トヨタ86 カスタマイズ大作戦 その7 with TOM'S(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
ロールスピードコントロールに拘ったADVOX
今回リリースされたADVOXはトムスらしい上質志向が貫かれています。たとえば300kmの距離を走っても疲れをドライバーにもたらさないドイツ車のような仕上がりと言えば想像していただけるでしょうか。
本物のスポーツコンパクトを目指して開発された86は、ノーマルでもバネレートが硬めですが、それを受け、ADVOXはバネレートをノーマルとほぼ同じに設定しています。また、ロール量もほぼ変わらないといいます。
ただ、最大のコダワリは『ロールスピードコントロール』。ゆっくりとロールしていくことによって、ドライバーがロール感を感じず、スムーズに操舵が出来るようになっています。
他製品では解りやすくカタさ=スポーティーさを出すために、バネレートを上げてロールを止めるという手法を使うので、グリップが最大に必要なコーナリング時にボディがハネてしまい、そのハネによってタイヤのグリップが落ちるという悪循環を生むことがありますが、このADVOXはそれとは正反対の考え方をして作られたということになります。
文字にするとこれだけのことですが、なかなかどうして、いざこれを製作するのは本当に大変なこと。
何故ならば、バネを柔らかくしちゃったら、ストローク量が取れなくなってしまうからなのです。柔らかいと縮むのは容易いですが、戻るときのバネの力が不足します(カタいバネは押すとビヨ~ンとしっかり戻るでしょ)。
この減衰とストローク量の加減が、まさに西島氏の神業たるところ。なんとこだわりにこだわり抜いた結果、試作品はフロントだけで6個というから絶句。
乗り出し10センチで違いが分かる減衰力
実はね、サスペンションは、カタくするほうが簡単なんです、製作の技術的にはね。
硬いアシはスポーティーさを求める人には歓迎されますが、トムス、わけてもADVOXが目指すのはあくまでも“しっかりしたオトナのアシ”。乗員がその突き上げによってカップのコーヒーを膝にぶちまけてしまうようなカタさなんて、言語道断!というわけで、他社のサスペンションに比べ、このADVOXは相当しなやかな性格を持たせられています。よって、推奨タイヤは特にないのだとか!しなり幅がある分、どんなタイヤでもタイヤ本来の性能を発揮できるため、夏用タイヤであれば種類・メーカーを選ばないんだそうですよ!
試乗してみると、もう乗り出し10センチでその差が解ります。
大袈裟?!とんでもない!これが解らない人は教習所から通いなおした方がイイんじゃないかってくらいの変化でございますよ。いやほんとに!
まぁ、以前装着していたダンパーが“ドレスアップ”方向に振ったモノであったため、ゴツゴツさがより際立つモノだったっていうこともありまして、余計にその差を実感してしまったのですけどね、まぁそれにしてもADBOXの上品なこと!
直進道路では、路面の荒れや排水路などの金属のフタなど、あらゆるギャップをしっかりと飲み込みながらも、決してキャビン(およびハンドル)に余計なインフォメーションを伝えないというしなやかさを持ちつつ、コーナリングではなるほど、回転の外側のアシがしっかりと沈み込み、フラットなドラポジを維持させてくれます。
沈み込みつつも後半しっかりと伸びしろを確保する減衰の動きは、まるでルノーのスポーツモデルのような粘り感。シートに座ったお尻が平行に運ばれていく不思議なG、スイング感を楽しむことが出来ます。回転の外側のサスペンションがしっかりと沈む込むことによって、内側のタイヤもしっかりと地面を捉えてるという、比類なき接地感も見事。
もちろんこれだけアシ自体の性格が良ければ、操舵性も向上しています。まるでアクティブステアリングが入ったみたいに、少しの舵角でズバッとコーナーの先を目指せるのはとても爽快。ハンドリングの精度が上がるために、あんまりコーナリングに自信のない方でも操舵のミスタッチ、いわゆる“修正打を当てる”ことも激減するでしょう。
車内の静粛性も大幅に向上したことから、ドライバーの疲労度も大幅軽減となるんじゃないかな。とくに長い距離を乗る人には是非試して欲しいですね。
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