スバル アウトバック Sパッケージ リミテッド 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
大きく進化を遂げたアイサイト
そして今回、アイサイトシステムも大きく進化した。まず、これまでアイサイト搭載車にサンルーフは組み合わせられなかったところが、ようやく可能となったことがありがたい。さらに機能面でも以下のように改良し、より自然で滑らかな作動を追求したという。
まず、ステレオカメラの認識性能が向上した。データ処理速度が速められたことで、タイムラグなくよりスムーズな制御を実現したという。次いで、VDCの改良。 最大液圧を1.5倍に高めてポテンシャルが上がったことで、より厳しい条件でもより安定して作動するようになった。
さらに、制御ソフトが熟成された。具体的には、まず追従クルーズコントロール時のブレーキタイミングを従来よりも速めにするとともに、加速の立ち上がりを速くしたとのこと。これにより、心配になってブレーキを踏み足したり、車間が空きすぎてアクセルを踏み増したりするなどの頻度を低減し、ストレスなく、より安心して乗れるようにしたという。
そして、プリクラッシュ時の作動の安定と、単独クルコン時のブレーキ制御を追加し、下り坂での車速オーバーを抑制したとのことだ。インターフェースについても、プリクラッシュブレーキが作動して停車した後の自動ブレーキ解除警報を付加して注意を促す機能と、メーターとスイッチの表示について、従来の文字から、よりわかりやすいISOアイコン化などの対応を図るなどの改良が加えられた。
試乗してみると、アイサイトそのものについては、よくできていると感じていたこともあり、率直なところ、限られた条件下の試乗では、その進化の価値をあまりダイレクトに体感することはできなかったのだが、全体的に大なり小なり洗練されていることは、なんとなく感じ取ることができた。
新旧を直接的に比べることができれば、おそらくそれなりに違うことがもっとわかるのだろうが、とにかく、より快適性が高まり、安全性も向上していることは間違いないはずだ。いつかそれを試す機会があったときには、あらためてレポートしたいと思う。
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