2009年下半期ベスト・バイ・カー／小沢コージ(2/2)

【輸入車編】トータルベストカー／フォルクスワーゲン ポロ

正直「ゴルフ要らず！」とか「コンパクトカーの基準を変える！」とか前評判高かった割にフツーじゃん！って思いました。

ボディ剛性はさすがに高いけど、ステアリングフィールはやや軽すぎだし、ブレーキタッチも格別ってほどじゃないし、これなら依然としてゴルフの方がいいじゃん！と。

リアシートもメチャ広いってほどじゃないし、表皮自体はゴルフの1つ格下的なクオリティ。純粋に、冷静に見て、この値段でこのクオリティと走りは素晴らしいと思いました。

要するに、クルマのプレミアムビールなのよね。ただ普段、格安発泡酒を買ってる軽自動車ユーザーががんばって乗り換える気になるかっていうと・・・無理だよねぇ、未だ。

【輸入車編】ベストハンドリングカー／ポルシェ パナメーラ

これまたハズしなチョイスです、スイマセン（笑）。

最初は911ターボとかって思ってたけど、普通過ぎてツマラナイし、厳密に911自体は新しいと思えないので、驚くほど良かったパナメーラに。

中身は、カイエンって話が「ウソ！」って思えるほど深い味わい。真っ直ぐ走ってる、微妙に曲がってる、思いっ切り曲がってるなど、すべての動作がよく分かる。

ある意味、ハード過ぎる911に比べて、若干マイルドになっていて一般向けな部分もある。そのサイズとデザイン以外は、すんなりポルシェファンでも受け入れられるのでは？と思った次第だ。

【輸入車編】ベストデザインカー／シボレー カマロ

まさに火事場のバカ力！

アメ車最大の魅力はパワーでも音でもなくてズバリ、デザイン。っていうかざっとそれしかない。しかも50、60年代のヤツが一番いい。

そんなの誰でも知ってるだろうに！というわけで5代目カマロ。その心理にやっとGMさんも気づいたようで（とうに気づいてただろうけど）、まさに初代モデルの生き写しだ。

現代の法規や都合に合わせつつ、最大限にテイストを復活させております。具体的には俺が「亀田顔」と呼ぶニラミの効いたフロントマスクや、リアの“サーフィンライン”がカッチョいいし、インテリアも秀逸。お金をかけずに独特の伸びやかさを表現できています。

やっぱり、人も会社も危機になって初めて本気出すのよね。火事場のバカ力を！