スズキ MRワゴンエコ 試乗レポート/古谷シゲユキ(2/2)

  • 筆者: 古谷 シゲユキ
  • カメラマン:神里亮徹
スズキ MRワゴンエコ 試乗レポート/古谷シゲユキ
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MRワゴンはスペース効率を上手に活かしつつ、タッチパネル式オーディオがキモ

【MRワゴンECO】にとって、キュートなスタイリングはもちろんですが、インテリアも個性派大切なんです。かと言って、ヘッドレストの形状を花のカタチにするワケにもいかないんですけど。余談はともかく、【MRワゴンECO】のインテリアにとって「最大のウリ」になっているのがインパネなんです。

フツーの軽自動車では、メーター類などの「インパネ」と「オーディオ」は別になっているケースが多いのですが、【MRワゴンECO】は斬新な「タッチパネルオーディオ」を採用しています。

スマホやタブレットの普及で、すっかりお馴染みの「タッチパネル」を大胆にインテリアの中心に鎮座させちゃったのです。しかもオプションなら結構高い「バックモニター」まで装備されるという、嬉しいニュース付きなんです。

また余談ですが、この「タッチパネル」は、台湾と世界シェアNo.1を競うほど、日本の技術力は高いんですね。こんな部分にも、さりげなーく「メード・イン・ジャパン」な部分も持っているって気がしませんか?この装備を標準装備化させるなんて、スズキさんも大英断だなぁと勝手にホメたくなりました。

次にシートを見てみましょう。前列も後列も「軽ワゴン」ではお馴染みのベンチスタイル。限られたスペースで、より快適性を求めた結果ですね。さらには頭上空間にも十分なゆとりがあるため、「軽自動車枠」というサイズ的な制限のストレスも少ないですね。

なので、デートの場合は距離が近くて嬉しい相手に助手席へ座ってもらい、会社の用事などで同乗する上司の方などは後ろに座って頂くことで快適な空間が保てます、ハイ。

こういったレポートでありがちな「大人4名がゆったりと長距離を」という表現は難しいですけど、少なくともマヂで大人4名が乗っても「キュークツ」な印象は少なかったです。ま、男性4名乗車ですと「ムサクルシイ」印象はありますけれど。

ゆったりした室内と豊富な収納スペースで、使い勝手は文句ナシ

もう1つ「軽ワゴン」の魅力として、限られた空間を最大限に活かすべく、豊富な収納スペースが設置されています。もちろん【MRワゴンECO】も例外ではなく、運転席&助手席にはドリンクホルダーが、またインパネ部分にはちょっとしたスペースを「トレー」状態にして、ちょっとしたモノを置けるようにしてあります。

クルマって乗ると、意外とすぐに取り出したい小物って多いですよね。そんな時に役立つ機能はテンコ盛りです。

そうそう、スズキならではのアイデア「助手席シートアンダーボックス(通称:バケツ)」ももちろん装備。ティッシュやCDなども、いつでも使える状態にできそうです。

そしてシート本体も、落ち着いたブラウンを基調としたカラーで優しい雰囲気。商用車にありがちなグレーじゃないだけで、随分と高級な印象を受けます。

さらに嬉しいのが、リアシートも左右別々に160mmもスライドできる機能。ラゲッジスペースを大きくしたければリアシートを前に出せばOKですし、リアの快適性をアップさせるならば後ろにスライドして、広々とした足下空間を確保可能。ま、そのため乗車定員は「4名」になってしまいますが、毎回フル定員で乗車することもないでしょうし、日々の使用を最優先に考えていると思います。

見た目の軽さとは違って、少しシットリとした操作感

では、【MRワゴンECO】を実際に走らせてみましょう。

エンジンスタートボタンを押して始動させてみます。ここら辺で聞こえる音や振動、感覚は通常の軽自動車と全く変わりません。ミッションはシフトチェンジ時のロスを減らすべくATではなくCVTを採用しているので、アクセルを踏み込んでも「ウィ~ン、ウォンウォン」的なシフトショックは皆無。スムーズに走ります。

意外だったのは、パワステなどの味付け。見た目のキュートさとは裏腹に、以外に重厚…ってほどではありませんが、重みがあるスタリングの操作感です。でもこれが「軽自動車」の軽さを上手に中和してくれていて、通常のコンパクトカーと遜色ない感覚で運転できます。

ただし、やはりソコは燃費性能を追求したモデルだけあり、満点ではありません。シットリとした運転感覚なのに、低燃費タイヤ(145/80R13のDUNLOPSP10)の影響か、ちょっと接地感が足りず荒れた路面ではゴツゴツとしちゃいます。

数年経ってタイヤを交換する場合は、燃費を考えて同じ銘柄にするか、それとも乗り心地を重視して違う銘柄に変える、というのもアリだと思います。それだけでかなり乗車した人達の印象も変わると思いますよ。

で、進化した「アイドリングストップ」の感想です。信号などで前方のクルマに近づきつつブレーキをかけると、停車する前からエンジンがストップ。ブレーキを放せば、またエンジンが再始動します。

ただ、これも悲しいかな、エンジンのキャパの問題でエアコンをONにしていると、せっかくのアイドリングストップ状態(ブレーキを踏んでいる状態)でも度々エンジンが再始動しちゃいます。

ま、それも大人しく座っていたペットの犬が、他の犬を見て反応しているようなモノ。お陰で渋滞なども多かった試乗でも、20km/L近い数値を記録しました。

黄色いナンバーさえ気にならなければ、最高のオシャレ「アシ」グルマ

結論として、【MRワゴンECO】は、いいクルマです。軽自動車にありがちな「安さ」を感じる機会も少なく、フツーに街中を走ります。もちろん信号待ちからスタートさせる時などは、軽自動車特有の「ンモォォォォ」といった色気のないエンジン音ですが、そもそも「日常のアシ」として開発されたクルマをベースにしているだけに、「流れをリード」できなくても「流れに乗る」のは全く問題ありません。

むしろ、年々大型化するクルマに対するアンチテーゼ、とでも申しましょうか、「小さい660ccだって、全く問題ないぜ」的な清々しさを感じさせます。それでいて個性的でキュートなルックスと必要なモノが確実に付いている充実装備、狭い道でも楽々と取り回しできるサイズは、本当の意味で「便利だよねぇ」と言えます。

都会、特に東京は「見栄」の文化が根付いているので、あの黄色いナンバーに抵抗を感じる人も多いと思いますが、「長距離なんて年に数回」なドライバーは、維持費の安さも考慮して真剣に選ぶ価値はあると思います。

今回の試乗車(MRワゴンECO)は、通常の「MRワゴン」との価格差もほとんどありません。選ばない理由がないほど、抵抗なく乗れます。

スタイルングもキュートでありながら、やり過ぎていないのも好印象。東京のオシャレ・スポットである代官山や自由が丘って、実はかなり道が狭い所も多いんです。「クルマで自己主張」と考えているドライバー(それはそれで素敵なんですけど)でなければ、軽い気分で乗れる【MRワゴンECO】、かなりオススメです!

ちょっと高めの価格でも「ハイブリッド」を買うか、それとも維持費も含めた全体のコストで【MRワゴンECO】を選ぶか…、それもまた、カーライフならではの、最大の楽しみの1つでもあるんですけどね。

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筆者古谷 シゲユキ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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