ダンロップ VEURO VE303 試乗会レポート(1/2)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:オートックワン編集部
最上級の“静粛性”と“操縦安定性”に、さらに“低燃費”が加わった!
プレミアムカーならではの甘美な乗り味と性能をさらに高め、悪天候時の安定性の向上と低燃費化をはかる。まるで、腕利きの名チューナーに愛車のバージョンアップをはかってもらったかのような、そんな劇的な変化が得られるタイヤが登場しました。
ダンロップのプレミアムカー向けコンフォートタイヤのVEURO(ヴューロ) VE302がフルモデルチェンジを受け、新たに「VEURO VE303」として生まれ変わったのです。
従来のVE302はコンフォートタイヤながら操舵レスポンスに優れた操縦安定性の高さと圧倒的な静粛性に定評がありましたが、新作VEURO VE303ではその持ち味にさらなる磨きをかけつつ、エコ時代に求められる低燃費とロングライフ、雨天時の安定性の向上をプラス。掛け値なしに驚異的な高性能プレミアムタイヤであると自信をもって断言しましょう。
従来のVE302は、タイヤに対する要求レベルが比較的高いプレミアムカーユーザーから好評価を受けており、登場から数年経った後もバリバリの一級品タイヤとして人気を博していました。
しかし、ダンロップの調査によると約83%の人が「低燃費タイヤマークの付いたタイヤが欲しい」と答えたなど、プレミアムカーユーザーも低燃費に対する意識が高いことがわかり、VEUROのエコ性能をアップさせる必要に迫られたのです。
低発熱密着ゴムが、不要な発熱を抑制して転がり抵抗を低減!
低燃費志向のエコタイヤ「エナセーブ」で3年連続低燃費タイヤの販売ナンバーワン(大手カー用品ショップ2社での統計)の座を獲得するなど、低燃費においても業界トップレベルの技術力と実績を誇るダンロップとしては、VEUROに低燃費タイヤマークを付けることは急務でもありました。
低燃費タイヤマークとは、エコ性能に優れたタイヤの普及を目指して設けられたもので、転がり抵抗性能の等級がA以上、ウェットグリップ性能の等級がa~dの範囲内にあるタイヤを「低燃費タイヤ」と認定し、統一マークを表記して販売されます。
VEURO VE303は転がり抵抗が「A」、ウェットグリップは「b」を獲得しました。新作VE303では、VEURO用に最適化した低発熱密着ゴムを配合することで、現在のタイヤの主成分であるシリカの結合力を高め、無駄な発熱の抑制に成功。
その結果、転がり抵抗は先代VE302と比べて9%低減させながらゴムに柔軟性を付与することで路面との密着力を高め、さらに新たに配合された独自のウェットグリップ向上剤や主溝容積を7%増やした新トレッドパターンも相まって濡れた路面でのグリップ性能が6%向上しています。
先代VE302でも定評のあった静粛性については、新採用のハイブリッドバンドと呼ばれるナイロンとアラミドを捻り込むようにして構成された特殊なコード(非常に高コスト)を接地面の奥に埋め込むことで、接地面の無駄な振動を抑制。ロードノイズは19%も低減させることに成功しました。
このハイブリッドバンドはトレッド部分の不要な動きを抑えるため、静粛性だけでなく、耐摩耗性能の向上にも大きく寄与しており、耐摩耗性性能は実に25%も向上。摩耗末期の状態でも溝がしっかり残されるので、摩耗が進んでも性能の劣化は最低限に止められるとのこと。
ラグ溝と呼ばれるパターンノイズの原因となる溝の容積は55%も少なくし、パターンノイズは11%の低減をはかっています。
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