2009年上半期ベスト・バイ・カー【輸入車】/金子浩久
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:村西一海/島村栄二/原田淳
トータルベストカー/フォルクスワーゲン ゴルフ
6代目ゴルフには、エンジンとトランスミッション段数の違う「ハイライン」と「コンフォートライン」がラインナップされているが、122馬力のコンフォートラインでも、箱根のワインディングロードで力不足や不満などはまったく感じられない。
長距離走行が苦にならないシートや、ドライビングポジションの優秀性が大きな価値となっている。500kmや1,000kmの連続走行も、苦にならないだろう。
トランクやシートアレンジメントなど、多用途に使える工夫と吟味も、隅々まで抜かりない。
低速域での乗り心地が優しくなり、静粛性も向上した。
「新車で買って、10年でも15年でも乗り続けたい」と思わせる、強い魅力と内容を持っている。
ベストドライビングカー/ジャガーXKシリーズ
ジャガーXKは、スタイルは変わらないが、エンジンとサスペンションの電子制御方式が全面的に改められた。
エンジンは排気量が5リッターに拡大されたと同時に、ガソリン直噴方式を採用。
サスペンションの電子制御は、これまでのノーマルとスポーツの2段階から無段階へ。ポートフォリオという、XKに豪華な内装を組み合わせた中間グレードも生まれた。
柔らかな乗り心地とシャープなハンドリングという、相反する目標をとても高いレベルで両立している。
マイナーチェンジ前でも、そのレベルは非常に高かったが、新型では一層際立った。
優雅なスタイルとは裏腹に、おそろしく懐の深い走りっぷりを見せてくれる。
自分の運転が二回りウマくなった気がしてくる。
ベストデザインカー/シトロエン C4 1.6VTR
1.6VTRに限らず、C4シリーズのデザインが優れているのは、DSやCXなど過去のシトロエンのデザインモチーフを現代的に解釈し直して、うまく取り込んでいるところにある。
過去のクルマを丸ごとセルフサンプリングする例が多い中、シトロエンは安易に流れることなく、前進を続けている。
全体のフォルム、ドアの切り方、テールゲートとライトとバンパーの配し方など、並べれば一目瞭然だ。
これ見よがしでないところが大人っぽい。見ていると、少しづつわかってくるところにも技巧を感じる。
さらに、C4はインテリアも魅力的。ミニマリズムを貫きながらも、どこか暖かく、モダン。
素っ気ないようだが、メーターパネルがよく吟味されている。
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