3つの顔になった新型ワゴンRは、呪縛から解き放たれたスズキの”意欲作”[試乗](3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
マイルドハイブリッドは(ちょこっとだけ)モーターのみの走行も可能に
マイルドハイブリッドの動力性能は、全高が1600mmを超える背の高い軽自動車のノーマルエンジン車としては満足できる。先代型に比べて最大トルクが0.3kg-m下がって6.1kg-m(4000回転)になったが、実用回転域の駆動力は不足していない。車両重量はハイブリッドFXが770kg、FZでも790kgだから、ダイハツ ムーヴなどのライバル車に比べて30kg前後軽いこともメリットになった。
登坂路ではエンジンノイズが高まりやすいが、音質に不満はなく、快適性も満足できる。
>>[大量画像165枚!]スズキ 新型ワゴンR/ワゴンRスティングレー(2017年2月フルモデルチェンジ/6代目) フォトギャラリー
新型ワゴンRの特徴は、停車中にブレーキペダルを緩めると、エンジンを始動させずにモーターの力だけでクリープ走行できる機能だ。リチウムイオン電池の充電量を示すインジケーターが3目盛り以上なら、最長10秒間はモーターのみで徐行できる。アクセルペダルを少しでも踏むと、エンジンが始動するが、渋滞で徐行と停止を繰り返す時には有効だ。
またワゴンRには速度が時速13km以下に下がるとエンジンが停止する(アイドリングストップ)機構が以前のモデルから搭載されていた。ただし渋滞などで停車寸前に先行車が少し動き、ブレーキペダルを緩めると、以前はエンジンが再始動していた。新型ワゴンRはこの時もモーター駆動のみで徐行するから、エンジンが再始動せずに実用燃費を節約しやすい。基本的に渋滞向けの機能だ。
スティングレー ターボは1リッターエンジン並みの余裕度
ワゴンRスティングレー ハイブリッドTが搭載するターボエンジンは、最大トルクが10kg-m(3000回転)で、ノーマルエンジンの164%に相当するから、動力性能は大幅に増える。1リッタークラスのノーマルエンジンを積んでいるような感覚で、アクセルペダルの踏み込み方も少ない。2500~4000回転前後では、余裕のある運転感覚を味わえた。峠道や高速道路の登坂路でも力不足はない。
ただし市街地を一定速度で走ると、燃費向上のためにエンジン回転が1500回転以下まで下がる。この状態で緩くアクセルペダルを踏み増すと、過給効率が低くノイズと振動が生じやすい。
またターボエンジンは動力性能が高い代わりに、吹き上がりの感覚には少し粗さを覚えるのも事実だ。
操舵感もグッと洗練された
新型ワゴンRで軽量・高剛性な新プラットフォーム”HEARTECT”を採用し、これに合わせサスペンションなども新設計されたことから、操舵感は大きく洗練された。
先代型では車線変更などを行うと機敏に反応しすぎる面があり、電動パワーステアリングは、直進状態に戻ろうとする力が弱かった。当時、先代型の開発者から「街中をスイスイと走りやすくするため」と説明を受けたが、ユーザーからは不自然だとする指摘があったという。新型ワゴンRではそこを改善して違和感を解消した。
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