか、などの一体感や距離感が大きく変わりやすい。

そこに組み合わされるエンジンも絶妙。

さすがにこのボディサイズで、R8のように自然吸気エンジンとはいかないが、最大出力400PS、最大トルク480Nmを発揮する2.5リッター直列5気筒ターボエンジンを搭載。そこに7速ツインクラッチが組み合わされるが、この出力とトルクも絶妙。

スペックだけで見ると車両重量1490kgなので、R8同様に若干手に余る速さを持ちながら、モード選択でそれを手の内に納めると思っていたのだが、試乗すると全く違った。

高剛性ボディと低重心設計、おまけのような扱いの小振りな後席により運転席を重心点近くに置く配置、そこに4輪駆動が相まって、この出力&トルクを雨だろうが、豪快に使い切れるし、アクセルも踏み切れる。

この能力を100%使いきれる感覚がスポーティドライブ時に爽快感につながるケースは多々ある。これから詳しく述べるが、手軽にラクに速さを得られながらも、そこに爽快感があるのがR8にはないTT RSらしい魅力。

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シャシーバランスの良さにより、アクセルをガンガンに踏んで行ける

Audi Sport Days 2017
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乗り味の世界観としては、BMWのM2を四駆にして安定性を加えた印象。メルセデス・ベンツ A45 AMGの後席を小振りな+2パッケージにして軽快感を増した感じ。いや、ポルシェ ケイマンを四駆にした感じという表現が最も近いかもしれない。そんないいとこ取りをした様な完成度。

基本的な味付けは、ボディサイズのわりに落ち着き感があり、コンフォート性も加味されたしなやか系。しかし操作に対してはダイレクトかつシャキッとしているのが好印象。

その背景には、ヨレ感のない強靭なボディ骨格を基軸に、しなやかに動く足を組み合わせて、絶えず路面を強固に4つのタイヤが捕まえられるようにしていることが挙げられる。当たり前のことしか言っていないが、その当たり前の精度が高くて路面への食いつき感がとても高い。

それでいて4輪駆動によりリアタイヤが前にクルマを進めながら、フロントタイヤが向いている方向に強引にクルマを引っ張って旋回していく感覚があり、車両姿勢が破綻する気配や不安感がない。結果、ブレーキを強めに残しながらコーナーに強引に侵入する、さらには立ち上がりで無造作にアクセルを踏む、そんな前輪もしくは総輪が悲鳴を上げそうな操作にも応えてくれる。

またシャシーバランスの良さと電子制御の賢さなのだろう。前後タイヤの滑り具合が絶えずバランスしているのもTT RSの魅力。

それは走り出して雨が降り出してから顕著に解ったが、タイヤ自体はグリップレベルが落ちて滑り量が増えるが、不思議なほど修正操舵が増えない。その背景には、前後のタイヤの滑る量がバランスされていることがあり、通常ありがちな後ろに対して前が大きくとか、前に対して後ろが大きく滑るという修正操舵が要求される前後不調和が少ない。

そのようなシャシーバランスがあるので、アクセルをガンガンに踏んで行ける。

ちなみに排気音はAMGほど派手ではないが、刺激的なスポーツマインドが刺激される音色に調整されていた。また急激なアクセルの踏み込みにキックダウンして唐突に出力が発揮するなど扱いづらい一面があるが、それを嫌う方はマニュアルモードで走ればよく、何にせよ時速0~100キロ加速3.7秒の加速力を随所で発揮できる“使いきれる感”がとても気持ち良い。

唯一確認できていないのは乗り心地。今回の試乗車(ドイツ仕様)はノーマルの足回りだったが、日本仕様はマグネティックライド付き。悪くなるわけはないが、早く日本仕様での最強最速モデルの実力を日本の道で確認してみたい。

[レポート:五味康隆/Photo:茂呂幸正]

Audi R8 V10 plus/TT RS 主要諸元

R8 V10 plus

TT RS

販売価格(消費税込)

29,060,000円

9,620,000円

JC08モード燃費

11.7キロ/L

駆動方式

quattro(4WD)

quattro(4WD)

乗車定員

2名

4名

全長

4,425mm

4,190mm

全幅(車幅)

1,940mm

1,830mm

全高(車高)

1,240mm

1,370mm

車両重量

1,670kg

1,490kg

ホイールベース

2,650mm

2,505mm

エンジン種類

V型10気筒DOHC

(1気筒=4バルブ)

直列5気筒DOHCインタークーラー付ターボチャージャー

(1気筒=4バルブ)

排気量

5,204cc

2,480cc

エンジン最高出力

449kW(610PS)/8,250rpm

294kW(400PS)/5,850-7,000rpm

エンジン最大トルク

560Nm(57.1kgm)/6,500rpm

480Nm(48.9kgm)/1,700-5,850rpm

トランスミッション

7速Sトロニックトランスミッション

7速 Sトロニックトランスミッション

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五味 康隆
筆者五味 康隆

自転車のトライアル競技で世界選手権に出場し、4輪レースへ転向。全日本F3選手権に4年間参戦した後、モータージャーナリストとしての執筆活動を開始。高い運転技術に裏付けされた評論と、表現の解り易さには定評がある。「持続可能な楽しく安全な交通社会への貢献」をモットーとし、積極的に各種安全運転スクールにおける講師を務めるなど、執筆活動を超えた分野にも関わる。また、環境分野への取り組みにも力を入れており、自身でハイブリッド車も所有。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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