トヨタ プリウスワゴン 試乗レポート/小沢コージ(2/4)

トヨタ プリウスワゴン 試乗レポート/小沢コージ
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外観からインテリアまで全部作り直し!

とはいえ最初はせいぜいホイールベースが伸び、リアドア以降のボディやルーフが新作されたぐらいに思っていた不肖小沢。乗ってビックリ!全然違いました。

外板はフロントフェンダーから一切同じパーツはなく、一見似たようなヘッドライトもノーマルプリウスより後ろのトンガリが減ってより立体的になっている。

 一番違うのはリアのもっさり感で、ボンネット形状から微妙に変わっているので気づきにくいが、少し離れてみると、8㎝も高くなったルーフ後部に向かって全体が大きく膨らんでいるのがわかる。

そしてこの改良がもたらしたのは、非常に緻密かつ配慮深く拡大された室内スペースだ。ミニバン版の頭回りでいうと、1列目が従来比で+25㎜、2列目で+45㎜もクリアランスが増し、3列目も身長170㎝クラスの人が乗れるスペースが確保されている。

ヒップポイントも1列目が従来比+30㎜、2列目が+80ミリ、3列目が2列目+45ミリも上がり、後ろにいくほど視界が広がるシアターレイアウトを確立している。

つまり空間余裕と後席視界確保のためのルーフ高アップなわけで、単純にプリウスを伸ばして3列シート化したわけじゃない。“ミニバン”としてイチから作り直しているのだ。

同時に驚きはインテリアで外観より、分かり易く大チェンジしている。その中身はぶっちゃけ実用化で、確かにグレーと紺のツートンの色合いはノーマルと同じだが、形状は全然違う。左右非対称で大きくT字を描いていたインパネは、ほぼ左右対称で直線的になり、そこら中のポケットが拡大化した。

一番分かりやすいのは今までインパネと繋がっていたセンターコンソールが独立化したことで、その分インパネ下には広めの物入れが付いた。またそのセンターコンソールには大きめの箱が置いてあるわけだが、実はミニバン版に限ってはそこに新開発されたリチウムイオン電池が入っている。

現行プリウスは、リチウムイオンより安くて若干性能が落ちるニッケル水素を使って、リアシートの後ろに置いていたが、ミニバンはそこを3列目シートとして使うため、より小型化できるリチウムイオン電池を前に置いているのだ。

一方、ワゴン版は今まで通りリアシート後方にニッケル水素電池を搭載。値段的には、こちらの方が有利だろう。

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小沢 コージ
筆者小沢 コージ

横浜市出身。バラエティ自動車ジャーナリスト。自動車メーカー、「NAVI」編集部員を経てフリーに。現在、雑誌やネットに多数連載。記事一覧を見る

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