トヨタ86 カスタマイズ大作戦 その7 with TOM'S(3/3)
- 筆者: 今井 優杏
ADVOX開発の第一人者は、「セナ」「プロスト」に直電話が出来る唯一の日本人
さて、冒頭にてこのADVOXがF1仕込みだとお話しましたが、そのドラマすぎるストーリーをば。
時は1991年、当時F1参戦を目指していたトムス。拠点をイギリスに置き、マシンデザイナーとして当時フェラーリチームを手掛けていたジョン・バーナードを迎えます。
そのジョンが連れてきたのは偶然にもとある日本人。それがダンパーデザイナーであり、のちにADVOXの開発をスタートさせた第一人者・寺本浩之氏でした。
もともとSHOWAの社員であった寺本氏はダンパーエンジニアとしてマクラーレンと開発を共にしていましたが、その手腕を認めたのはなんとあのアラン・プロスト。プロストは寺本氏を引き抜き、フェラーリチームへ連れて行きます。そしてフェラーリではプロストだけでなく、セナのマシンをも担当し、「セナ・プロに直電話が出来る唯一の日本人」と呼ばれるほどの信頼を得ました。
そこでフェラーリのカーデザインを担当していたジョン・バーナードは、彼のデザインチームに寺本氏を招き入れ、トムスのイギリス拠点であるトムスGBに連れて行った、というわけ。
結果、残念ながらトムスがF1に参戦することは叶いませんでしたが、寺本氏は帰国後、トムスの初代ADVOX開発者となり、当時レーシングドライバーであった(現在はチーム監督)関谷正徳氏とレース用サスペンションの開発を進めました。そのモータースポーツからのノウハウを生かし、現在は市販車サスペンションのスペシャリストである西島氏が、その工程のすべてを受け継ぎ、さらに進化させているのです。
ステキすぎる歴史を持つADVOXですが、お値段はちょっと高めの294,000円(税込)。しかし、純正だと量産のために出てしまうある程度の減衰のバラつきを、このADVOXは出荷前にすべて手作業でピッタリ同じにあわせて出荷するなど、オカネをかける価値はあり。
しかも有償になりますが、オーバーホールもあの“ダンパー室”でしてくれるそう!
『トムス史上最高に自信のあるADVOXです』と西島氏が自負するその出来もさることながら、モータースポーツファンとして辛抱たまらんストーリーに、一気にADVOXのファンになってしまっちゃいました。
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