人間アイドリングストップとエコ・タイヤ、どちらが燃費に有効なの?

人間アイドリングストップとエコ・タイヤ、どちらが燃費に有効なの?
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人間アイドリングストップとエコ・タイヤ、どちらが燃費に有効なの?

アイドリングストップシステムにあこがれてますが、私のクルマは古い(平成18年式キューブ・コンラン)ので、もちろん搭載されてません。ですから「人間アイドリングストップ」になるべく、信号待ちが長いと分かっているときは、エンジンを止めるようにしてます。さらにタイヤも今流行の「エコ・タイヤ」に履き替えようかと検討中です。

さてこの「人間アイドリングストップ」と「エコ・タイヤ」、どちらがより燃費に有効と思われますか?「人間アイドリングストップ」の方は、うっかりしてエンジンがかかっているときに、さらにイグニッションキーを回したりして、かえってクルマを傷めてるんじゃないかとも思っています。清水草一さん、どうぞアドバイスの方よろしくお願いします。(きんちゃんさん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

アイドリングストップ機能搭載車エコタイヤ

キューブ・コンランのきんちゃんさん、こんにちは。

まず人間アイドリングストップについてお答えしましょう。自動アイドリングストップ装置の場合、ゴー・ストップの多い市街地走行で、8~10%燃費が改善されるのが通例です。それを人力で行う場合、ある程度停止時間が長いと予想される場合のみ実行するわけですが、こまめに行えばその6~7割、つまり5~7%くらい、燃費の向上が望めるんじゃないでしょうか?

ただ、問題もあります。ノーマルモデルのバッテリーは、アイドリングストップを想定していないということです。ノーマルモデルにそのままアイドリングストップ装置を取り付けると、バッテリーの寿命は1年ほどで尽きてしまいます。

エンジンの始動は、バッテリーにとって最大の力仕事。その回数が飛躍的に増えるわけですからね。「人間アイドリングストップ」なら、自動に比べて始動回数は半分くらいに減るでしょうから、消耗度も減りますが、多少バッテリーの寿命が短くなるのは仕方ない。それを考えると、アイドリングストップをする手が鈍っちゃいますよね。

個人的には、人間アイドリングストップは、たとえば踏切待ちで通過列車が2本以上の場合など、確実に停止時間が長くなる場合だけ実行しています。しかしそうすると、結局アイドリングストップが習慣にならず、いつの間にか忘れてしまったりします。しかもその程度の実行では、燃費の差はほとんど出てくれません。

ということで、人間アイドリングストップは、私にとってはかなり苦しく難しい技です。エコタイヤに関しては、市街地走行で最大4%、一定速走行で最大10%くらいの燃費改善が期待できると思います。こちらは、ゴー・ストップが少なければ少ないほど燃費の改善率が増しますので、ちょうどアイドリングストップとは補完関係になりますね。

この両方を組み合わせれば、トータルでも5%以上燃費が良くなるというのが、机上の計算です。しかし、それだけがんばって5%か……というのも実感でしょう。

MJブロンディの「ひとりごと」

燃費の改善は、アイドリングストップやエコタイヤなどの道具に頼るより、アクセルの踏み方を工夫した方が、率が大きいかもしれません。初心者ドライバーの場合、ゴー・ストップの多い市街地走行では、アクセルの踏み方で3割近く燃費が伸びた、という例をよく聞きます。もちろんこれは、ドライバーによる個人差が非常に大きいのですが……。

燃費のいい運転は、ただノロノロと走ることではありません。踏む時はしっかりアクセルを踏んで効率よく加速し、早めに効率のいい速度に乗せつつ、常に先を読んで、できるだけ無駄な加速はしないことが重要です。

きんちゃんさんは、すでにそっちにも気を配っていて釈迦に説法でしょうが、それでもまだ5%くらいの改善の余地はあるかもしれません。 日々の運転でテクニックを磨くなら、余分なお金もかかりませんし、まずそちらを試すのがいいかもしれません。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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