夏タイヤ同等の性能は本当か? オールシーズンタイヤ ミシュラン クロスクライメート試乗レビュー【夏編】(2/2)

  • 筆者: 松田 タクヤ
  • カメラマン:松田 タクヤ/土屋 勇人
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グリップの限界に近いシチュエーションに追い込んでも感じる高い剛性感

クロスクライメートを履いてクルマを動かした時の第一印象は、「ビックリするほど静か」な事だ。タイヤパターンを見ると、ブロックが大きくていかにも煩そうな印象なので、まずはこのギャップに驚いた。

静かな理由としては、ブロックの接地面が面取りされていることで、ブロックが路面に徐々に接地していくこと。そして、V字パターンの角度が絶妙でパターンノイズが発生しにくいことにある。

通販で売られている安価な輸入タイヤや、国産ハイグリップタイヤ等にありがちなロードノイズの問題に悩まされることはまず無い。ドライバー1人でドライブしている時はもちろん、多人数で乗車している時も乗員同士の会話を妨げることが無いので、終始快適なドライブが可能なのだ。

また操縦安定性が高く、どの路面に於いてもドライバーの意思とリンクした走りをすることが可能だ。

筆者はたまたまテストコースでクルマを走らせる機会が有ったのだが、タイヤのグリップギリギリに近いところまで攻めこんでも、一気にグリップが失われるようなことは無かった。タイヤ自体の剛性感が高く、ドライ・ウェット路面の両方でしっかりとしたグリップを感じることができる。

少しオーバースピードでコーナーに進入した時の、ステアリングの切り増しやブレーキの踏み増しにもちゃんと反応してくれる。一般道でこのような走り方をすることはまず無いので、実際の一般道でグリップ感や剛性感に不満が出る事はまず無いだろう。

>>本当に雪道は走れるのか? オールシーズンタイヤ ミシュラン クロスクライメート 試乗レビュー【冬編】

>>ミシュラン クロスクライメートのオフィシャルサイトはコチラ

直進安定性が良く、レーンチェンジでクルマがふらつかない。安心感の高いドライブが可能

クルマを高速道路に持ち込んでも印象が変わる事は無かった。

スピードを徐々に上げていっても、スタッドレスタイヤ等で発生しがちな高周波ノイズが発生することは皆無だ。乗員全てが、車内での会話を快適に楽しむ事ができる。乗り心地も良く、道路の継ぎ目で不快な突き上げを感じたり、派手な音を発生することもない。

また、特筆すべき点は直進安定性の良さとレーンチェンジをした時の挙動のおさまりの良さだろう。

剛性が低いタイヤで高速道路を走ると、時計の針で11時から1時くらい間のステアリング感覚があいまいになることがあるが、クロスクライメートにはこれがほとんど無い。

ステアリングがセンターでビシっと安定するので、ステアリングに軽く手を添えておくくらいの感覚で、制限速度付近を安心して走ることができるのだ。

車線を移動するためにそのままの速度でレーンチェンジを開始しても、ヨーが遅れて付いてくることはない。また、隣の車線に移動した後の挙動のおさまりが良く、ステアリングを切り始める前のクルマの状態にピタっと戻るのだ。

高い速度域でも不安や不満を感じる事が無いので、長時間の運転でも快適にドライブをすることができる。

ドライ・ウェット路面で抜群の制動力を発揮 摩耗するにつれて拡大する溝で安心感が長く続く

タイヤに最も必要な性能は、何と言ってもブレーキング性能だ。どんなに乗り心地が良くても、どんなに静かであっても、止まりたい時にしっかり止まらないタイヤでは安心して走行することはできない。

しかし、その点でもクロスクライメートはバツグンの性能を発揮する。

テストコースに於いて、高い速度域から急ブレーキをかけた際も、ブレーキの効き始めから強い減速Gを感じ、クルマが停止するまでそれがずっと続く。

コントロール性も良いので、狙ったポイントにクルマを停止させることも容易だ。ドライ・ウェット路面でも印象が変わる事は無かったので、実際の使用シーンでも高い安心を実感できるだろう。

また、クロスクライメートは摩耗するにつれて拡大するように溝が設計されているので、タイヤが擦り減っても排水性能が失われることはない。履き始めから履き替え時まで、ウェット性能が長く続くのだ。

クロスクライメート4本あれば一年中安心! ながーく使える欲張りなタイヤだ!

ドライ・ウェット路面、そして本格的な雪道。クロスクライメートを購入したユーザーが走るであろう全てのシーンをこれまでに試してみたが、その感想を一言でまとめると「こんなに欲張りなタイヤが存在するのか!」と言ったところだろうか。

実際にクロスクライメートのオフィシャルサイトを覗いてみると、基本的に良いことしか書いていない(どのメーカーのサイトにも言える事だが)。しかし、そこに書いてあることの全てが真実なのだ。

都内に住んでいる筆者も、今までは夏タイヤと冬タイヤを使い分けていたユーザーだが、これからはクロスクライメートだけで本当に十分だとしみじみ感じている。所有しているもう一台のSUVも、タイヤがすり減ったらクロスクライメートに履き変えようと決めているくらいだ。

メディアの人間としてはもちろん、いちユーザーとしても非常にオススメできるタイヤである。「雪も走れる夏タイヤ」ミシュラン クロスクライメート。筆者とは長い付き合いになりそうなタイヤだ。

[Text:松田 タクヤ Photo:松田 タクヤ/土屋 勇人]

>>ミシュラン クロスクライメートのオフィシャルサイトはコチラ

ミシュラン クロスクライメートを夏タイヤと性能比較

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筆者松田 タクヤ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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