フォルクスワーゲン 新型ティグアンは”都市型ファミリーワゴン”の理想形だった(4/4)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:和田清志・フォルクスワーゲン グループ ジャパン
フォルクスワーゲン 新型ティグアンは”都市型ファミリーワゴン”の理想形だった
<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI R-Line(ボディカラー:ナッツシェルブラウンメタリック)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 <VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎 画像ギャラリーはこちら

背が高く実用的な”都市型ファミリーワゴン”としてのティグアン

<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎

しかし、試乗していて「はて、SUVにする意味があるのか?」とふと思った。新型ティグアンは駆動方式も2WDだけなので、背の高いパサートヴァリアント(ステーションワゴン)と捉えるのが良いかも知れない。

そういう視点で改めて見ると、ティグアンは後席は広くて窓も大きく開放的。荷室も使いやすい。その割に全長は275mm短いので、(全幅は10mm広いが)見晴らしの良さと相まって、街中での取りまわし性が良い場面もある。悪路に強く、郊外路をゆったりと走る(旧来の)SUVの個性には乏しいが、都市型の実用的なファミリーカーとみると、俄然ティグアンの魅力が増す。

>>フォルクスワーゲン 新型ティグアン フォトギャラリー[画像170枚!]

<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎

大事な家族と乗るクルマとなると、先進安全装備も気になるところだ。緊急時に自動的にブレーキを作動させるプリクラッシュセーフティシステムとアダプティブクルーズコントロールは全車に標準装着されるが、レーンキープアシストやカーナビは、TSIコンフォートライン(360万円)ではオプション設定になる。ダイナミックコーナリングライトなどはそもそも装着できない。

そうなると一般的な選択肢は、TSIハイライン(433万2000円)、TSI R-ライン(463万2000円)だろう。先代型は1.4リッターターボ(2WD)のラウンジエディションが342万円、TSI R-ラインパッケージが407万9000円だったので、相応に値上げされている。装備の違いを補正して考えると、パサートヴァリアント TSI エレガンスライン(399万9000円)あたりに近い値付けだ。先代型に比べてボディを拡大し、室内を広げて質感も向上。さらに安全/快適装備も充実した結果、価格も高められている。買い得感はおおむね同等になる。

VWディーゼル不正問題、その総括はいつ行われるのか

<VolksWagen New Tiguan TSI Highline>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI R-Line>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎

相応に魅力のあるSUVだが、順調に売るには、VWはやるべきことを果たさねばならない。それは北米で問題になったディーゼル車の排出ガス検査における不正問題について、しっかりした事情説明をすることだ。直近になってVWが米国政府と合意したことは発表されたが、問題が生じた経緯と、再発防止策に関する平易な説明は行われていない。

日本における輸入車は嗜好品の性格が強く、以前のVWは、清潔感のあるクリーンなクルマを造るメーカーとしてブランドを確立させていた。だからこそ、先般の問題が発覚した直後の2015年10月には、VWの登録台数が前年同月の52%まで急落した。日本でディーゼルは売られていないといった問題ではなく、輸入車にとって重要なブランドを傷つけたことが登録台数の半減を招いた。

直近の対前年比も減少しており、2016年の輸入車販売は、1位がメルセデスベンツ、2位がBMW(ミニを除く)、3位がVWとなった。長年にわたる1位の座を奪われて3位に甘んじる背景には、メルセデスベンツやBMWの商品強化もあるが、先般の問題も影響を残す。うやむやにできる課題ではない。

期待が強いだけに・・・一刻も早く諸問題を清算し、ディーゼル国内導入を急いでほしい

フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎

実際、ボルボのディーラーからは「相変わらずVWからの代替えが多い」という声が聞かれる。VWのディーラーは「本来ならパサート、ゴルフ、新型ティグアンに人気の高いディーゼルを搭載予定だったが、それができず販売が伸び悩んでいる」という。

フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、早急に国内のユーザーに向けた事情説明をすべきだ。そうしないとVWはディーゼルエンジン搭載車をいつまでも輸入できず、ブランドも回復せず、VWが輸入車販売の首位に返り咲くこともできない。

今でもVW車のディーゼル導入を待っているユーザーは多い。その期待に応えるVWであって欲しい。

[レポート:渡辺陽一郎/Photo:和田清志・フォルクスワーゲン グループ ジャパン]

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フォルクスワーゲン 新型ティグアン TSI Highline[2WD] 主要諸元

<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:ナッツシェルブラウンメタリック)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎

全長x全幅x全高:4500x1840x1675mm/ホイールベース:2675mm/車両重量:1540kg/乗車定員:5名/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:直列4気筒 DOHC 16V インタークーラー付ターボチャージャー TSI ガソリン直噴エンジン/総排気量:1394cc/最高出力:150ps(110kW)/5000-6000rpm/最大トルク:25.5kg-m(250N・m)/1500-3500rpm/トランスミッション:6速DSG デュアルクラッチ式トランスミッション/燃料消費率:16.3km/L[JC08モード燃費]/サスペンション形式:(前)マクファーソンストラット(後)4リンク/タイヤサイズ:235/55R18/メーカー希望小売価格:4,332,000円[消費税込]

※取材・撮影車両はオプション装着モデル

<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI Highline>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(ボディカラー:オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎
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<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(シートカラー:サフラノオレンジレザー)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(シートカラー:サフラノオレンジレザー)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(シートカラー:サフラノオレンジレザー)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎<VolksWagen New Tiguan TSI Highline(シートカラー:サフラノオレンジレザー)>フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎フォルクスワーゲン 新型ティグアン 試乗レポート/渡辺陽一郎
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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