アルファロメオ アルファ147 試乗レポート

  • 筆者: 西沢 ひろみ
  • カメラマン:小宮岩男
アルファロメオ アルファ147 試乗レポート
画像ギャラリーはこちら

フロントマクスは、クラシック・アルファ「6C 2500 ヴィラ デステ」を彷彿させる。

アルファ145の後継モデルにあたるアルファ147は、'00年にイタリア本国で発表されたプレステージ・スポーティ・コンパクトカー。'01年度の「ヨーロピアン・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことからも、欧州における評価の高さが伺える。国内に導入されたのは、アルファ147 2.0ツインスパーク セレスピードの3ドア&5ドアだ。アルファといえば、その美しく個性的なフォルムが最大の特徴。もちろん147にも、ひと目でわかるアイデンティティがフロントマスクに与えられ、レトロな雰囲気を十分に醸し出している。ボディパネルの比率を大胆に高めたサイドビューは、包み込まれる安心感を演出。素材の上質感を大切にしたインテリアは、イタリアン・テイストのスポーティ志向だ。

大人が座ることを考えた3列分のシートと使い勝手を考慮したアレンジメントは好感が持てる。

心臓部とも言うべきアルファ147のエンジンは、2.0Lツインスパーク16バルブ。可変吸気、可変バルブタイミングを備え、最高出力110kw/最大トルク181N・mを発揮する。元気よくアクセルを踏むと、レッドゾーン手前の6500rpmまでレスポンスよく吹き上がり、気持ちのいい加速フィールを与えてくれる。ただ電子制御コントロールは、シフトアップに多少タイムラグを伴うのが残念なところ。シフトダウンはMSRシステムにより、上級者以上の上手さだ。F1マシンと同じパドル式シフトスイッチを備えるセレスピードは、イージー&ダイレクト操作が自慢。ゲーム感覚で自在な変速が楽しめるが、コーナリング中はステアリングを大きく回すため、前後に動かすシフトレバーで操作した方がいいだろう。フットワークは、あらゆる場面で軽快感が伺える。左右に連続するコーナーも得意の場面で、流れるように駆け抜けていく。新開発のVDCが装着され、リヤがキビキビ動くおかげだ。フロントの安定性も好感が持てるが、速度が高くなるとステアリングの手応えがもう少し欲しくなる。

スポーティ派ながら、大人4人がちゃんと座れる実用性も持ち合わせている。

パッケージングは、最近のコンパクトカーがそうであるように、居心地のいい快適空間の確保に力が注がれている。シートはブラックのクロス地が標準装備で、身体にしっくり馴染むシート形状だ。リアシートも足入れ性がよく、大人がちゃんと座れる足元&ヘッドクリアランスを備えている。クオリティの高いオプションのレザーシートは、ナチュラルとブラックの2色を用意。より上質なスポーツレザーシートも選択可能だ。ラゲッジスペースは、ハッチバックとして十分な280Lを確保。6:4分割可倒式リアシートの座面を持ち上げて背もたれを倒せば、フラットで広い1030Lのスペースが生まれる。見逃せないのは、裏面が防水加工されたリバーシブルタイプをラゲッジのフロアパネルに採用していること。おかげで荷物が濡れたり汚れても、気兼ねなく積み込むことができる。収納スペースは、国産車に比べると少ない。

ハチバックセグメントで、強力なライバル車たちを相手に勝負を挑む。

激戦区といえるこのクラスの導入にあたり、アルファ147はこれまでの熱狂的ファンに向けたクルマ作りから、あらゆるユーザーを取り込むクルマ作りに趣向が変わったように思う。日本市場において、このクルマがアルファロメオ・ブランドの浸透という、戦略的な役割を担っているからだろう。それでもアルファロメオらしさはしっかり残されている。ここが、国産車に限りなく近づきつつある他の輸入車と一線を画したところだ。強烈な伝統の個性を放つエクステリア&インテリアデザイン。スポーツライクで面白味が感じられるハンドリング。そして十分に実用的なパッケージング。この融合こそ、アルファ147 の最大の魅力といっていい。300万円以下に抑えられた価格設定もライバル車と競合できる領域。ヨーロッパと同じように、アルファ・ファンだけでなく、自己主張を持つ女性や若い人たちを魅了しそうな気がする。

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

筆者西沢 ひろみ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

アルファ ロメオ アルファ147の最新自動車ニュース/記事

アルファ ロメオのカタログ情報 アルファ ロメオ アルファ147のカタログ情報 アルファ ロメオの中古車検索 アルファ ロメオ アルファ147の中古車検索 アルファ ロメオの記事一覧 アルファ ロメオ アルファ147の記事一覧 アルファ ロメオのニュース一覧 アルファ ロメオ アルファ147のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる