昭和の香り漂う純和風セダン/トヨタ 新型「プレミオ」「アリオン」試乗レポート[2016年6月ビッグマイナーチェンジ](2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
プレミオ&アリオンがフルモデルチェンジ出来なかった理由とは
トヨタ プレミオ&アリオンはなぜフルモデルチェンジを受けないのか。
この疑問を開発者に尋ねると「5ナンバーセダンは市場規模が縮小傾向にある。その一方でプレミオ&アリオンは、以前から優れたボディスタイルを備えていたので、マイナーチェンジを行った」と言う。
国内における今後のセダン需要を考えると、多額のコストを費やすフルモデルチェンジには踏み切れない。しかしプレミオ&アリオンは貴重な5ナンバーセダンで、両車を合計すると1か月に1500~2000台は登録している。廃止するわけにもいかずマイナーチェンジとなった。
この事情は、同時期にマイナーチェンジを受けたエスティマに似ている。エスティマも発売後10年を経ている。こうした長寿モデルのマイナーチェンジが最近多い。
フェイスリフトでミニクラウン風の立派なマスクに「グレードアップ」
新型 プレミオ&アリオンでは、フロントマスクを刷新した。最近のトヨタ車に多く見られる手法で、グリルの開口部を広げている。「ミニクラウン」的な雰囲気だ。ボディサイドは水平基調でオーソドックスだから、視覚的に前側が重い印象を受ける。
注意したいのは、以前はプレミオとアリオンでヘッドランプやフロントマスクの形状を変えていたのに、変更後はグリルの内部以外は共通化されたことだ。以前はプレミオの全長がアリオンよりも30mm長かったが、変更後は5mmしか違わない。寸法的にはアリオンを伸ばしてプレミオとほぼ同じ形にした。これも日本市場が重視されなくなったことを意味する。
もともとプレミオはコロナ、アリオンはカリーナの流れを汲み、コロナに上級感が伴ったことから、トヨペット店がアリオンとの完全な共通化を好まなかった。カリーナもスポーティー感覚が特徴だったから、アリオンはフロントマスクをシンプルで精悍に仕上げていた。
変更後もプレミオのグリルはメッキ、アリオンはブラックで差はあるが、以前に比べると見栄えの違いが弱まった。「大した話ではない」といえばそれまでだが、かつてのプレミオ&アリオンは、姉妹車でもこだわりがあったのだ。
緊急自動ブレーキシステムは「Toyota Safety Sense C」に留まる
シートの造りは古い。運転席に座ると相応の姿勢は取れるが、肩まわりのサポート性、腰の支え方などに不満がある。
後席は腰の収まり方は悪くないが、座面に少し底突き感が伴い、背もたれの支え方も今となっては良好とはいえない。
それでもホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2700mmに達するから足元空間は広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先には握りコブシ2つ少々の余裕がある。シートを改善すれば、居住性は向上するだろう。
装備では、緊急自動ブレーキを作動できる「Toyota Safety Sense C(トヨタセーフティセンスシー)」を標準装着、あるいはメーカーオプション(5万4000円)で用意した。プリウスなどの「Toyota Safety Sense P」であれば、歩行者を検知できて緊急自動ブレーキが作動する速度の上限も高いが、この安全装備は装着していない。
開発者に尋ねると「Toyota Safety Sense Pを装着するには、周辺の機能を含めて大幅な設計変更が必要だ。その点でCなら性能は下がるが装着しやすい。(もともとCはコンパクトカー向けの安全装備とされたが)フルモデルチェンジを待たずに装着できるメリットもある」という。
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