トヨタ ハリアー、3グレードの価格差は100万円! “400万円以内”で“程よく高級”な真ん中グレード「G」が狙い目だ
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:島村 栄二・茂呂 幸正・トヨタ自動車
2020年6月のデビューから1年が経過したトヨタの人気SUV、新型「ハリアー」は、ベーシック、中間、上級と3つのシンプルなグレードで構成される。高級モデルだけに、最上級グレードを選べる予算があるのなら迷わずそうしたほうがいいが、価格差は100万円にも及ぶ。
そこでトヨタもいちばん重視しているのは、真ん中のグレード。装備と価格のバランスがちょうどいい落としどころに設定されているのだ。今回はトヨタ ハリアー一番のオススメ「G」グレードについてご紹介しよう。
最も安い299万円の「S」グレードと最上級「Z “Leather Package”」の価格差は124万円! その差はどこにある!?
トヨタ ハリアーのグレード構成は基本3つとシンプルだ。
ベーシックな「S」(299万円~380万円・価格は消費税込、以下同)、中間の「G」(341万円~422万円)、最上級「Z」(393万円~474万円)が並び、GとZには、本革内装の“Leather Package”(+30万円)も用意される。
全てのグレードに、2リッターガソリンと2.5リッターハイブリッドの2タイプが設定され、FFと4WD(ハイブリッドはE-Four)の駆動方式を選ぶことが出来る。
先進運転支援機能も標準装備! ベースグレード「S」299万円の価格破壊力がスゴイ!
まず驚くのが、ハリアー=高級SUVのイメージを覆すベースグレード「S」の価格設定。2リッター・FFの最も安いモデルで299万円なのだ。ハリアーで最も高いZ“Leather Package”は、同じ2リッター・FF版でも423万円だから、実に124万円もの差がある。
それでいて、先進運転支援機能のプリクラッシュセーフティやレーントレーシングアシスト、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールはSでも標準装備だから、機能的に劣るところはない。チラシで目をひくためだけのオトリ価格では決してなく、積極的に選ぶ価値のあるグレードなのである。
安さにはひかれつつも「せっかく買うならもっと豪華なほうがいい」と思うのも確か
ただし、内外装のメッキ加飾がSではちょっと物足りなかったり、快適装備の類が上位グレードと細かく変わってくるところを「シンプルで好ましい」と思うかどうかは、人によって受け止め方が変わってくるだろう。
実用性重視でシンプルなSUVが欲しいのなら、同じトヨタには同サイズのRAV4という選択肢もある。ただハリアーは、都会的なスマートさと、ちょっと贅沢な雰囲気を味わえることが最大の特徴だ。
したがって「せっかくハリアーを買うんだから、やっぱり“高級”なほうがいい」と思うのが、多くの人の偽らざる本心だろう。
2グレードの間には52万円の差が… ハリアーの中間グレード「G」と上級グレード「Z」を比較
中間グレード「G」は「S」の42万円高! 格段に加飾が増え装備も充実する
そこで、ハリアーの上位グレードを見てみよう。ハリアーの中間グレード「G」は2リッター・FFで341万円である。ベースのSと中間グレードGの価格差は42万円。
外観上では、ドアハンドルや前後バンパー周りのメッキ加飾が増え、ホイールもシルバー塗装の17インチから、切削光輝+ダークグレーメタリック塗装の18インチアルミに変更される。ダーク系のボディカラーが多いハリアーでは特に目立つ部分で、これだけでかなり見た目の印象は違う。
内装も同様に差別化されている。サテンメッキの加飾が各所に加わり、ドアスイッチやセンターコンソールなどのパネルもウッド調もしくはメタルブラックに加飾。S、Gともに8インチのディスプレイオーディオが標準装備されるが、Gの場合は12.3インチの大画面ナビをオプション選択出来るようになる。
またG以上では、ブラック内装のほかに無償オプションで明るいグレー内装も選択出来る。白木風のウッドパネルと組み合わされるグレー内装はなかなか上質な雰囲気だ。
上級グレード「Z」は52万円高! 車両本体価格も400万円目前に到達する
ハリアーの上級グレード「Z」は2リッター・FFで393万円。大台の400万円が目前に迫る。
しかしZになるとさらに豪華さを増す。12.3インチディスプレイは標準装備なうえ、高音質なJBLサウンドシステムもついてくる!
ホイールは高輝度シルバー塗装の大径19インチに拡大。クーペ風スタイルのスマートなハリアーと、大きな19インチの組み合わせはなかなかカッコいい。
この見た目だけでやられてしまいそうだが、Gとの価格差は52万円と、さらにひらきがあるのだった。しかしさきほどの「せっかくハリアーを買うなら」を思うと、夢はさらに際限なく拡がっていく。
「いっそ+30万円出して“Leather Package”も欲しいな。ガソリンエンジンよりもハイブリッドだよな(+37万円)。ハイブリッドならE-Four(4WD)かな(+22万円)。Zグレードでしか選べない“調光パノラマルーフ”(+19万8000円)もつけたいな……」
こうしてあっという間に、見積り書が500万円へと近付いていくのだった。
中間グレード「G」は“せっかく高級なハリアーを買うなら”“でも400万円以内に”のニーズにマッチしたベターなチョイスだった
クルマ購入の前に立ち塞ぐ「400万円」という大きな壁
これは以前とあるディーラーのセールスから聞いた話だが、商談では2つのタイプがはっきり分かれるのだという。とにかく最上級で全部載せを好むお客と、そうでないお客だ。もちろん、圧倒的に後者が多い。
そして後者の場合、10年前くらいなら300万円、ここ数年は350万円から400万円という金額が心理的にひとつの大きな壁になるのだそう。支払能力もあり、ローンなどの支払いプランを提案しても「それ以上はちょっと」となるらしい。
この「400万円の壁」説は複数のセールスマンから聞いたので、現場の実感として確かにありそうだ。
300万円近いコンパクトSUVと比べ、341万のハリアーはむしろお買い得過ぎる設定だった
もちろん、最上級グレードに最高の装備を付けて買える資金が確保出来るのなら、それが最も幸せなハリアーの買い方だ。出来ればそうして買いたいと願う人は多いだろう。ただ多くの場合、400万円の見えない壁が存在し、決めかけた購入を躊躇してしまうのだ。
そこで改めてハリアーの価格表を観ると、2リッター・FFで341万円のGグレードは「400万円の壁」をクリアしている。「せっかく買うなら」の気持ちにも応える装備や見栄えとともに、ユーザーニーズのど真ん中を突いたグレード設定であることがわかる。
近年は軽自動車が200万円近い価格になり、コンパクトSUVのハイブリッドモデルも300万円近い価格帯に突入していることを考えると、ハリアーってむしろお買い得!?
そう思えてきたら、今週末はディーラーで新型ハリアーの見積りを取ってみることをオススメしたい。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:島村 栄二・茂呂 幸正・トヨタ自動車]
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