2009年上半期ベスト・バイ・カー【国産車】/日下部保雄
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:トヨタ自動車(株)/原田淳/オートックワン編集部
トータルベストカー/トヨタ プリウス
またプリウスかと思われるかもしれないが、販売台数は世間の期待の高さを物語っている。
すでに納車8ヶ月待ちと言うのは、バブルの時代に等しい爆発的な売れ行きだ。
電気モーターだけで走れるストロング・ハイブリッドは、その特性を活かして、都市部での燃費の強みを発揮する。高速でもシステムのエネルギー回生率を上げ、また排気量を1.8リットルに拡大したことで、余力が燃費のよさに繋がっている。
まさに独走状態のプリウスだが、燃費だけでなく安全性に対しても高い配慮がされていることはあまり知られていない。緊急回避性なども安定志向に躾けられており、世界最先端のファミリーカーとして日本が世界に誇れるクルマだ。
ベストドライビングカー/日産 GT-R specV
もはやここまでくると普通の道でドライビングを楽しむというレベルではないが、その音、振動・・・GT-R specVの息吹からは、そのあらゆる凄さが伝わってくる。
ノーマルのGT-Rも素晴らしいパフォーマンスに舌を巻いたが、specVは軽量化の効果が如実に現れており、上着を一枚脱いだような軽快な動きになっていた。
と言っても、GT-Rは戦闘機のような速さであることに変わりはなく、気軽に振り回すというようなレベルではない。
しかしサーキットを走るようなチャンスがあれば、ステアリングやアクセルに対する反応のよさ、それに強力無比な6ポッドブレーキキャリパーによる制動力に驚くに違いない。
安定性の高さや速さなど、日本が世界に誇るGT-Rを磨き上げた性能に敬意を表して。
ベストデザインカー/レクサス IS250C
今だからこそコンバーチブルに乗ろう!
セダンをコンバーチブルにするとデザインが崩れることがあるが、IS250Cはバランスの取れた良いデザインだ。オープンにした時の気持ちよさに加え、リアにウィンドウディフレクターを装着しなくとも風の巻き込みは最小限に抑えられ、オープンにしても居住性はかなり高い。
また、クーペにした時の姿もなかなか様になっており、セダンの力強さを損なっていない。
さらに、いざとなれば4人の大人が乗れることもIS250Cの強みだ。
いくらデザインが優れていても、ハンドリングに適度の心地よさを持っていなければならないが、IS250Cは高いボディ剛性でシットリした乗り味を待っており、この点でも勧められる。
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