VW 新型ゴルフGTE試乗レポート|エコだけじゃなくスポーティな走行性能が魅力のPHEV(1/2)

日本車のハイブリッドモデルは約50車種あるが、プラグインハイブリッドはわずか2車種のみ

日本車のエコカーといえばハイブリッドを思い浮かべる人が多いだろう。トヨタ プリウスやアクアのようなハイブリッド専用車に加えて、日産 ノートやホンダ フィットなどもハイブリッド搭載車を用意するため、今では、国産のハイブリッドは約50車種に達した。

ハイブリッドはエンジンとモーターの駆動力を効率良く使い分け、減速する時には駆動用モーターが発電を行って電気を駆動用電池に蓄える。モーターを搭載したクルマでは、減速エネルギーの再利用が可能になるから、同等の性能を備えたノーマルエンジン車に比べると燃料消費量を大幅に抑えられる。

日本車では1997年に世界初の量産ハイブリッドとしてトヨタが初代プリウスを発売した経緯もあり、ハイブリッドの品ぞろえが豊富だ。

ところが充電の可能なプラグインハイブリッドになると、日本車の選択肢は大幅に減る。現時点で経済産業省による補助金の交付対象になる車種は(つまり本格的に販売されている国産プラグインハイブリッドは)、三菱 アウトランダーPHEVとトヨタ プリウスPHVだけだ。

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ゴルフをベースにしたプラグインハイブリッドモデル「ゴルフGTE」がマイナーチェンジ

一方、欧州製の輸入車には、将来の燃費規制を視野に入れたプラグインハイブリッドが多い。

特に注目されるのは、VW(フォルクスワーゲン)のゴルフGTEだろう。VW ゴルフは長年にわたり、輸入車の販売ナンバーワンであり続けた。2016年中盤以降は、VWのディーゼル車排出ガス計測不正問題などによって1位をミニに譲ったが、2位にはランクされている。GTEは輸入車の代表格であるゴルフがベースだから、ユーザーの関心も高いだろう。

ゴルフGTEは、VWにとって最初のプラグインハイブリッドで、日本では2015年9月に発売された。この時点でゴルフは現行型の7代目になっている。

そして2017年10月には、ゴルフGTEがマイナーチェンジを受けた。同時期に電気自動車のeゴルフも加わり、モーター駆動の可能なゴルフの品ぞろえが大幅に充実している。そこで新型になったゴルフGTEに試乗した。

フォルクスワーゲン eゴルフ|VW初導入のEV(電気自動車)を国内初試乗! ゴルフとの違いを徹底評価する

内外装はスポーツ指向のGTIに共通する雰囲気

日本車のハイブリッド、あるいはプラグインハイブリッドの場合、ベースとなるノーマルエンジン車との違いを外観上でアピールすることが多いが、ゴルフGTEは控え目だ。eゴルフと同様、ラジエターグリルとLEDヘッドライトにブルーのラインを配置する程度にとどめている。

そしてグレード名が示すように、内外装の雰囲気やパーツはスポーツ指向の強いゴルフGTIに似ている。アルミホイールのデザインは、GTIとGTEでは異なるが、17インチタイヤのサイズ(225/45R17)は共通だ。最小回転半径も5.2mで等しく、大径タイヤを装着する割に小回りの利きが良い。

ゴルフGTEのボディサイズは全長が4265mm、全幅が1800mmだから、ほかのゴルフとほぼ同じ。それでも3代目までのゴルフは、全幅が1700mmを下まわる5ナンバー車だったから、今はかなりワイドになった。

ゴルフ伝統のリアピラーも太く、斜め後方の視界は良くない。従来型のゴルフユーザーが現行型に乗り替える時は、縦列駐車などを試した方が良いが、最近は日本車、輸入車ともに視界や取りまわし性の悪化が著しい。その意味では、ゴルフの運転感覚は今でも馴染みやすい。

シートもゴルフGTIに準じてタータンチェック柄を採用

車内に入ると、ほかの新型ゴルフと同様、インパネの中央に9.2インチのディスカバープロと純正カーナビが装着されている。充電ステーションなどの表示も可能で、通信機能を備えたコネクティッドサービスにも対応する。

メーカーオプションのテクノロジーパッケージ(17万2800円)を選ぶと、デジタルメータークラスターのアクティブインフォディスプレイが備わる。減速時に行われる回生充電の状態が分かりやすいパワーメーター、カーナビ情報などの表示が可能だ。テクノロジーパッケージには、対向車や先行車に応じてヘッドライトの照射範囲を調節するダイナミックライトアシストなども備わる。

VWはいわゆるプレミアムブランドではないが、内装は細部までていねいに造り込み、シート生地はタータンチェック柄だ。外観と同様、ゴルフGTIに準じたコーディネーションになる。

運転席に座ると、腰が当たる背もたれの下側付近の支え方が絶妙で、長距離を移動する時でも疲労が少ない。肩まわりのサポート性も良い。サイドサポートが大きく張り出すいわゆるスポーツシートではなく、適度なリラックス感覚も伴うが、峠道を走っても着座姿勢は乱れにくい。

居住空間の広さも十分だ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ2つ分の余裕があり、ファミリーカーとして快適に使える。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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