ボルボ C30 海外試乗レポート(3/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ボルボ・カーズ・ジャパン株式会社
これまでのボルボ各車とは明確に異なるスポーティさ
遥か先まで見通しの効く大陸的な風景が広がるかと思えば、“内陸部”へ向かうと日本の山岳路の印象にも近い、タイトなコーナーやきつめのアップダウンも多数見られるスペイン領はマヨルカ島。そこでテストドライブを行ったC30は、シリーズ最強の220hpを発する2.5リッター 5気筒ターボエンジン搭載の『T5』グレードに限られた。
パワーパックに数多くのバリエーションを用意するモデルの場合、印象が散漫になるのを避けるためかはたまた非力な第一印象を与えたくないためか、こうして当初の国際試乗会の場には最もパワフル、もしくはそれに準じたモデルしか敢えて用意をしないという例は少なくない。もっとも、これまで述べて来たようにボルボ車の歴史の中でも最もアクティブなキャラクターの持ち主であるのがこのC30。それゆえ、200psを超えるホットなパワーユニットも、そんなこのクルマのキャラクターにはなかなか相応しい存在と言えるだろう。
一方、時にシフトショックが大きめでダウンシフト時の“回転合わせ”も行わないのは、最新モデルのATとしてはやや寂しい。S40/V50から進歩を感じられないその出来栄えは、せっかくのC30の斬新さに水を差してしまう。
S40/V50と基本骨格やランニング・コンポーネンツを共にするという点から、「フットワークのテイストも近似したもの」という予想は、良い方向へと微妙に外れる事に。というのも、オプション設定の205/50R17(標準は16インチ)というサイズのシューズを履きながらも、路面凹凸に遭遇した場合のいなし方はこちらの方が軽快かつしなやかな。それは、同じベースメカニズムを用いつつもやはり「こちらの方が新しい」という、誕生時期の違いの影響もあるのかも知れない。優れた接地感を提供してくれつつも決して快適性を犠牲にしないそんな走り味は、これまでのボルボ各車とは明確に異なるスポーティさを感じさせてくれる。それでいながら、シャープさはほどほどに抑えつつ思い通りのラインをトレース出来るハンドリングの感覚も、C30のキャラクターに良く似合っている印象だ。
ところで、今回の試乗会では「前後スタビライザーを強化すると共にフロントのスプリングのみを強化し、より回頭感を高めるセッティング」を施した、オプションのスポーツ・サスペンション装着車もテストドライブする事が出来た。なるほど、ステアリング切りはじめに路面を捉える感覚は、こちらの方が一枚上手。が、そんな1ランクのシャープさと引き換えに乗り味のしなやかさは確実にダウンしてしまうため、率直なところ、個人的には「これは特にオススメには値しないナ」と感じる事になった。
というわけで、“見た目”だけではなく“走り”も新鮮なC30の仕上がりは予想以上の好印象。これならばきっと狙い通りに、ボルボにとっての「新しいユーザー」のハートをガッチリ掴んでくれそうだ。
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