3つの顔になった新型ワゴンRは、呪縛から解き放たれたスズキの”意欲作”[試乗](2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
開放感や視認性は良好、ただし収納スペースは減った
車両の概要は2017年2月2日に掲載した「新型ワゴンR 新型車解説」を参照していただき、ここでは実際に新型ワゴンRの各シリーズを試乗した印象についてお伝えしよう。
運転席は開放感があってリラックスできる。メーターはインパネ最上部の中央に装着されるが、高さを抑えたから圧迫感はない。エアコンの操作パネルはATレバーの左側に配置され、左端の内気循環スイッチは少し遠いが、操作性に不満はない。
悪化したのは収納設備で、助手席の前側にあったアッパーボックスがトレイに変わった。カタログを見るとここにはボックスティッシュが収まるが、底が浅く走行中の安定は良くない。左右のカップホルダーは、先代型は引き出し式だったが新型では固定されている。ハンドルの奥側にトレイを設けたがフタは付かない。
>>[大量画像165枚!]スズキ 新型ワゴンR/ワゴンRスティングレー(2017年2月フルモデルチェンジ/6代目) フォトギャラリー
軽自動車初のヘッドアップディスプレイを採用した理由とは
装備で注目されるのは、セーフティパッケージ装備車などに備わるヘッドアップディスプレイだ。軽自動車では初めての採用となる。
エンジン始動に連動して半透明の小さな板がせり上がり、速度、カーナビの方向案内、緊急自動ブレーキの作動状態などを表示する。この視認性はおおむね良い。
メーターパネルがインパネ中央の高い位置に配置されている新型ワゴンRの場合、上下方向の視線移動と目の焦点移動は小さくなるが、どうしても目線は進行方向の左側に目をやることになる。この時に正面のヘッドアップディスプレイに速度が表示されていると便利だ。半透明だから前方視界も妨げない。
なお新型ワゴンRのインパネは、シボ(表面の模様)の入れ方などを含めて、質感は良好だ。
後席の空間も十分に確保されている
前席はサイズを十分に確保して、軽自動車では座り心地が快適。背もたれの高さも不足していない。
後席は座面のサイズは十分にあるが、柔軟性は前席に比べて乏しい。多彩なシートアレンジを可能にしたためだ。背もたれの高さは後方視界を確保するために少し低い。このあたりは背の高い軽自動車に共通している。
後席の足元空間は、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を先代型に比べて35mm拡大した効果もあり、かなり広い。身長170cmの大人4名が乗車して、160mmのスライド機能を後端まで寄せると、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半に達する。
新型ワゴンRでは後席側のサイドウインドーを少し狭めてピラーを太く見せたが、スライド位置を後方に寄せれば後席の圧迫感は生じない。荷室を広げるために前方にスライドさせると視界が少し削がれる。
後席と荷室のアレンジは従来型と同様だ。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、フラットで広い空間になる。前後スライドの機能と併せて左右独立式だから、乗車人数や荷物の量に応じた調節もしやすい。
運転席からの視界は、軽自動車の中でも優れた部類に入る。新型ワゴンRでは、前席側サイドウインドーの下端を前方へ傾斜させたので、前側が開けている。また後席のサイドウインドーが狭まった部分は、ドライバーから見ると助手席のヘッドレストと重なるので、斜め後方の視界をほとんど妨げない。
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