どうして86とBRZはトヨタとスバルの共同開発なの? コラボするメリットとは一体
- 筆者: MOTA編集部 木村 剛大
- カメラマン:MOTA編集部
ご存知の通り、86とBRZはトヨタとスバルが共同で開発し、2012年に発売した兄弟車である。そもそも一体なぜ2社が共同でスポーツカーを作っているのだろうか? デビューから9年が経過し、いよいよ新型登場もウワサされているが、ここで改めて初代86とBRZの歴史を振り返ってみよう!
両者の思惑が一致したから市販化に成功
ご存知の通りスポーツカーにとって現在は非常に生きづらい冬の時代を迎えている。国内市場に至っては全体の4割弱を軽自動車が占め、普通車でもミニバンやSUVといった大型モデル、あるいはコンパクトカーに人気が集中。そのため、スポーツカーにとって厳しい時代である。それは86とBRZがデビューした2012年当時も同じであった。
トヨタは久々のスポーツカー。スバルは初のFR車
ではどうして86とBRZを作ることができたのか? 結論から言うと、どちらか一社だけでは市販化には至っておらず、2社のコラボが実現したからこそ作れたのだ。
トヨタは1999年に投入したMR-Sを投入して以降、これといったスポーツモデルを発売させておらず、スポーツカーの発売を目論んでいた。
そしてAWDあるいはFF(前輪駆動)を得意とするスバルはFRスポーツにチャレンジしてみたいという想いがあった。要するに86とBRZが誕生できた背景には、両者の思惑が一致したからなのだ。
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先にも述べた通り、スポーツカーを作ったとしても昔のように必ず売れるという保証はどこにもなく、最悪の場合赤字を覚悟することも考えなくてはならない。だからこそ2社で共同開発という道を選んだのだ。これだけ聞けば、リスク回避と思うだろうが、それだけではない。自社開発では実現し得ない相乗効果も期待できるのだ。
互いの得意技術を投入で理想のエンジンを開発
というのも現行モデルは両者の得意分野をそれぞれが担当し、もっと言えば技術のコラボを実現している。
その最大の特徴がエンジンに現れている。搭載されているエンジンは、スバルお得意の水平対向エンジンである。そこにトヨタの直噴技術を組み込みこむなど、お互いの技術をコラボさせているのだ。
発売当時、86とBRZを試乗すると、まったく性格の異なるモデルであった。例えば86はテールスライドを誘発しやすいヤンチャなイメージ。対するBRZはスバルお得意のAWD車のような安定した走りが魅力であったのだ。ボディ、エンジンなどまったく同じパーツを使いながらも、見事にそれぞれの個性を反させて仕上がりでもあった。
ところが幾度も重ねたマイナーチェンジにより、まったく異なる性格のクルマだった2台がずいぶん近づいたのだ。洗練されていくとともに、互いの個性がマイルドになったイメージである。要するにスポーツカーとして目指すゴールは同じというワケだ。
まもなく新型モデルの登場がウワサされているだけに、改めて86とBRZの歴史を振り返ってみたが、是非とも初代モデルの良さを踏襲しつつ、よりスポーツカーらしい仕上がりになっていることに期待したい。
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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