LACホールディングスが日本最大級のキャンピングカー専門の組立工場を倉敷玉島(岡山県)に新設!

  • 筆者: 岡本 晃
  • カメラマン:岡本 晃
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アネックス「LIBERTY」シリーズなどの数多くのキャンピングカーブランドやショップを展開する株式会社LACホールディングスは、2022年8月、岡山県倉敷市玉島地区にキャンピングカー専門の組立工場を新設。敷地面積は約2600坪、工場の建坪は約750坪、2階まで含めれば1000坪超となる広大な施設です。2022年9月21日、その記者発表が倉敷玉島工場で行われ、ライターの岡本晃さんが取材をおこないました。

目次[開く][閉じる]
  1. 約2600坪を誇る広大なキャンピングカー組立工場
  2. 日本16拠点、韓国2拠点、中国1拠点を誇るキャンピングカーグループ
  3. 国内のみならず世界を見据えたホールディングスが始動!
  4. システマティックな工場内で、年間300台を生産する!

約2600坪を誇る広大なキャンピングカー組立工場

週末や連休に高速道路を走ると、これまで以上に目にする機会が多くなったキャピングカー。それを表すように、2021年には販売総額は635億円を突破し、出荷台数では8600台(前年比107%)、累積保有台数13万6000台と、その数を確実に伸ばしています(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書」2022年版レポート)。

コロナ禍により、密を避けながら家族や仲間とアウトドアを楽しむというスタイルが定着し、そのなかでキャンピングカーへの注目度を高まったのが大きな要因と考えられます。頻発する災害時での避難所と考える人も増加し、今後さらなる販売台数の拡大が予想されています。

そんなキャンピングカー市場の盛り上がりに対し、株式会社LACホールディングスは2022年8月、倉敷玉島(岡山)にキャンピングカーの組立工場を新設しました。敷地面積は約2600坪、工場の建坪は約750坪、2階まで含めれば1000坪を超える広大さです。

「新設したキャンピングカーの専門組立工場としては、日本最大だと思います。これにより、キャンピングカーの供給体制を強化することができます」とLACホールディングス 代表取締役会長 田中昭市氏。

日本16拠点、韓国2拠点、中国1拠点を誇るキャンピングカーグループ

そもそもLACホールディングスとはどんな組織なのかと疑問を持たれている方もいるでしょう。LACとは、”Life is an Adventure with C”の略で、”C”はCar、Camping、Challengeなど思い思いの言葉を当てはめてほしい、という想いが詰まっています。

LACホールディングスは、2018年に株式会社デルタリンク(岡山県倉敷市)と、株式会社アネックス(徳島県吉野川市)、株式会社キャンピングカーランド(愛知県日進市)という3社でスタートした企業グループです。そのLACホ−ルディングスに、三重県津市に本社を持つ株式会社ダイレクトカーズが参加。キャンピングカー市場における国内トップの製造・販売・サービス体制の構築を目的に、2022年9月23日、株式交換による資本業務提携を行いました。これにより、日本16拠点、韓国2拠点、中国1拠点という店舗・工場を持つ、キャンピングカーグループが誕生したのです。

国内のみならず世界を見据えたホールディングスが始動!

「コロナ禍によりキャンピングカーへの注目が集まりましたが、コロナ禍が終わってもその流れは変わらないと考えています。災害に備えて避難所としてキャンピングカーを使いたい方も増加するなか、キャンピグカーの売上だけでも、5年間で1.5倍と急成長しており、受注も1.5倍に伸びています。しかし、生産体制がそれに追いつかず、バックオーダーが増加していました。そこで、キャンピングカーの組立工場を新設することで、年間300台生産を目標にやっていきます」とLACホールディングス 代表取締役会長 田中昭市氏。

「これから10年先を見据えて、1社ではできないことを、集まって一緒になり、ホールディングスになったからこそ、国内最大級のキャンピングカーの組立工場ができました。ダイレクトカーズの百田氏の合流により、さらに生産販売体制のシナジーが高まっていくことに期待したいですね」と話すのはLACホールディングス 代表取締役社長 山田秀明氏。

「人材の育成なしに企業の成長・発展はありません。新卒や外国人の採用に加え、グループ間の情報交換をより密にしていきたいです。グループ化により、車両や部品の一括仕入れや共同在庫によるコスト削減につながることはもちろん、さらに国内・海外にある拠点から、アジアだけでなく世界戦略にチャレンジしていきます」とLACホールディングス 代表取締役副社長 百田雅人氏。

システマティックな工場内で、年間300台を生産する!

では、新設された工場内を見ていきましょう。

広大な1階組立エリアは、組立の流れが分かる整然としたレイアウトが印象的です。柱を最小限に抑え、コンセントやエア配管は床下に収め、邪魔するものがないスッキリとしたスペースとなっています。

まずはシェル(居住部分の外殻)を車体とドッキング作業に入ります。数名のスタッフによって慎重に作業が行われます。ちなみにキャンピングカーのシェルはタイの協力工場で製造したもの。この時点でクオリティのチェックを行い、不具合があれば修理をしてから組立作業に入ります。

車両と同じ番号が振られた台車には、その車両が取り付ける部品が載せられています。

これまで組立作業で一番無駄なのが、部品を探す時間でした。そのために、シェルをドッキングした車両には番号が振られ、その同じ番号が振られた台車が一緒に動きます。そのクルマに必要なものをすべて台車に載せて移動するため、あとはそれを取り付けるだけとなり、高い効率で作業ができるように工夫されていたというわけです。

1階中央にあるのが、部品・資材置き場。仕入れた商品をそのまま取り付けるのはできないため、この場所で配線や半田付けといった加工を行います。あらかじめ加工する前工程により、組立時間が短くなります。

組立ラインは、第1工程、第2工程、第3工程、そして洗車・完成検査の4段階で行われます。第1工程は外観、第2工程は電気や配線などの内装、第3工程は仕上げを行います。最後に洗車をして完成検査という流れです。現時点では、1工程が4日間で、組立ラインに入ってから、12日後に完成するというスケジュール。今後はもっと工程日数を短くし、納期を早めていくとのことです。

1社ではできないことを集まることで、国内最大級のキャンピングカーの生産販売体制を確立したLACホールディングス。国内で巻き起こるキャンピングカーブームに対応するだけでなく、アジア、世界へと展開する大きな一歩として、組立工場新設の意義は大きい。今後の展開に注目でしょう。

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岡本 晃
筆者岡本 晃

元自動車雑誌編集者/編集長。現在は「オフィス・アヘッド」という屋号で、ライター/編集者として活躍している。自動車雑誌、カスタム系雑誌への寄稿が多く、関西エリアを拠点に活動中。ジャンルを問わず、面白いモノ・コトを掘り起こして執筆することに力を注いでいる。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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