スバル XV ハイブリッド 公道試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二
ハイブリッドがCVT特有の「モワーッ」を解消
XVハイブリッドの最大トルクは、前述のように20kg-m。2リッターエンジンとしては十分な数値だが、発生回転数は4200回転と少し高い。市街地を巡航している状態では、1500回転前後まで下がって相対的に駆動力が不足してくる。
この時に緩い加速を行うと、ノーマルエンジンでは速度の上昇が鈍く感じる。他メーカーのCVT(無段変速AT)であれば、即座に変速を行って融通を利かせながら速度を高めるが、スバルのリニアトロニックはこの動きを抑えた。クルマ好きのユーザーには、速度の上昇に先行してエンジン回転が「モワーッ」と高まるCVTの挙動を嫌う傾向が強く、直結状態を保とうとするからだ。開発者がCVTのセッティングに悩むところでもある。
このこだわりの強さこそスバルらしさ
「そんなチマチマしたフィーリングの話なんか、ハイブリッドの本質とは関係ないでしょ」と言われればそれまでだが、このチマチマにこだわるのが今のスバル車であり、リニアトロニックだ。
今日では大半の車種が、実用的には不満のない走行安定性と動力性能を備える。クルマの走りの価値観は、乗り心地、操舵に対する正確性などを含めてフィーリングの分野におよんできた。そこをXVハイブリッドのモーター駆動が黒子としてサポートして、スバルが重視する走りの質を高めている。
「オオッ、ハイブリッドだねぇ」という電気自動車的な運転感覚を求めると物足りないが、クルマを滑らかに走らせるのが好きなユーザーには喜ばれると思う。
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