スバル レガシィ 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
安全面で大きく進化した「新型アイサイト」
今回の年次改良に先立ち、4月下旬に新型アイサイトが発表され、テレビのニュース番組でもさかんに取り上げられたのをご覧になった方もいることと思う。
また、その前日には、2009年度の自動車アセスメント(JNCAP)において、レガシィがもっとも安全性に優れた自動車に授与されるグランプリを受賞したことも発表された。素晴らしく名誉な話である。
注目の新型アイサイトについては、東京都内でのイベントに続き、テストコースで、あらためてプリクラッシュブレーキを体感するとともに、周回路を使って、全車速追従機能付クルーズコントロールを体感することができた。
その前におさらいすると、この新型アイサイト、まずはシステム価格で10万円という手頃さと、従来は上級グレードのみに設定されていたものが、量販モデルである2.5iにも設定されたというところが特徴だ。
これは、アイサイトを本格的に普及させようというスバルの思いがより現実のものとなったわけだ。
新型アイサイトは、原型である11年前に登場した「ADA」と呼んだ時代から数えて第5世代目となる。
同様の機能を持つデバイスでは、周囲の交通を認識するために、ミリ波やレーザーを用いたレーダーのものもある。スバルでは、途中ステレオカメラにミリ波レーダーを組み合わせた時代もあったが、次世代から再び、コスト低減と機能面の問題を解決するために、カメラのみへと戻された。2008年に登場した4世代目では、プリクラッシュブレーキを追加した、新しい一体型ステレオカメラを採用。
そして、今回の5世代目となる新型アイサイト。
ハードウェアとしては4世代目とまったく同じで、ソフトのみの改良だが、ついに自車が自動停止しその状態を保持する機能や、全車速追従機能付クルーズコントロールを身につけたところが大きなポイントだ。
まずはプリクラッシュブレーキ。50mほど先に障害物があるというシチュエーションで、約40km/hで接近すると、半分ぐらいきたところで警告音があり、さらに4分の1進んだところで0.25G程度の軽いブレーキングで危険を知らせる。
そして、そのままブレーキを踏まなければ、障害物の手前でガツンと従来比で1.6倍となる0.75G程度の急減速を行い、完全停止させる。このとき、30km/h以下の状況では障害物にぶつからずにすむのだ。
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