[試乗]フォルクスワーゲン ザ・ビートル 1.4TSI ”R-Line”は ”ちょうどいい”選択肢(2/2)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:和田清志
両極端だったエンジン構成のすき間を埋める”ちょうどいい”選択肢が誕生
でもさすがにゴルフGTIと同等のハイパワー、ビッグトルクまでは必要ないと思ったのも事実。かといって1.2リッターターボTSIと7速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)の組み合わせは、律儀すぎてユルさが伝わってこない。
どっちを選べば良いのだろうか・・・と悩んでいたところ、その中間に位置するザ・ビートルが試乗会場にあることを発見した。
この時点ではまだ発表前だった<1.4 R-Line>だ。
>>フォルクスワーゲン ザ・ビートル R-Line 1.4TSI フォトギャラリー
数字で分かるように、エンジンのスペックは1.2リッターと2リッターの中間。R-Lineという名前から想像する限り、2リッターに近い遊び心を備えているという期待も持てる。
1.4TSIはザ・ビートル初のブルーモーションテクノロジー搭載モデル
といっても、1.4リッターTSIガソリン直噴ターボエンジンを積んだザ・ビートルが上陸するのは、これが初めてではない。前回の試乗記のときにも少し触れた限定車、クロスオーバースタイルの<デューン>が、ひと足先にこの排気量を採用していたのだ。
1.4 R-Lineが積むのはデューンと基本的に同じTSIエンジンで、150psの最高出力、25.5kgmの最大トルクも共通となる。1.2リッターは105ps/17.8kgmだったから、たった200ccアップとは思えない向上ぶり。211ps/28.6kgmの2リッターとの中間という実力の持ち主なのだ。1.2リッターがSOHC8バルブなのに対し、1.4リッターはDOHC16バルブとなることが大きいのだろう。
ザ・ビートルとしては初となるブルーモーション・テクノロジー、つまりアイドリングストップやブレーキエネルギー回生システムを備えていることもデューンと共通だ。トランスミッションは7速デュアルクラッチで、こちらは1.2リッターと等しい。ザ・ビートルのパワートレインではもっともハイテクと言えるのではないだろうか。
外見上から1.4 R-Lineと2.0 R-Lineを見分ける2つの方法
R-Lineを名乗るだけあって、見た目は2.0と同じ。かと思ったら少しだけ違っていた。リアウイングが少しだけ小振りになっているのだ。
それ以外ではタイヤサイズが215/55R17になっていて、1.2リッターと同じ太さのまま、ホイール径が1.2リッターと2リッターの中間になっていた。グレードによってきっちり差別化を図るドイツ車らしい。
事前の予想どおり、パワートレインはちょうど良かった。
1.2リッターのようなトルクの唐突な立ち上がりや変速の遅れが気になることはなく、かといって2リッターほど過剰でもない。リラックスできるし、ダッシュを堪能することもできる。
よ、待ってました! 遅れてきた”真打ち”登場
あらゆる部分がベストバランスで、なおかつこのクルマに求めたくなる遊び心もほどよく備えた、遅れてきた真打ち。
ザ・ビートルに追加された1.4 R-Lineは、そう呼びたくなる1台だった。
[レポート:森口将之/Photo:和田清志]
New The Beetle ”R-Line”[1.4TSI/FF] 主要諸元
全長x全幅x全高:4285x1825x1495mm/ホイールベース:2535mm/車両重量:1340kg/乗車定員:4名/駆動方式:前輪駆動(FF)/ステアリング位置:右/エンジン種類:インタークーラー付ターボチャージャー 直列4気筒 DOHC 16V TSI ガソリン直噴エンジン/総排気量:1394cc/最高出力:150ps(110kW)/5000-6000rpm/最大トルク:25.5kgf-m(250N・m)/1500-3500rpm/トランスミッション:7速「DSG」デュアルクラッチトランスミッション/燃料消費率:18.3km/L[JC08モード燃費]/サスペンション形式:(前)マクファーソンストラット式(後)4リンク式/タイヤサイズ:215/55R17/メーカー希望小売価格:2,945,000円[消費税込]
※試乗・撮影車はオプション装着モデル
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