86とBRZ、中古車人気はトヨタが上!? 中古車相場を比べてわかったハチロク人気の底力
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
2021年4月5日(月)に世界初公開されたトヨタの新型86(GR86)と、その兄弟車であるスバル 新型BRZ。果たしてどちらの人気が高いのだろうか。その疑問を現行型の中古車人気からひも解いてみることに。すると、ハチロクの根強い人気ぶりが浮かび上がってきた!
中古車相場データから見たトヨタ 86とスバル BRZの違いを徹底チェックする!
86の人気を中古車市場でも実感! 2012年式の初期モデルでも200万円台の相場を維持
初期モデルと後期モデルの差が思いのほか少ない
さっそく、トヨタ 86の中古車相場を調べてみよう。2012年(平成24年)のデビュー時から2021年(令和3年)まで、合計1103台がヒットした。
※中古車相場は2021年4月14日(水)現在のMOTA中古車検索を基に算出
内訳としては、デビュー年の2012年式が一番台数が多く399台。次いで翌年2013年が153台、2014年が119台、7月にマイナーチェンジが行われ後期型となった2016年が106台となっている。
注目したいのは価格帯だ。200万円台(200万円~250万円)とその前後の価格帯に台数が集中する。驚くのが、これが2012年式であっても変わらないという点。
初期モデルでも高い水準で販売価格を維持出来ているということは、それだけ需要がある(=人気が根強い)ということの表れである。
新車で297万円のGTリミテッドが約8年落ちで200~250万円の例も!
実際の在庫車両をチェックしてみると、2012年式で200万円台の車両は走行距離も5万キロ以下(3万キロ以下のものも多い)で、ノーマル状態を維持している上物の最上級グレード「GTリミテッド」がメイン。純正のエアロパーツをフルに装備したものも複数見つかる。
GTリミテッド(6速MT)は2012年当時297万円だったから、8年以上経過してもほとんど値落ちしていない。これは驚異的だ。2021年秋のフルモデルチェンジでこの相場がどう動くか、注目されるところでもある。
いっぽうで、有名チューニングメーカー製の過給機(スーパーチャージャー)やマフラー、ローダウンサスペンションなどでフルにカスタマイズされた車両も並ぶ。
相場は全体に高めだが、好みに応じて選ぶことが出来る状態にあるのは確かだ。
年式による価格差が思いのほか少ない! ならば新しいほうが狙い目!?
逆に、年式の新しい車両はどうだろう。細かな改良が加わった後期モデルを探してみると、例えば2018年式のGTリミテッド(走行距離3万キロ以下)が、250万円から300万円で見つけることが出来る。ただし2012年式から比較すると台数は限られてくる。
消費税が10%となった2021年4月現在のトヨタ 86(まだ初代モデルを新車で買うことが出来る)のGTリミテッド(6速MT)の価格は324万2800円。いっそ最後の新車を手に入れるという選択肢もまだ残されている!
高いのはどんなクルマ?
なかにはずば抜けて高い中古車もある。多くはオリジナルのチューニングやドレスアップを施したコンプリートカーだが、メーカーが発売したレアな限定車なども見つけることが出来る。
2014年、新車当時630万円で売り出されたTRD(トヨタテクノクラフト)製のコンプリートカー「86 14R-60」(100台限定)は在庫が6台あった。うち3台は走行100km以下と、ほぼ新車状態のまま。「価格応談」もしくは500万円台から700万円台のプライスが掲げられたコレクターズアイテムだ。
GR86ではなく2017年に追加された「86 GR」も高値を維持していた。86 GR(新車当時の販売価格は496万8000円)は、走行距離の少ない個体で400万円台から300万円台後半と、なかなかの高値を維持している。
BRZの中古車相場は86に比べやや低め! 狙い目は86ではなくズバリBRZだ!
86に比べBRZは順当に値落ちが進んでいて、中古で買いやすい状況にある
さて、スバルのBRZの相場を見てみよう。2012年(平成24年)のデビュー時から2021年(令和3年)まで、合計316台がヒットした。86に比べ台数はグンと少なめだ。新車の販売比率も3:1かそれ以上でトヨタ版のほうが売れていた。
※中古車相場は2021年4月14日(水)現在のMOTA中古車検索を基に算出
内訳としては、デビュー年の2012年式が一番台数が多く94台。次いで翌年2013年が72台、2014年が49台、7月にマイナーチェンジが行われ後期型となった2016年が29台となっている。
BRZのほうは、86に比べ全体にやや相場が低めの傾向にある。いちばん台数の多い2012年式で、140万円台から10万円単位、200万円以内の範囲でほぼ均等に10数台ずつ分布しているという点も86とは異なる傾向だ。
BRZの中古車は全体に台数が少ない点に注意
86に比べれば年式相応に値落ちが進んでいる状況で、中古車としては選びやすい相場といえる。トヨタブランドに特別な思い入れがないのであれば、BRZの中古車を狙ったほうが良い。
ただし最初にお伝えしたように、全体に台数は少なめ。しかし全くないという訳でもないので、慌てずにじっくりと実車を見比べながら、相性の良い個体を手に入れたいところだ。
高いのはどんなクルマ?
2013年に500台限定(「tS GT PACKAGE」で約429万円)で、そして2015年に300台限定(399万円)でそれぞれ登場した特別仕様車「BRZ tS」の相場を見てみよう。STI(スバルテクニカインターナショナル)が仕上げた特別な1台だ。
ブレンボのブレーキや18インチタイヤ、ビルシュタインのサスペンション(2015年モデルのみ)など、STIがこだわりを持って熟成させたスバリスト垂涎のコンプリートカーとなっている。2015年モデルの場合、ノーマルに対しおよそ100万円高い値付けとなっていた。
tSは受注後に順次生産・納車していくスタイルだったため、2013年版は2014年にずれ込んだ登録の個体も4台見つかった。2013年登録の2台と合わせ、価格はどれも約250万円から300万円以下に収まる。
2015年版も3台がみつかり、同様に300万円以内である。いずれも台数に限りがあるので豊富な在庫の中から選べる状況にはないが、極端に値上がりしているという訳でもない。年式を考えると、2021年の今は程度の良いtSを探す好機と言えるだろう。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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