ヴォクシー・セレナ・ステップワゴンを徹底比較 ~ミドルサイズのミニバンの王道~(2/4)

ヴォクシー・セレナ・ステップワゴンを徹底比較 ~ミドルサイズのミニバンの王道~
トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V 画像ギャラリーはこちら

ライバル車に負けていた「欠点潰し」で完全無欠のミニバンをめざした

トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレークトヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレーク

今日のミドルサイズのミニバンでは、トヨタ ヴォクシー&ノア/日産 セレナ/ホンダ ステップワゴンが売れ筋だ。使う目的も多人数乗車、荷物の積載などほとんど同じということもあり、多くのユーザーがこの3車を競合車と考えているだろう。内外装やシートアレンジが似ていてる点も、比べやすいのではないか。

しかも3車とも基本的に国内専売で、海外の事情に左右されない。なのでこの3車種同士は常に睨み合いながら開発をしているというわけだ。

そこで現行ヴォクシー&ノアは、先代型の「欠点潰し」を行った。登場したのは2014年1月。ステップワゴンは2009年、セレナは2010年だから、4~5年の時間差がある。その優位性を生かし、ライバル車をジックリと研究した。

その結果、ヴォクシー&ノアは、床の位置を平均して85mmほど下げている。先代型はステップワゴンに比べて60mmほど高く、乗降性や高重心に伴う走行安定性で不利があったからだ。低床化のために薄型燃料タンクも開発し、プラットフォームもエンジンの下側以外は刷新された。

全長は標準ボディで100mm伸ばした。というのも、先代型はライバル2車に比べて有効室内長が短く、3列目の足元が狭かったためだ。その一方で、3列目をレバー操作だけで格納できる便利な機能は踏襲した。

そして最も注目されるのはハイブリッドの設定。1.8リッターエンジンをベースにしたプリウスと同様のユニットを、ヴォクシー&ノアに移植し、燃費の向上を図った。そこで今回は人気の高いヴォクシーハイブリッドVを試乗する。

■トヨタ ヴォクシー(ハイブリッド)の画像ギャラリーはこちら(エクステリア)

トヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレークトヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレークトヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレークトヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V ボディカラー:ブラッキッシュアゲハガラスフレークトヨタ ヴォクシー1.8 ハイブリッド V

天井の高いボディでミニバンらしさを強調し衝突回避の支援機能も備えて売れ行きは堅調

日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン

「ミニバンの販売ナンバーワン」と活発に宣伝していたのが日産 セレナだ。今や新型になったヴォクシーの方が売れ行きは好調だが、セレナの人気も相変わらずだ。

全高は1800mmを上まわり、今回取り上げる3車では最も背が高い。背景には燃料タンクをカバーできる位置まで床を高くしたフラットフロア構造がある。ライバル2車は、床下に収まる燃料タンクの厚みや配置を工夫して床を下げたが、セレナは少々設計が古い。床は大雑把にいってステップワゴンよりも60mm、ヴォクシーよりは80~90mm高く、3車の中では唯一、乗降用のサイドステップ(小さな階段)を備える。

なので乗降性が良いとはいえず、重心も高いが、高い床に合わせて天井も持ち上げたから、外観はミニバンらしさが濃厚だ。これも人気の要因になる。

エンジンは直列4気筒の2リッターを搭載し、試乗グレードはエアロパーツを備えたハイウェイスターG・Sハイブリッドだ。

ハイブリッドだからモーター駆動も行うが、アイドリングストップ後の再始動を行うエコモーターに、駆動の機能を持たせたもの。なのでモーターの最高出力は1.8kW(2.4馬力)と小さい。

セレナG・SハイブリッドのJC08モード燃費は15.4km/L(20X・Sハイブリッドは16km/L)。ヴォクシーハイブリッドVの23.8km/Lにはおよばず、ノーマルタイプの2Lエンジンにアイドリングストップを組み合わせた16km/Lと同等だ。セレナをハイブリッド車と呼ぶには無理が伴うが、価格もノーマルエンジンと変わらず安いのは魅力的だ。

装備ではカメラを使った衝突回避の支援機能を備える。作動する速度は時速80km以下だが、この機能は最廉価の20Sを除く全車に標準装着した。

■日産 セレナの画像ギャラリーはこちら(エクステリア)

日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ ボディカラー:タイガーアイブラウン日産 セレナ2.0 ハイウェイスター G S-HYBRID アドバンスドセーフティパッケージ

設計は古いものの低床プラットフォームの採用で乗降性が優れ、走行安定性も向上させた

ホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パールホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パール

ホンダ ステップワゴンのプラットフォームは先代型と共通だが、スライドドア開口部の床面地上高は390mm。ヴォクシーよりは少し高いが、セレナに比べると低く、サイドステップを使わずに乗り込める。2005年に登場した先代型もこの数値だから、10年近く前に登場したミニバンとしては進歩的な設計であった。

床が低いためにフラットフロア構造のミニバンとしては天井の高さも抑えられ、全高は1815mm。ヴォクシーと比べても、わずか10mmではあるが低い。乗降性に優れ、重心も低いため走行安定性も良好だ。

エンジンは2リッター直列4気筒。現行型の登場は2009年だが、競争の激しいミニバンとあって、2012年のマイナーチェンジでは新型のCVT(無段変速AT)とアイドリングストップを組み合わせて燃費を向上させた。

試乗したグレードはエアロパーツを備えたスパーダZで、JC08モード燃費は14.8km/L(標準ボディのG・Eセレクションは15km/L)。ヴォクシー&ノアのノーマルエンジン搭載車が16km/L、セレナハイウェイスターG・Sハイブリッドが15.4km/だから少し見劣りするが、2Lエンジンを積んだ背の高いミニバンでは満足できる。

装備ではミリ波レーダーを使った衝突回避の支援機能を用意するが、最上級のスパーダZiに標準装着されるだけ。スパーダZiは装備を充実させて価格が357万1200円と高い。しかもステップワゴンは在庫車を中心にした売り方だ。メーカーに注文を入れて生産すると、納期が長引き、値引きは減額される。そのためにスパーダZiはほとんど売れず、ステップワゴンが衝突回避の支援機能を装着しているとはいえない。

■ホンダ ステップワゴンの画像ギャラリーはこちら(エクステリア)

ホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パールホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パールホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パールホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z ボディカラー:ホワイトオーキッド・パールホンダ ステップワゴン 2.0 スパーダ Z

デザイン・スペックの総評

車の床と天井の高さは、必要な最低地上高、車内の広さ、ボディ剛性などが確保されれば、低ければ低いほど良い。乗降性、居住性、積載性、走行安定性など、いろいろな機能が向上するからだ。

そこで背の高いミニバンは薄型燃料タンクを開発する。背の低いタイプと違って、燃料タンクの上に平らな床が位置しており、タンクの厚みで床の高さが決まるからだ。

一部のSUVも含めて、「背が高い方が立派でカッコイイ」と感じる場合が多く、特に北米向けのSUVには見晴らしの良さが求められる。乗員の視線が高いものが多いが、床と天井が高くなると、乗降性や走行安定性が阻害されるというデメリットも。

ヴォクシーは先代型に比べると床を85mm、全高を25mm低く抑え、室内高は60mm拡大した。低床化により室内空間が拡大し、ミニバンとしての機能を高めている。そして天井の高さと外観の見栄えはあまり変わらない。それでも低床化で重心も下がり、乗降性や走行安定性は向上した。

衝突回避の支援機能について、ヴォクシーは非装着で、ステップワゴンもグレードが限られて実質に選べない。セレナが時速80km以下で作動するタイプを設定するだけとなっている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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