VW ゴルフ/シャラン TDI(ディーゼル)試乗│一気に増えたVWのディーゼルラインナップを評価する(1/2)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田 清志
フォルクスワーゲンの主力車種「ゴルフ」に“テッパン”のディーゼルモデルが登場
みんな大好き☆クリーンディーゼルに、新たな選択肢が登場した。
そう、今や輸入ディーゼルエンジンは静かなるトレンドとなっていて、特に大型SUVとの組み合わせは“テッパン”とも言える人気の高さを見せている。
そりゃそうだと思う。かくいう私だって今、ディーゼルエンジン車が欲しいもの。「低い回転数で高いトルクを生む走り」とか「ストップ&ゴーの多い日本の道路事情にもマッチするギュンとした加速」な〜んていうクルマ好きの欲求を満たすようなファクターだけではなくて、やっぱ軽油安いもんな〜、というのは大きなアドバンテージだと思う。ローンで支払うお金よりも、日々財布から出ていくお金のほうに神経を持っていかれるのは人の常・・・ハイオクやっぱ高いし
で、ここにきて、さらに人気を後押しするかのごとくコンパクトカーにもディーゼルエンジンの大波が押し寄せてきている。最新のポスト新長期規制に適合したメルセデス・ベンツ A200dがすでに上陸済み、さらにまもなく新しいBMW 118dも到着する予定なのだ。
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フォルクスワーゲンのTDIラインナップは一気に8車種に拡充
そんな中、フォルクスワーゲンの既存車種にディーゼルエンジン「TDI」モデルが追加されるというじゃないですか。
しかも今回は、同社主力商品であるゴルフシリーズ2車種=ハッチバックの「ゴルフ」とステーションワゴンタイプの「ゴルフヴァリアント」計8グレードに加えて、7人乗りミニバンの「シャラン」と計3台同時のTDI導入だ。これにより、フォルクスワーゲンのTDIラインナップは一気に8車種に拡充され、ディーゼルエンジンファンには嬉しい選択肢が増えることになる。
冒頭に述べたディーゼル×SUVの好相性は、同社内にも当てはまる。ミドルサイズSUVのティグアンはすでに新車販売のうち実に8割をTDIが占めるという。日本のディーゼルエンジンブームに対し、主力選手がどこまで戦績を挙げられるのか、期待が高まる。
なお、ガソリンエンジンモデルとの価格差は「ゴルフ」で約30万円高、シャランで約20万円高と抑えめに設定されたのは朗報だろう。この導入が、モデル末期に入った同モデルのブーストとなるか?
全体的に重厚な操作フィール
まずは「ゴルフ」シリーズから見てみたい。
今回、試乗用にご用意いただいたのは「ゴルフ」の中でも上級装備の「ハイライン」に加え、さらに特別仕様の「マイスター(Meister)」が乗っかった「ゴルフTDI ハイライン マイスター」と、こちらも同様に上級+特別仕様の「ゴルフヴァリアントTDI ハイライン マイスター」だ。
この「マイスター」はガソリンエンジン版のTSIにも導入されていたもので、レザーシートやプレミアムサウンドシステム「DYANUDIO」、液晶デジタルメーター「Active Info Display」、渋滞時追従支援システム「Traffic Assist」、駐車支援システム「Park Assist」など、フォルクスワーゲン曰く『ゴルフ史上最高レベル』の装備を誇るモノ。
コックピットに乗り込むだけで、輸入車らしい豪華さを体感できる仕様になっている。
パワートレーンは直4の2.0リッターターボに7速DSGを組み合わせたもの。
最大出力150ps、最大トルク340Nmを1,750rpmから発生させる。
しかし、試乗した限りで言えば、340Nmという数字を実感するためにはかなりアクセルペダルを踏み込まなければいけない印象だ。最大トルクを叩き出す回転数がスペック表と乖離している、という意味ではなくて、物理的にアクセルペダルがとっても重たいから。だから、最大トルクを発生させるわずか1,750rpmというところまで達するのにも、わりとしっかりめにペダルを踏み込む必要がある、ということだ。
この重みのある感触は、他の操作感覚にも共通していると感じた。たとえばステアリングの切り始め初期から舵を入れていくのにも、どっしりした重み・反力を感じる、といった具合。
サスペンションもなかなかにしっかりと締まっている。ここだけを切り取って見てみれば「フォルクスワーゲンらしい、カッチリした足周り」とも言えるのだけど、全体的に重厚な操作フィールを合わさると、ものものしいというか大仰なというか昔気質というか、なにもここまで過剰に重厚感を付けなくても、と気後れしてしまうくらいなのだ。
一旦スピードに乗ったあとも同じだ。もしゴルフらしい元気の良さを求めるならば、TSIを選択することをおすすめしたい。もしくはどうしてもTDIで元気に走りたいならば、意図的にパドルシフトを多用して、ギア選択を好みどおりにコントロールするしかない。
つまり、これは件のディーゼルゲート問題の影響を邪推するしかないのだけど、意図的にリーンにしているような、出力を絞ってパワーバンドを落としているような、そんな印象なのだ。
世のユーザーがディーゼルエンジンに期待するもののひとつとして、冒頭に述べたとおり元気のいい飛び出し感や低速域からも湧き上がる豊かなトルクにあるとすれば、その期待値に反する部分は大きいだろう。
セオリー通りソツと過不足のないハッチバック、もしくはステーションワゴンをゴルフに求めているならばTDI
試乗コースではややゆるめの登坂道も含まれていたが、そんな最中でも3速から4速へとシフトアップをすることに驚いた。ちなみに2000rpm以下で、だ。そして、そんなにもリーンになっているにもかかわらず、実測(アベレージ)で14,6km/Lと、富士裾野エリアの山間部であったという情状酌量の余地を鑑みても、めちゃくちゃ燃費がいい、というわけでもないのが不思議でもあった。
繰り返すがゴルフらしい元気の良さを求めるならば、TSIか、もしくはプラグインハイブリッドのゴルフGTE、そしてむろんゴルフGTIあたりのほうがフィットするだろう。
しかし、そもそものゴルフは「国民の大衆車」であるからして、そのセオリー通りソツと過不足のないハッチバック、もしくはステーションワゴンをゴルフに求めているならば、TDIはいい相棒になってくれると思う。
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