ボルボ V90クロスカントリーで東京から試される大地”北海道”へ。1400km、グランドツーリングの旅:後編(1/2)

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:佐藤正巳,茂呂幸正

雪を求めて北海道内を彷徨うものの...

昨日の明け方東京を発ち、無計画の行き当たりばったりで北へ。八戸で絶品の昼ご飯を食べ、青森港から津軽海峡を渡って北海道上陸と、半日で1000kmあまりを走行したボルボ V90クロスカントリーと我々取材班。続く後編では、函館をスタートし、ゴールの新千歳空港まで北海道内を雪を求めて駆け巡るのだが...

≫前編の模様はこちらから

二日目、朝。残念ながら天候は小雨。気温は高く、雪になる気配はまるでない。

函館と言えば思いつくのはずばり朝市。とこれまたベタな展開だが、豊かな海の幸を目の前にホテルの朝食をとるのも無粋なわけで、我々取材班はJR函館駅と函館朝市の間にある駐車場にクルマを停め、傘を片手に朝市を散策することにした。

店頭には、新鮮な海産物がずらりと並び、こちらのテンションも上がる。店員さんからも「お兄さん、カニあるよ~」「ウニ、美味しいの、どう?」などと次々に声が掛かる。どうせなら今年の正月用の買い出しも済ませてしまおうか。

朝っぱらからスミマセン! いっそのこと思い切って豪勢に行ってしまおう! とも思いながら、市場内をさらにふらふらと歩く。もうカニやらイクラやらウニやらワカメやらと、多すぎてよくわからなくなってきた。

一ヶ月後に控えた健康診断を前に、己の身体の諸々の数値が気になるタイミングではあるが、「ダイエットは常に明日から」とか、「北海道に滞在中は仕方がない」などと自分に言い聞かせ(謎)つつ、丼ものに目星をつけてオーダー。今日も長丁場になりそうな気配なので、しっかりと胃袋に放り込む。やっぱり新鮮で美味い。

ひと通り堪能したと思ったがカメラマン氏は物足りなかったらしく、なぜかここにきてモツ煮とご飯を注文。「まだ喰うんかい」という突っ込みをヨソに、美味しそうに掻き込んでいる。まぁ、函館に到着した日の夜も海鮮だったから、ぼちぼち海の幸じゃないものも食べたくなるのも頷けるのだが……。

さて腹ごしらえをした我々は、実は今回のテーマである雪道ドライブの『雪』を求めて、ニセコへとステアリングを向けた。途中、函館ローカルの”ラッキーピエロ”(ご当地バーガー全国1位獲得をしたハンバーガーチェーン/総カロリー1860kcalの函館山ハンバーガーが有名)を発見したが、さすがに自粛し、先を急ぐ。しかし残念ながら出発地である函館市内はもちろん、道央道、そして豊浦でも、道に雪は皆無。雨、ダウンジャケット要らずの気温、そして霧という、まったくロケには適さず、今回の企画意図にも合致しない天候に見舞われたのだった。

豊浦で一般道に下り、昆布岳をかすめてニセコアンヌプリへと向かうと、道の両側には残雪も見えてきたが、基本的に路面は除雪済みのウェット。時折、山の北側のコーナーのみ残雪が現れるという、ドライバーにとってはイヤな路面状況となった。こんな時にこそV90クロスカントリーの安心感はありがたい。

林道ではオフロードモードが大活躍

雪道を求めた我々取材班は、ふと目の前に現れた林道へと入り込んでみた。入り口こそ舗装が敷かれていたが、進むにつれていつしか道は未舗装に。雪と砂利と泥、そして轍には雨の流れるグラベルを進んでいく。高い車高のクロスカントリーだからこそ、それなりにラフな路面でも入っていける。SUVほどではないが、行動範囲の広さは間違いなく美点だろう。冒険とまで仰々しいものではないにせよ、ちょっとした非日常に踏み出すことも、このクルマと一緒ならば容易いはずだ。

そのまましばらく林道を進んだが、結局のところ雪道と呼べるレベルではなかったので引き返すことに。もちろんUターンをするのだが、上空から見た鳥観図のような360°ビューカメラによって車両の周辺を確認できるので、狭い場所の取り回しも安心。オフロードモードに入れておけば、下り路面はヒルディセントコントロールも機能する。滑りやすくぬかるんだ林道も無事にクリアして、元の舗装路へと戻ることができた。

再びニセコ周辺をさまようも雪道は望むべくもなく、ますます霧が濃くなる始末。海外からパウダースノー目当てで来日した観光客も当てが外れたようで、北海道民の憩いの場であるセイコーマートが賑わっている。あと一日後ろにずれていれば寒気団が到来し、この時期の北海道らしい天候になったというのに……。と空模様を呪いつつ、気分を切り替えて余市へとステアリングを切った。

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