Audi A3 Sportback 1.4TFSI企画 ライバル3台徹底比較(4/4)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
これぞまさにオールラウンダー
御殿場から一般道、富士五湖有料道路、富士スバルラインと巡って行く。
途中、駐車場に3台を停めて、車内や荷室をチェックする。アウディA3スポーツバック1.4TFSIのインテリアは濃淡のグレー、アルミ、赤いメーター針とフォントなどでまとめられている。
クールでモダンな、アウディの機能主義が表現されている。荷室の広さと使いやすさもアウディA3スポーツバック1.4TFSIの美点のひとつだ。
荷室の使いやすさとは、単に容量が大きいということだけではなく、開口部や荷室内部の形状が問われる。サスペンションの張り出しなどで凸凹が多いと無駄なスペースが発生しやすくなる。当然、直方体に近い形状が最も使いやすい。
富士山麓のワインディングロードを3台で駆ける。コーナーが連続し、アップダウンが続く山岳路を、3台は力強く走っていく。
トヨタプリウスの粘り腰が印象的だ。BMW116iの確かなハンドリングが、正確にコーナーをトレースしていく。
ここまでの、「市街地」「高速道路」「ワインディングロード」での気になる燃費値を集計してみた。
A3スポーツバック 1.4TFSI/BMW 116i/トヨタ プリウスの順で、
市街地:
10.1km/L/7.5km/L/18.9km/L
高速道路:
17.5km/L/13.8km/L/22.0km/L
ワインディングロード:
15.1km/L/11.1km/L/19.0km/L
トヨタプリウスの全セクションでの燃費効率の良さが目立つが、高速道路とワインディングロードでのアウディA3スポーツバック1.4TFSIの健闘も光っている。
トヨタプリウスの好燃費は称賛ものだが、独特のドライビングポジションや運転感覚、ハンドリングなどで評価が分かれるところだろう。
トヨタプリウスは他車と較べるのではなく、“トヨタプリウスという乗り物”なのだと思えるほど、燃費に特化した独自性が強い。
それに対して、アウディA3スポーツバック1.4TFSIは燃費効率も優秀な、オールラウンダーである。コンパクトカー、そしてハッチバックに求められる多種多様な要件をバランスよく高次元で実現している。
たとえそれが優れていようと、燃費だけを追い求めているのではない。多くの人々の、長期間にわたる様々なシチュエーションや使い方に応えてくれることだろう。