ボルボ C30 海外試乗レポート(1/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ボルボ・カーズ・ジャパン株式会社
ボルボ C30 海外試乗レポート
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若い顧客層へアピールする“エントリー・ボルボ”

「活動的な人々のためのクールなクルマ」、「若さ溢れるダイナミックな人々のための“あなただけのボルボ車”」――そんなフレーズで紹介されるブランニュー・モデルが、2006年秋に開催のパリモーターショーで初披露された『ボルボC30』だ。

このモデルの注目点は単にボルボのニューモデル、というだけには留まらない。というのも、これまではとかくプレミアムなファミリーカーというキャラクターばかりが目立ったボルボ車にとって、これは「初めて2ドア・プレミアムカー・セグメントに参入するモデル」でもあるため。そう、C30の投入によってこれまでのボルボ・ラインナップでは望めなかった若い顧客層を開拓し、後にそうした人々を自らのアッパーモデル・ラインナップへと誘おうというシナリオに基づき、文字通りの“エントリー・ボルボ”としての役割が期待されるのもこのモデルなのである。

全長×全幅×全高が4,252×1,782×1,447mmと、いわゆる2BOXハッチバックのボディとしてはやや大きめサイズの持ち主であるC30。そんなこのモデルのハードウェア上のベースは、すでにお馴染みのS40/V50シリーズ。それゆえ、搭載されるパワーパックもすでにそうしたモデルに積まれて定評あるもの。

フロントフード下に横置きマウントされるのは、S40/V50のそれと同一アイテムという直列4気筒、もしくは5気筒という6種類のガソリンと4種類のディーゼルエンジン。日本には恐らくまず、5気筒のターボ付きガソリンエンジン搭載仕様が導入されると目される。ちなみに、2007年の夏からの発売予定という日本仕様車が搭載するパワーパックは「S40/V50の場合に準じたユニット」との事。となると、まずは5気筒エンジン+ATという仕様から導入となる可能性濃厚だ。

ところで、そんなC30にはもう一点、他のボルボのラインナップとは興味深い見逃せない相違点がある。それは「アメリカでの販売比率の予想値はおよそ10%」と、そのパーセンテージが他のボルボ車に比べて極端に低く見積もられている事。すなわちそれは、開発過程でもアメリカからの要求がかなり限定的であった事を示唆するもの。言ってみれば「およそ75%に達すると想定されるヨーロッパの市場向けに特化した、割り切りのパッケージング・デザインを採用したのがC30」と考えられるものでもある。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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