【2台対決】BMW 新型X3 vs. ボルボ 新型XC60 どっちが買い!? 売れ筋・最新輸入SUVを徹底比較!(2/3)

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BMW 新型X3 vs. ボルボ 新型XC60|エンジン性能比較

今回試乗したBMW X3はxDrive20d、一方のボルボ XC60はT5。同じ2リッターながらもX3はディーゼルターボ、XC60はガソリンターボという違いがある。では果たしてその差がどのように感じたのか?

トルクフルで扱いやすい上に、低回転から力強いという点において、やはりBMW X3のディーゼルは魅力的。特にBMWのディーゼルは、ディーゼルなのにフィーリングに優れるのが特徴で、回転の滑らかさに加え、吹け上がりの気持ち良さまで味わうことができる。この辺りはまさに“エンジン屋”の面目躍如といったところだろう。また8速ATとの組み合わせも熟成されており、実に気持ち良い味わいが実現されている。

最大トルク400Nmは1750-2500回転と、常用域で発生されるだけに普段使いでは2000回転を超えることが皆無。それだけに静粛性も高く、アクセルもほんのわずかに踏む程度で事足りる。一方でワインディング等では、ほんの少しだけ踏み込むことで力強い加速を存分に味わえるのである。

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ボルボ 新型XC60は今回T5を試乗した。2リッターのガソリンターボは最高出力254ps、最大トルク350Nmを発生する。こちらもトランスミッションは8速ATだ。

最近はディーゼル搭載モデルが増えており、このXC60もD4と呼ばれるグレードを用意する。SUVは大きく重く4WDが多いため、力強い上に燃費に優れたディーゼルとは親和性が高いが、それでもエンジンそのものの気持ち良さはやはりガソリンエンジンにアドバンテージがあるといえるだろう。

実際にXC60のT5も、乗るとやはりその辺りを痛感する。やはりガソリンエンジンは、ターボといえど吹け上がりが軽やか。アクセルに呼応して気持ちよく回転が上昇するこの感覚は、ディーゼルにはないものだ。

またトルクに関しても、最近はターボの制御のきめ細やかさが功を奏して、ディーゼルに引けをとらないトルク感を実現している。実際にXC60のT5は、最大トルクの350Nmを1500-4800回転という実にワイドな領域で発生するため、どこからでも力強さを手に入れられるわけだ。

ガソリンならではの気持ち良い吹け上がりと、ターボの力強さの組み合わせは、ディーゼルとはまたひと味違った爽快さがある。ここが今回のT5の魅力として感じられたのだった。

BMW 新型X3 vs. ボルボ 新型XC60|走行性能・燃費比較

X3は走らせた瞬間から、BMWらしいスポーティさをこうしたSUVでもしっかり実現していることが即座に感じられる1台だ。特に今回試乗したグレードはMスポーツだったために、足回りは引き締められたものとなっていた。しかしながら硬すぎるということはいつも通り決してなく、あくまでもスポーティさと乗り心地を見事にバランスさせた仕立てとしている。

もっともX3の場合は新しいアーキテクチャを手に入れたこともあって、7シリーズや5シリーズがそうであるように、BMWとしては以前よりもソフトな乗り味を示す部分も出たといえるだろう。かつてのソリッドな感じが強いものから、心地よさを感じさせて滑らかな印象も与えてくれる。また今回は横浜ゴムとしてはBMW初採用となるアドバンスポーツV105Z.P.Sが採用された。このタイヤはランフラットながら低転がり抵抗で燃費に優れるいっぽう、グリップ性能も高いという相反する性能を両立しているが、それが乗り味にも反映されている。カーブを安心して駆け抜ける一方で、滑らかな感覚を提供してくれるのだ。

ただ今回主に試乗した首都高では、時にボディが揺すられる傾向が見られた。この辺りはSUVながらスポーツサスペションという部分によるものだろうか?

一方のXC60は、BMWに比べるとスポーティさは譲るが、それでもボルボのラインナップの中では十分にスポーティであり、例えば上級モデルのXC90と比べると、とてもスッキリとした乗り味・走り味を実現しており、身のこなしも軽快な印象を受ける。

さらに特徴的なのは、ドイツ系のクルマに共通する、路面にバシッとスタンスを構えて突き進むあの感覚とは異なる、どこかホッとする乗り味走り味を持っていること。僕はこれをして常にボルボならではの“あたたかみ”と表現しているが、この良い意味でユルく、身を預けることのできる感覚がXC60にも受け継がれている。もちろんかつてのボルボに比べれば、それは格段に減っており、どちらかといえばドイツ系に近づいているのも事実ではある。しかしながら乗り比べると、穏やかな感覚をどこかに感じさせるあたりはボルボのボルボたる所以だと僕は感じている。

今回は燃費を計測するほどの距離は走っていないので、カタログ値(JC08モード燃費)で比べてみるが、XC60 T5 AWDは12.6km/Lとガソリン車としてはなかなかの数値を実現している。一方でX3のxDrive20dは17.0km/Lと、やはりディーゼルならではの燃費の良さを実現しているといえる。果たしてこれに対して、2018年春以降に納車を予定するXC60のディーゼルモデルD4がどのくらいの数値になるかが楽しみである。

>>[次ページ]BMW 新型X3とボルボ 新型XC60は・・・どっちが買い!?

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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