トヨタ ハリアー売り行き好調で販売台数3割ダウンのRAV4。 PHVの復活で巻き返しを狙う
- 筆者: MOTA編集部 木村 剛大
- カメラマン:MOTA編集部
トヨタ RAV4といえば世界中で最も売れているSUVである。日本でも2019年におよそ2年半ぶりに復活し、瞬く間にトヨタを支える大ヒットメーカーに。とくにハイブリッドはミドルサイズSUVながら実燃費は20km/Lを余裕でクリアするなど、デザイン&維持費の安さからデビュー直後から大注目を集めている。ところが2020年度の販売実績は前年比で3割程度ダウンしたのだった。一体RAV4に何が起こったのか!? 結論から言えばハリアーの登場が大きいのだが、詳しい理由を見ていこう。
RAV4は“今の常識”を作った偉大なクルマだった
RAV4は1994年に初代モデルが登場。当時のコンパクトSUV市場といえば1989年にデビューしたスズキ 初代エスクードが大人気を博しており、言うなればRAV4は正真正銘のライバルというイメージ。
そしてエスクードはジムニーなどの本格クロカンモデルと同様にラダーフレームを採用していたのに対して、初代RAV4はカローラやセリカの部品を流用したこともあり、乗用車と同様のフルモノコックボディを採用していた。
要するにSUVといえば悪路走破性を担保するのが当たり前の時代に、街中を重視したコンセプトであったのだ。そう、いま流行中のSUVとまったく同じ考えであり、そういった意味ではコンパクトSUVのパイオニアでもあるのだ。
2年半ぶりの日本復活! 発売直後はSUVで3位の人気車に
2019年にデビューした現行RAV4は5代目モデルなのだが、じつは2016年6月〜2019年4月の約2年半もの間日本市場から姿を消しており、事実4代目モデルは日本市場で販売されていなかったのだ。
もともと好調であった北米と中国市場では大人気を博しており、今や世界で最も売れているトヨタ車にまで成長している。その売れ線モデルが久々に日本に投入されるとあって、大注目を集めたのだった。
2年半ぶりに日本市場に復活した2019年には5万3965台を売り上げるほどの好調ぶりで、SUVだけで見るとヴェゼルとC-HRについで3位にランクインを果たしている。もっといえば2019年度の販売台数を見るとSUVでは1位に輝くほど日本市場でも再びスターとなったのだ。
ところが、だ。2020年度の実績を見てみると5万990台と前年比の71.3%と約3割ほど販売台数を落としてしまっている。一体なにが起こったのか!?
“兄弟車”ハリアーの出現で販売台数が3割減
もっとも大きな理由は、先述の通り2020年6月に投入された新型ハリアーの存在が大きい。事実2020年度の販売台数は8万6843台と、RAV4の約1.7倍という好調ぶり。
実はハリアーとRAV4は基本設計が同じ兄弟車という位置付け。ハリアーはラグジュアリー、そしてRAV4はよりクロカンを意識したコンセプトという違いはあるものの、プラットフォームなどは同じである。
だが価格帯はかなり違い、RAV4は274万3000円〜402万9000円に対し、ハリアーは299万〜504万円とハリアーの方が少々高い設定となってるにもかかわらずハリアーに人気が集中しているのだった。
ハリアーは初代モデルから一貫してラグジュアリー路線を突き進んでおり、お値段以上に高級に見えるというのがウケている理由でもある。事実輸入車からの乗り換え層も多く、どちらかというと趣味性の強いRAV4に比べ、ハリアーはより万人受けしているというイメージだろうか。
RAV4 PHVの販売再開で復活の兆し
だが、ここにきてRAV4が巻き返しを計りつつある。そう、2020年6月に追加されたプラグインハイブリッドモデルのRAV4 PHVの存在だ。
発売直後はバッテリーの確保という大きな問題に直面し、すぐさま受注停止に陥ったモデルで、このトラブルがなければ2020年度の実績ももう少し健闘できたハズ。なのだが、じつは2020年3月ごろより受注を開始しており、現在はフツーに買えるモデルになりつつあるという状況である。
>>発売後すぐに受注停止になったRAV4 PHVがひそかに販売再開! 実際に買った人にその魅力と早い納車を実現する秘訣を聞いてみた
今年2021年は現行型RAV4登場から2年が経過し、マイナーチェンジが行われる可能性がある。またハリアーには設定されてないPHVモデルの販売も再開しており、これらの相乗効果で販売台数も爆上がりする可能性もありそうだ。
それだけに今後のRAV4の動向、そしてPHVモデルの納期などにも注目していきたい!
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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