アウディ 新型 A6 アバント 2.8FSI quattro 新車試乗レポート/飯田裕子(2/2)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:オートックワン編集部
気になる燃費は先代比で20%も向上
走行面では、7代目へとモデルチェンジしたアウディ A6 セダンが、さらなる進化を遂げたことはまだ記憶に新しい。が、もしかしたら新型A6は、アバント重視で開発を行ったのではないかと思えるような印象があった。
まず搭載されているエンジンは2種類の直噴ガソリンエンジン、V6 2.8リッターのFSIと、V6 3.0リッター TFSI(スーパーチャージャー付)がアバントにも同様に搭載され、7速Sトロニックと組み合わされる。新型では特に環境性能へのアプローチとして、アルミや高張力スチール鋼鈑などを適材適所に使い分けた軽量&高剛性ボディや、エンジン&トランスミッションのマネージメント、スタート&ストップ(アイドリングストップ)やエネルギー回生システム、機械的な摩擦損失を減らすサーマルマネジメントシステムなどの採用が、アウディの最先端モデルらしい走りと燃費性能の向上ぶりを感じさせてくれる。例えば今回ご紹介する2.8リッターモデルの燃費は11.8km/L(JC08モード)で先代より20%の燃費向上をしているのだ。
エンジンをスタートさせると、ダッシュボード上に8インチのモニターが静かにせり上がってくる。これがA6 アバントとのドライブを始めるセレモニー。前回駐車した際に電気式のパーキングブレーキをかけていても、それを手動で解除する必要はなく、アクセルをそっと踏み込めば自動的に解除してくれるのも便利だ。低いエンジン音とともに静かに街中を走り、信号などで停止する場合にはアイドリングストップ機能がそっと働く。
大径20インチタイヤを履きこなす
アウディがA6をアバント重視で考え開発したのではないかと思ったのは、その乗り心地のフラットさからだった。重箱の隅をつつくような話だが、セダンは路面の凹凸をコツコツと拾うような印象が少々あり、それはそのときに履いていたオプションで採用される19インチタイヤが影響しているようだったのだ。
ただ今回試乗したアバントには、20インチのカッコいい大径タイヤが装着されていた。にもかかわらず、まったく気にならない。
ちなみにセダンとの車重の差は、40㎏ほどアバントが重い。40kgの重量オーバーで抑え、このボディ剛性を維持しているのはやはり驚くが、このわずかながらの重量増や、アバントではリヤゲート開口部付近の剛性補強がなされているであろうことから、リヤが少しばかり重量が重めなのだろう。それらが乗り心地にプラスに作用しているのではないかと思ったのだ。
所有する悦びを感じる「A6アバント」
2.8リッター FSIエンジンは、低速から一定な力強さを持ち、申し分のない走行フィールだ。さらに停止状態からの走り出しでは、7速Sトロニックの速やかなシフトアップで、アバントの走りに小気味よさをプラスする。しかもこれが燃費にも貢献しているのだから嬉しい。
セダンに対しラゲッジまで抜ける広大な空間を持ち、静粛性の面では不利なアバントだが、さすがはアッパーミドルクラス。その静かさは、ワゴンボディであることを忘れるはずだ。
そしてそれはハンドリングもしかり。セダンに比べると、街中ではよりフラットで落ち着きのある走りが得られ、コーナーではボディの重厚さをより感じることが出来た。
新型 アウディ A6 アバントは、その美しいスタイリングはもちろんのこと、日常の静寂のなかでのドライブに非日常の高揚感をほんの少しスパイスした雰囲気が心地よく、乗れば乗るほど所有する悦びが感じられる1台と言えるだろう。
「Audi NEW A6 Avant 2.8 FSI quattro」Specifications
全長x全幅x全高:4940x1875x1495mm/ホイールベース:2910mm/車両重量:1830kg/乗車定員:5名/駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD)/エンジン種類:ガソリン 直噴 V型 6気筒 DOHC/総排気量:2772cc/最高出力:204ps(150kW)/5250-6500rpm/最大トルク:28.6kg-m(280N・m)/3000-5000rpm/トランスミッション:7速 Sトロニックトランスミッション/10・15モード燃費:11.8km/L/JC08モード燃費:11.8km/L/タイヤサイズ:245/45R18(標準仕様)/価格:640.0万円[消費税込み]
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