トヨタ プロボックス&サクシード(2014年マイナーチェンジ)新型車解説(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
今や貴重となったライトバン「プロボックス&サクシード」がマイチェン!
今日の商用車では、ハイエース、キャラバン、NV200バネットのような背の高い車種が売れ筋だ。
昔「ライトバン」と呼ばれた背の低いワゴン風の商用車は、「トヨタ プロボックス&サクシード」「日産AD&ADエキスパート」そして、それらのOEM車のみ。軽自動車でもアルトバン、ミラバンとそのOEM車しか存在しない。ライトバンタイプの商用車は、今では貴重な存在だ。
品ぞろえが減ったのは販売台数が下がったためだが、需要は根強く残っている。天井が低いために立体駐車場を使いやすく、着座位置がセダンと同程度だから運転感覚も馴染みやすい。
荷室の床が低いこともメリットだ。背の高い荷物を積むならハイエースやキャラバンが有利だが、積載性をそこまで求めない場合、ライトバンタイプの商用車を選ぶメリットは十分にある。
そしてメーカーやディーラーの利益を考えても、これらの商用車は大切だ。車両価格は140~160万円前後が中心で、決して儲かるクルマではないが、乗用車の低価格化が進む今では相応の粗利を確保できる。
ビジネスに使うクルマは定期的に代替えされ、1つの法人ユーザーが複数の車両を買うことも多い。需要が不安定な今の時代に、安定的に売れるクルマとなっている。
1.3リッターエンジンとトランスミッションが変更され、燃費も向上
以上のような事情を背景に、プロボックス&サクシードが2014年8月6日にマイナーチェンジを行った。今回のマイナーチェンジでは内外装まで大きく変更されている。さっそく、その内容を見てみよう。
まずはエンジンを刷新。プロボックスが搭載するのは直列4気筒の1.3リッターと1.5リッターで、サクシードは1.5リッターのみ。この設定は従来どおりだが、1.3リッターは従来型が「2NZ-FE」型であったのが、変更後は「1NR-FE」型となった。ヴィッツにアイドリングストップとセットで搭載される最新の1NR-FKE型ではないが、ヴィッツの4WDとは共通でパッソの1.3リッターモデルなども採用している。一方、1.5リッターの「1NZ-FE」型は、従来のエンジンを踏襲している。
そして、今回はATにも変更が施されている。従来型はオーソドックスな「4速AT」であったが、新たに「CVT」を採用。これらの変更を受けたことで燃費も1.3リッターエンジンが「17.6km/L」(従来型は「16.8km/L」)、1.5リッターエンジンは「18.2km/L」(従来型は「16.2km/L」)と向上している。
ここで興味深いのは、1.3リッターエンジンよりも動力性能の高い1.5リッターエンジンの方が燃費も優れていることだ。
200cc程度の排気量の違いだと、エンジン負荷やギヤ比などによって「燃費の逆転現象」が発生することは珍しくない。特にプロボックスの1NR-FE/1NZ-FEの逆転現象はパターン化しており、同じ組み合わせを採用しているポルテ&スペイドも、アイドリングストップの装着条件を共通にすれば1.5リッターの燃費が勝る。マイナーチェンジを受ける前のラクティスも同様であった。
このほか、ヴィッツの1リッターと1.3リッターエンジンでも「燃費の逆転現象」は生じている。プロボックス&サクシードは、CVTの採用もあって燃費を向上させたから、1.3/1.5リッターエンジンともに、2WDは平成27年度燃費基準プラス10%を達成した。1.5リッターの4WDも平成27年度燃費基準をクリアしているから、エコカー減税の適用を受けられる。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。