アルピーヌ A110S海外試乗|期待を超えるコーナリングを魅せたトップエンドモデル(1/5)
- 筆者: 嶋田 智之
アルピーヌ A110をベースとしたトップエンドモデル「A110S」が発表されたのは、2019年6月のこと。40PSも向上したパワフルなエンジンと新しくチューニングされた足回りで、A110Sはラインナップ最高のピュアスポーツモデルとなったのか?
日本導入を目前に、異国情緒あふれるポルトガルでの試乗を自動車ライター嶋田 智之氏がレポートする。
本気で買いたくなる悩ましい存在、アルピーヌ A110
スポーツカーとしてのパフォーマンスと走らせる楽しさ、それに日常使いにおける乗り心地の快適さと扱いやすさ。加えて、エレガントな佇まい。
それらひとつひとつが高得点であるだけじゃなく絶妙なバランスを描いていることで、おそらく2018〜2019年にスポーツカーとして最も高い評価を受けたクルマだと思われる、アルピーヌ A110。
いいクルマは、ドライバーを主役にする
2017年年末のフランスでの初試乗から今日までに走らせた新しいスポーツカーの中で、最も感銘を受けたのがこのクルマだ。
過剰ではなく持て余さないギリギリのパワー、意志と直結してるかのようなハンドリング、そして僕のようなたいしたことないドライバーですらチャレンジを楽しませてくれるコントロール性の高さ。往復1500kmオーバーのロングを2度ほど走ってみて、身体で理解できた疲れ知らずの快適性。
その出来映えからしたら値段は相当に高バリューだし、もちろん金額は安くはないけど何が何でも絶対無理ってわけでもないんじゃないか? などとついつい考えちゃう微妙なゾーンにあることもあって、僕の中で常に悩ましい存在であり続けている。
念願の上級モデル、ついに登場
東京モーターショー2019でお披露目
けれどその一方で、もう少し高いパフォーマンスを望む声が世界中から聞こえてきてたのも事実だった。ここまでいいんだから、どうせならもっと…とついつい望んでしまうのは、古来から人間が持つ業のようなものである。
アルピーヌもそんなことは先刻承知で、ちゃんと一段階上の高性能モデルを開発していた。それが2018年6月に発表され、日本では今回の東京モーターショー2019でお披露目された、A110Sだ。
A110Sに会うため、ポルトガルへ
パワーも回転数もアップ
幸運なことにポルトガルのエストリル・サーキットとその周辺の一般道で、A110Sにいち早く試乗することができたので、御報告しよう。すでにMOTAでもモーターショーで展示されたA110Sが紹介されているけれど、現場でエンジニアに少し突っ込んだことを聞いてきたので、まずはその辺りから。
ぶっちゃけ、「A110のエンジンのパワーを上げて足周りを締め上げたのがA110Sなわけでしょ?」といわれたら、確かにそのとおりだ。1.8リッター+ターボのパワーユニットに関しては、ブースト圧を0.4bar高めるなどのチューンナップで、最高出力は292PS/6400rpm、最大トルクは320Nm/2000~6400rpmへと向上している。
パワーが40PSも高くなってる計算だけど、それよりむしろ注目すべきなのは、発生回転の方。最高出力の発生回転数が400rpm高くなり、最大トルクに至っては2000rpmから6400rpmまで延々と噴出し続ける、というわけだ。
最高速度は260km/hに
車重は1114kgだから、パワーウエイトレシオは3.8kg/PSでスタンダードなA110より0.5kg/PS向上していて、そのための静止状態から100km/hの加速タイムは4.4秒と0.1秒速くなっている。さらに最高速度は260km/hと10km/h伸びている。
けれどアルピーヌA110というクルマが直線一気型のスポーツカーとは対極にあるスポーツカーとして生まれている以上、高性能ヴァージョンであったとしても、最も重要なのはシャシーに加えられた変更の方だろう。
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