ボルボ S60 海外試乗レポート(3/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:ボルボカーズジャパン
安心感を超えない、気持ち良いスポーティさ
走りもスタイル同様、最初は一瞬「えっ、これがボルボ?」というほどのスポーティさを見せるが、長い距離を走り込めば走り込むほど、奥底には従来と同じ類の安心感を備えていることに気づく。
まず、どんなにハイスピードでコーナーに入っても山道程度じゃリアタイヤは出ないし、ステアリングフィールもそこまでダイレクトではない。
燃費を稼ぐために、エンジンもピークトルクを1,750rpmという低回転から発揮。発進は唐突なくらいだが、ゆっくり踏んでいくとドイツ車ほど極端ではないものの、2,000rpm付近でシフトアップし、気持ち良く、効率良く走れる。
ブレーキも効くことは効くが、レーシングカーのようなダイレクトさはない。
だが、それこそがボルボ。
営業スタッフも言っていたが、ボルボユーザーは実はBMWやメルセデスのような手応え、シャープさをあえて求めない。
なぜならそれは、逆に神経質さにも繋がるからだ。
常にクルマと対話し、最高速を出し続けるようなドライビングも確かに楽しいが、ボルボはもっと気楽に、頑張らず運転を楽しむ人を想定している。
そういう意味ではエモーショナルになったとはいえ、変わらずボルボ。根本のキャラクターは変わってないのだ。
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