マツダが新型CX-8導入でスライドドア車の生産撤退、3列シートSUVにかける戦略とは

マツダが新型CX-8導入でスライドドア車の生産撤退、3列シートSUVにかける戦略とは
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欧州も米国もミニバンはスライドドア車が増えたのに…

どうやらマツダは3列シートSUVである新型CX-8の市販と同時期に、スライドドア車の生産から撤退する模様。

現在マツダのスライドドア車であるミニバンのプレマシーとビアンテは好調と言いがたい状況にある。いや、正確に書くなら生産ラインの効率やパーツの供給など考えれば足を引っ張っているくらいだと思う。

むしろ効率を追求するマツダの経営方針からすれば、よくぞ今まで残していたと考えるべきかもしれない。おそらく販売現場からスライドドアを残して欲しいというリクエストが出ているんだと思う。とはいえ、実際の販売台数見れば販売側も「いつまでも残せ」と言いがたい。

3列シート付きSUVのCX-8の登場で、このあたりのバランスを取ろうという作戦なんだろうか。果たしてスライドドア車は無くても問題無いのか? 難しい判断だと考える。

ここにきてヨーロッパでもスライドドアが増えてきたし、アメリカだってミニバンはスライドドアばかりになってきた。マツダだってスライドドア車があってもよい。

ただビアンテは世界戦略車になりにくいと思う。そもそも大きさが中途半端。アメリカだと小さく、日本はスペース効率でトヨタノア3兄弟や日産セレナには勝てない。欧州や新興国も市場無し。ビアンテの絶版は妥当な選択であり、100%無くなると考えてよかろう。

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欧州戦略車のプレマシー復活は新型CX-8の売れ行き次第?

マツダ プレマシー

微妙なのがプレマシー。元々ヨーロッパ戦略車種で、VWゴルフ トゥーランやオペル ザフィーラの競合車種。けれど売れ行きは低迷してしまう。このクラス、欧州だとスライドドアのニーズが無い。かといって通常のドアであっても、トヨタ ウィッシュやホンダ ストリームを見れば解るとおり厳しい。現在の販売状況を考えれば絶版という選択が正しいのかもしれない。

一方、余力あれば現在のマツダの技術力で優れたスライドドアタイプのミニバンを作ったら案外イケる可能性あると思う。現行プレマシーを開発していた時のマツダと今は違う。ディーゼルエンジンだってあるし。

ビアンテと同じく販売が低迷している現時点での一旦生産中止は当然だと思う。ちなみにビアンテを絶版にすることで、トヨタからノア3兄弟のOEM供給を受けられるようになる。マツダ版のノアということ。ビアンテより売れるかもしれません。

新型CX-8の売れ行きが好調なら、プレマシーの復活は当面無いと予想しておく。

[Text:国沢光宏]

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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