ぶっ飛び装備満載! 高級車市場は新型Sクラスの独壇場になる?!(1/2)
- 筆者: 竹花 寿実
- カメラマン:MOTA編集部
“ベンツだぞ!”と言わんばかりの押し出し感の強さもひとつの魅力だった歴代のメルセデス・ベンツ「Sクラス」だが、先日発表されたばかりの新型Sクラスのデザインは、ちょっとおとなし目にも感じる。ところが、その中身は想像の斜め上をいくスゴすぎる装備だらけだったのだ。今回は新型Sクラスの内外装デザインとハンパない騒音対策をご紹介! ちょっと引くくらいスゴイです。
飛躍的な進化でライバル不在!?
2013年5月、メルセデス・ベンツはドイツ第2の都市ハンブルクにあるエアバスの工場敷地内で、世界中から約750人ものジャーナリストを集め、現行Sクラス(W222)のワールドプレミアイベントを開催した。
当時、幸いにもこのイベントに参加する事ができた筆者は、この工場で生産されるA380とともに登場したSクラスのエクスクルーシブで強烈な存在感に圧倒されたのを鮮烈に憶えている。
あれから7年余りが経ち、2020年9月2日にW223と呼ばれる新型Sクラスが発表された。だが今回はコロナ禍の中でのお披露目となたため、前回のようなド派手なイベントは行われず、オンラインによる「デジタル・ワールド・プレミア」となった。それも23分弱の動画が公開されただけだ。
かなり今風になったゾ! Sクラスの新旧モデルを画像で徹底比較
しかし新型Sクラスは、お披露目方法こそ地味だったが、従来型が見せた2世代前のモデルからの進化をさらに超える、驚異的な飛躍を遂げている。最新モデルなのだから当たり前と言ってしまえば元も子もないが、あらゆる面でBMW 7シリーズやアウディA8といったライバルを突き放したと言っても過言ではない。
らしさを継承しつつデザイン大胆変更!
まずデザインだが、ゴードン・ワーグナー氏が率いるメルセデス・ベンツのデザイン部門が提唱するデザインフィロソフィ「Sensual Purity(官能的純粋性)」を具現化した、Sクラスとしてはやや薄味な、すっきりとした印象となっている。
これは、可能な限りプレスラインを排除し、面の抑揚でクルマを形作る、現行Aクラス以降のモデルに用いられている手法から生まれたものだ。
写真で見るかぎり、従来モデルのような押し出し感や威厳、重厚感などは薄まった感があるが、リヤに向かって下がるドロップラインや、三日月型のサイドウィンドウ、リアウィンドウとCピラーの形状など、歴代Sクラスとの繋がりを感じさせる造形が、このクルマがやはりフラッグシップ「Sクラス」である事を明確に印象づけている。
ボディサイズは、ショートホイールベースが全長5179×全幅1954×全高1503mmで、従来モデルより54mm長く、55mm幅広く、10mm背が高い。ホイールベースは71mmも伸びているのだ。
一方のロングホイールベースは、全長5289mm、ホイールベースは3216mmとショートよりそれぞれ110mm長く、従来モデルより全長が34mm、ホイールベースは51mm伸びているというイメージだ。
オプションのフラッシュドアハンドルを選べば、全幅は1921mmとなる。またドアミラーを開いた状態の全幅は2019mmで、従来モデルより21mm小さくなっている点からは、少しでも取り回しとエアロダイナミクスを良くしようというメルセデスの気概がうかがえる。ちなみにCd値は0.22と、世界最高レベルを実現している。
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