レクサス RC 試乗レポート/河口まなぶ(1/2)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:Lexus International/茂呂幸正
そうしたレクサスが次に送り出してきたクーペであるRCは「NXで殻を破ってさらに、レクサスというブランドをようやく確立するモデルになった」と感じた。
一言で、ブランドとして垢抜けた感がある。それは主にデザインで、独自の表現がようやく板についた印象があるからだろう。それは特にNXで殻を破ったあとだけに、このRCでは余計にデザインをモノにした感がある。
個人的な感覚からいえば、ディテールではまだ煩い感じが内外装ともに残っていたりもするが、フォルムそのものは思わず目を止める美しさがあると思える。また塗装の質の高さや各パーツの作り込みの深さなどには、素直にクオリティの高さを感じる。それは確かに高級車らしい品質だし、何よりどんなものにも似ていないレクサスらしさを感じさせる。
しかし何より「らしさ」を感じさせてくれたのは、その走りだった。
スッキリとした感覚を伴った滑らかさ
今回、「RC350」を熊本県のオートポリスで、そして「RC300h」を横浜近郊で走らせたが、両者に共通しているのが『場所を問わずに感じさせる滑らかな感覚の乗り味・走り味』だろう。
サーキットでも、一般公道でも、RCはまず走り出しからとても滑らかな感覚を伝えてくる。そしてこの滑らかさは、メルセデス・ベンツのしっとりさや、BMWのソリッドさを伴う感覚とは異なるもの。とてもスッキリとした感覚を伴った滑らかさで、それがレクサスらしいと感じさせる。
現代の高級車らしく軽い操舵感のハンドルを回すと、やはり乗り味同様にスッキリした感覚が手のひらに伝わる。そして心地よく爽快にクルマが向きを変えていく。
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