リスクも承知!ボルボとフォードが“完全自動運転”という「ギャンブル」をする理由(1/3)

リスクも承知!ボルボとフォードが“完全自動運転”という「ギャンブル」をする理由
フォードが目指す完全自動運転テストカー フォードが目指す完全自動運転テストカー フォードが目指す完全自動運転テストカー フォードが目指す完全自動運転テストカー フォードが目指す完全自動運転テストカー ボルボとUberが自動運転車の開発で提携 ボルボとUberが自動運転車の開発で提携 ボルボとUberが自動運転車の開発で提携 フォードが目指す完全自動運転テストカー フォードが目指す完全自動運転テストカー フォードが目指す完全自動運転テストカー 画像ギャラリーはこちら

業界内から「やっぱり、本気でやる気なのか!?」の声多し

フォードが目指す完全自動運転テストカーボルボとUberが自動運転車の開発で提携

8月に入って、衝撃的なニュースが2つ、飛び込んできた。

まず、フォードは「2021年までに、完全自動運転車の実用化を目指す」ことを明らかにした。次いで、ボルボがライドシェア大手のウーバーと「完全自動運転を視野に入れた技術開発で提携する」と発表した。

こうしたニュースを聞いて、日系自動車メーカー関係者の多くが「なぜ、現時点で、完全自動運転にこだわる必要があるのか、よく分からない」という。なぜなら、自動車メーカーの多くは、自動ブレーキや自動操舵など、高度ドライバー支援システム(ADAS)の「自動化のレベル」を段階的に引き上げて、その集大成としての完全自動運転を目指しているからだ。「いきなり完全自動運転」という事業計画を、多くの自動車メーカーが想定していない。

そのいっぽうで、完全自動運転について「まあ、彼らのアメリカでの動きがあるので、自然の流れだ」という声もある。

日系自動車メーカーにとっては「あり得ない話」

フォードが目指す完全自動運転テストカー

実は今年4月、フォードとボルボ、ライドシェア大手のウーバーとリフト、そしてグーグルの親会社であるアルファベット、これら5社が共同で完全自動運転の法整備についてのロビー活動団体を立ち上げているのだ。ロビー活動とは、ワシントンDCにある連邦政府や連邦議会、さらに各州の議会に対して「水面下での働きかけ」をすることだ。

このロビー活動団体について、驚くべきことがある。なんと、広報担当者にアメリカの自動車行政の中核である国家道路交通安全局の前長官を雇い入れたのだ。アメリカでは、政府高官が民間企業へ転職することは珍しくないが、ここまで「露骨なやり方」について、自動車業界では驚きの声が挙がっていた。

そうした社会背景があるなか、フォードとボルボが新事業について正式発表したということだ。

しかも、単なる実証試験という領域を超えた、近年中の「実装」を念頭にしている点が日系自動車メーカーにとっては「あり得ない話」なのだ。少々乱暴な表現をすれば、事業として高いリスクを伴う「ギャンブル」のような印象を持つ。

1 2 3 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

ボルボの最新自動車ニュース/記事

ボルボのカタログ情報 ボルボの中古車検索 ボルボの記事一覧 ボルボのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる