これが次期スカイラインか、満を持して登場したインフィニティセダンの意欲作

  • 筆者: 桃田 健史
  • カメラマン:桃田 健史/日産自動車

久々の量産狙うセダンコンセプト

北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)のインフィニティブース。

満を持して登場した、ミッドサイズセダンの”Qインスピレーションコンセプト”が世界各地で大きな話題となっている。

なぜならば、これぞ次世代インフィニティセダンデザインの母体だからだ。

>>VCターボ搭載もアナウンスしたQインスピレーション(画像22枚)

2013年、それまでのG、M、FXといったモデル名を、クーペとセダンがQ、またSUV/クロスオーバーをQXへと変更した。

あれから5年近くが経ち、自動車産業界にはプレミアムブランドを含めて電動化、自動運転化、そして通信によるコネクティッド化の大波が押し寄せている。そうした中、Qも新世代への道を歩み始めた。

通常こうしたコンセプトモデルで、搭載するエンジンの詳細を明らかにすることは珍しい。ところが、Qインスピレーションでは、直列4気筒のVCターボの写真が公開された。VCターボは、燃焼室内でピストンが最も上にある位置・上死点が可変することによって圧縮比が変わり、走行条件によって最良の燃費とパワー&トルクを引き出すことができる。

このVCターボは、現行スカイラインが搭載するダイムラー製の2リッターターボの後継か? それとも、ルノー・日産グループが開発してダイムラーへ供給するのか?

いずれにしても、VCターボを前面に押し出したQインスピレーションは、インフィニティのミッドサイズセダン、つまり日本でのスカイラインの次期型モデルとなる可能性が高い。

また、Qインスピレーションでは、日産の自動運転技術であるプロパイロット搭載についても触れている。日産が現在進めている高速道路と一般道路での高度な自動運転システムの主な実験車両は、リーフとスカイラインハイブリッドであり、その点からもQインスピレーションがスカイライン後継という予測が成り立つ。

2021年発売のEVは、Q50(スカイライン)ではない

Qインスピレーションコンセプトが発表された2日後、日産はインフィニティの電動化計画を発表した。

それによると、2021年以降に発売するインフィニティに電動車をラインアップする。その初期段階として、2021年にインフィニティ初のEVを発売する。また、2025年までにグローバル販売台数の半数以上を電動車にするとした。

これまでも日産は、インフィニティQX系でプラグインハイブリッド車導入を示唆してきた。また、EVについては2012年のニューヨークモーターショーで、モデル名LEを世界初公開した。非接触給電システムを搭載する意欲作で、その発表現場で日産関係者はパナソニックと非接触給電システム導入を検討していることを明らかにした。このLEは初代リーフをベースとしていたが、世界的なEV市場の拡大スピードが日産の予想より遅かったこともあり、LEはお蔵入りしてしまった。

今回インフィニティが2021年導入決定としたインフィニティ初のEVは、導入時期から考えて、第二世代リーフをベースとしたFF車になる可能性が高い。名称は、Q40が復活することになるのか?

また、これまで何度も日産上層部で検討されてきた、インフィニティブランドの日本市場導入についても気になるところだ。

Qが次世代化する2021年、スカイラインという名称は消え、日本でもQとQXのモデル展開が始まるのかもしれない。

[Text:桃田健史]

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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