ヴォクシー・セレナ・ステップワゴンを徹底比較 ~ミドルサイズのミニバンの王道~(4/4)

ヴォクシー・セレナ・ステップワゴンを徹底比較 ~ミドルサイズのミニバンの王道~
トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V 画像ギャラリーはこちら

ハイブリッドは低燃費に加えて静粛性が優れ上質な運転感覚を味わえる

トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレークトヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク

今回のヴォクシーの試乗車はハイブリッドV。動力性能はプリウスと同じだからパワフルではないが、性能的には2.2リッタークラスだ。高回転域まで回した時の性能はノーマルタイプの2リッターエンジンに近いが、巡航中にアクセルペダルを少し踏み増した時などは、モーターの駆動力が即座に増して滑らかに加速できる。

また、ノーマルエンジンは現行型へのフルモデルチェンジで排気系統の取りまわしが変わり、実用回転域のノイズが気になる。これに比べてハイブリッドは、遮音も入念に行われて静かだ。

ハイブリッドとノーマルエンジンの価格差は、装備の違いを補正すると約34万円。減税額の差を加味して約33万円になる。そして1km当たりの燃料代は、実用燃費で計算してハイブリッドが8.2円、ノーマルエンジンは12.1円だ。33万円の実質差額が燃料代の差額で埋まるのは、8.5万kmを走った頃だろう。

なので損得勘定を考えると、ハイブリッドは1年間に1.5万km以上を走るユーザーに推奨されるが、静粛性や運転感覚の違いで選んでも良い。33万円の実質価格差も、トヨタ カローラアクシオ&フィールダーの40万円に比べると小さく、ハイブリッドも割安感に配慮している。

現行型は床が低く、重心も下がったから走行安定性が向上した。セレナよりも優れ、ステップワゴンと同等だが、操舵に対する正確性はヴォクシーが勝る。

乗り心地は少し硬いが、ミドルサイズの背の高いミニバンでは満足できる。前述のように3列目の居住性や内装の質も高く、価格は割安だ。さまざまな機能に設計の新しさを感じる。

■トヨタ ヴォクシー(ハイブリッド)の画像ギャラリーはこちら(走行シーン)

多彩なシートアレンジや背の高いボディなど「ミニバンらしさ」が一番の魅力だ

日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン

セレナの動力性能は、背の高いミニバンの平均水準。シートアレンジに力を入れて、長いスライドレールや可変機能を多く備えたことで、試乗したハイウェイスターG・Sハイブリッドの車両重量は1680kgに達する。加速力では不利だが、エンジン性能は2リッタークラスでは高い部類だ。登坂路を除くと、力不足をあまり感じない。

操舵感は背の高いミニバンの典型で反応が鈍い。ステアリングのギヤ比も少しスローだ。このような設定にして後輪の踏ん張り感を相対的に高め、走行安定性を保っている。

従って少し速度を高めて曲がると、旋回軌跡を拡大させやすい。スポーティーに走るクルマではないが、運転感覚は全般的に緩く、ユーザーによっては物足りないだろう。

それでもハイウェイスターG・Sハイブリッドは、専用に開発された足まわりと16インチタイヤにより、15インチを履いた標準グレードに比べれば運転感覚は自然だ。

乗り心地は硬めになる。タイヤはブリヂストン・エコピアEP150で、指定空気圧は前後輪とも280kPa。ボディの重いミニバンは全般的に指定空気圧が高いが、セレナはエコ指向のタイヤを備え、ライバル2車を40kPaほど上まわる。燃費性能に力を入れた影響が生じた。

セレナの運転感覚は少し不満だが、多彩なシートアレンジなど、ミニバンの機能は徹底追求されている。すべてのユーザーがこの機能を活用できるとは限らないが、外観を含めて「ミニバンらしさ」を明快に表現した。また作動速度が時速80km以下とはいえ、大半のグレードに衝突回避の支援機能を備えたことも魅力になる。

■日産 セレナの画像ギャラリーはこちら(走行シーン)

低重心のボディによる自然な運転感覚と荷室の優れた使い勝手が特徴

ホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パールホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パール

ステップワゴンの2リッターエンジンは2500回転前後でも相応の駆動力を発揮するが、4000回転を超えた領域で活発に加速する性格も併せ持つ。力不足はあまり感じないが、もう少し実用域の駆動力を高めて欲しい。

背の高いミニバンとあって操舵感は少し鈍いが、低床設計の効果で腰高な動きは抑えた。背の高いミニバンでは、運転感覚が軽快な部類に入る。低重心だから、もう少し操舵に対する正確性を高めても悪影響は生じない。

乗り心地は硬めだが粗い印象はない。スパーダの2WDには「チューニングサスペンション」が備わり、16インチタイヤとの相性も良い。17インチをオプション装着すると硬さが目立つが、16インチはステップワゴンで最良の乗り心地になる。

ステップワゴンの魅力は、この自然な運転感覚と荷室の使いやすさだ。3列目を床下に格納すれば広い空間が得られ、床が低いからヴォクシーと同様に乗降性も良い。

気になるのは2014~2015年にフルモデルチェンジが実施されるとウワサされている。競争の激しいミニバンとあって、次期型は居住性、荷室の機能、走行性能、燃費、安全装備まで幅広く向上させ、値上げは競争力を下げるから、機能を高めた分だけ買い得になるだろう。

一方、現行型はカーナビやクーポンのプレゼントを実施して、商談に入れば値引きも可能だ。総額では40万円前後は安くなり、年率1.9%のローンも使える。ライバル2車と比べて、納得できたら現行ステップワゴンを好条件で買う手もあるだろう。

ミニバンには大量に販売する使命があり、最後までサービスを手厚くして確実に売り切る。そこもほかのジャンルとは違う特徴だ。

■ホンダ ステップワゴンの画像ギャラリーはこちら(走行シーン)

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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