スバルの人気SUVがEyeSightなど充実でさらに魅力的に!「XV」試乗レポート(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
スポーティな運転を楽しめるSUV「スバル XV」
運転感覚だが、XVは2014年11月に、インプレッサスポーツやG4と併せて足まわりなどの変更を受けた。なので2015年10月では運転感覚に大きな違いはないが、改めてレポートしたい。
まずは動力性能だが、水平対向4気筒の2リッターエンジンを搭載するから力不足は感じない。ただし、エンジンの性格が少し高回転指向で、リニアトロニックは、CVT(無段変速AT)ながらもダイレクト感を重視して変速の仕方が控え目だ。
そのため、2,000回転付近で緩く加速する時などには若干のボリューム不足を感じることがある。現状では最大トルクを4,200回転で発揮するが、もう少し下げると印象が良くなるだろう。
ちなみにXVハイブリッドは、モーターの駆動力は低いが低回転域でアクセルペダルを少し踏み込んだ時などは、滑らかに速度を上昇させる。このあたりは走りにこだわるスバルらしい演出だ。
走行安定性は、最低地上高を200mmまで高めた車種としては、アウトバックと並んで優れた部類に入る。インプレッサスポーツと比べても、腰高感が少し強まる程度だ。
ハンドルを切り込んだ後でボディが大きめに傾くSUVの特徴は小さく抑えた。適度に機敏でもあるから、SUVとしてはスポーティな運転を楽しめる。
スポーティに走りたいなら「XV」、リラックスした走りを求めるなら「フォレスター」
試乗は曲がりくねった峠道風のテストコースで行ったが、前後輪の接地性は十分に確保されている。今日のクルマとあって後輪側を優先させるから、追い込めば前輪から外側に滑るが、その度合いは小さいから曲がりにくい印象はない。
乗り心地は発売当初に比べるとかなり改善されたが、今でも少し硬く感じる。足まわりがゆったりと伸縮するSUVらしさは希薄だ。
もっとも、そこを重視すると前述のスポーティ感覚が薄れてしまう。SUVらしいリラックスした走りを求めるなら「フォレスター」、スポーティに走りたいなら「XV」という選び方も成り立つだろう。
それにしても日常的にSUVを使いたいユーザーにとって、XVは魅力的な選択肢だと思う。オフロード指向は強くないが、外観は十分に個性的で立体駐車場も使いやすい。4WDの採用で雪道にも強く、EyeSight ver.3の搭載によって安全性も高まった。
さらに装備の充実度を考えれば、XVはSUVのなかでも価格が安い。XV 2.0i-L EyeSightは前述のように259万2,000円。インプレッサスポーツ 2.0i-S EyeSightにディスチャージヘッドランプなどを加えると同等の金額になる。
流行に沿ったSUVテイスト、充実した安全装備、割安な価格などにより、XVは最も購入のしやすい買い得なスバル車といえそうだ。
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