スバル XV ハイブリッド 公道試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二
ノーマルの「XV」からさらに進化した、走りと乗り心地のバランス
さらにXVハイブリッドは、走行安定性と乗り心地のバランスという点でも質を高めた。
ハイブリッドの搭載によって車両重量はXVよりも120kg重く、荷室の床下にはニッケル水素電池を積む。これに対応すべく、XVハイブリッドはボディに補強を加えて剛性を向上させ、サスペンションの設定も見直した。これらが奏効して、XVでは硬めに感じた乗り心地が、XVハイブリッドになると重厚感が増して快適になっている。遮音も入念に行ったからノイズも気にならない。
また、ボディ補強やサスペンションの見直しにより、コーナリング時でも120kgの重量増加を意識させない。ニッケル水素電池の搭載によって前後輪の重量配分もバランスが良くなり、操舵感は自然な印象。走行安定性も良好だ。
燃費性能はもうひと頑張りが欲しい
以上のように、走行性能と乗り心地は大いに満足できるXVハイブリッドだが、「ハイブリッド」を名乗る以上は燃費性能も重要。この点はもう少し向上させて欲しい。JC08モード燃費は20km/L。ノーマルエンジン車が15.8km/Lだから約27%の向上率にとどまる。従来型の「ホンダ フィット」対「フィットハイブリッド」の比率と同等だが、最近は中型セダンの「アコードハイブリッド」が30km/Lを達成するなどハイブリッド車の燃費向上が著しい。それからすると、XVハイブリッドの数値は物足りない。
ハイブリッド用の動力用電池はニッケル水素電池を使う。理由は信頼性が高いこととコストの低減だが、他メーカーでは高効率なリチウムイオン電池を使うケースが増えた。ノーマルエンジン車もキャパシタ(コンデンサ)を利用するなど、減速時を中心にした発電でアイドリングストップを使えるように工夫している。いずれも燃費性能の向上に効果がある。
もうひとつ、ボンネットの内部に2個の鉛電池が収まるのも気掛かり。片方はエンジンを再始動するスタータージェネレーター(発電機と兼用されるスターター)に電力を供給するためだが、鉛電池となれば、3~4年ごとの交換が必要で維持費も高まる。燃費を含めてユーザー負担のコスト面では、もうひと頑張りして欲しい。
SUBARU XV HYBRID 20i-L EyeSight[AWD] 主要諸元
全長x全幅x全高:4450x1780x1550mm/ホイールベース:2640mm/車両重量:1510kg/乗車定員:5名/駆動方式:アクティブトルクスプリットAWD(4輪駆動)/エンジン種類:DOHC 16V 水平対向4気筒 ガソリンエンジン/総排気量:1995cc/最高出力:150ps(110kW)/6000rpm/最大トルク:20.0kg-m(196N・m)/4200rpm/モーター種類:3相交流同期電動機/モーター最高出力:13.6ps(10kW)/モーター最大トルク:6.6kg-m(65N・m)/動力用主電池:ニッケル水素電池(5.5Ah)/トランスミッション:マニュアルモード付リニアトロニック(CVT)/燃料消費率:20.0km/L(JC08モード燃費)/メーカー希望小売価格:2,782,500円[消費税込み]
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