【価格780万円〜!?】三菱 新型エクリプスクロスが2026年BEVで登場か! ライバルは日産アリアの高級SUVに
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:三菱自動車/小林 岳夫/ルノー
三菱の人気SUV「エクリプスクロス」が、次期型でBEV(電気自動車)に生まれ変わるとの情報が飛び込んできました。
航続距離600km超という実力は、ライバルと目される日産「アリア」を凌駕する可能性を秘めています。
欧州で先行発表された新型BEVの最新情報と、販売店への独自取材を基に、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが気になる日本仕様のスペック、補助金を含めた実質価格、発売時期まで予想します。
※この記事は、一部販売店への取材や海外情報などを基に、新型モデルの姿を予想したものです。内容はメーカーからの公式発表とは異なる場合があります。
三菱のクロスオーバーSUV、新型エクリプスクロスはどう変わる?
三菱は今、フラッグシップの「アウトランダー」から人気の軽自動車「デリカミニ」まで、SUVのラインナップを積極的に拡充し、市場で高い評価を得ています。
その中で「エクリプスクロス」は、クーペを思わせる流麗なデザインをまとったクロスオーバーSUVとして、個性的な存在感を放ってきました。
しかし、2017年の国内デビューから8年が経過し、内外装や走行性能など、多岐にわたる刷新が期待される時期を迎えています。
そして今回、その次期型がエンジンを搭載しない純粋なBEV(バッテリー式電気自動車)として生まれ変わるという、非常に注目すべき情報が浮上しています。まさに大変革と呼ぶにふさわしいモデルチェンジです。
この情報を裏付けるように、ある三菱の販売店スタッフは次のように話してくれました。
「現行エクリプスクロスのPHEV(プラグインハイブリッド)は、2025年8月に生産を終了しました。一方で、ターボエンジン車は当面の間、販売を継続するようです」。
この証言を基に考えると、三菱はPHEVを次世代のBEVへと刷新する形でフルモデルチェンジを行い、一方でガソリンターボ車は従来型を継続販売するという戦略をとる可能性もあるでしょう。
ここからは、予想される次期モデルを「新型エクリプスクロス」として、そのスペックや価格などを予想、紹介していきます。
新型エクリプスクロスの予想価格は780万円前後から! 発売時期はいつ?
現行エクリプスクロスに比べて内容が充実するとみられる新型エクリプスクロスですが、その分、車両価格も上昇する見込みです。
新型エクリプスクロスのBEV仕様の予想価格は、780万円前後です。日産 アリア「B9 2WD」(738万2100円)を上回る高価格帯と予想されます。
補助金適用後の実質価格は約690万円に
BEVの購入には、国から補助金が交付されます。
2024年度の国の補助金制度の実績に基づくと、新型エクリプスクロスは89万円程度の補助金対象となる可能性が高く、その場合の実質的な負担額は約690万円からになると考えられます。
予想発売時期は2026年10月ごろ! 2027年には廉価グレードも登場か
発売時期については、2026年10月ごろになるのではないかと予想されます。
高価格帯のグレードが2026年10月ごろに投入された後、2027年には、価格を抑えた買い得なグレードが追加される可能性も考えられます。
駆動用電池の総電力量を65kWh前後に抑え、1回の充電で走行できる距離を450km程度とすることで、車両価格を550万円前後に設定。装備をシンプルにすることで、補助金適用後の実質価格が約460万円となる戦略です。
新型エクリプスクロスの外観・ボディサイズ予想
新型エクリプスクロスは、三菱、日産、ルノーの業務提携に基づいて開発され、ルノーの新型BEV「セニック E-TECH エレクトリック」とプラットフォーム(車台)などの基本部分を共有すると見られます。生産もルノーグループのBEV工場が担当する見込みです。
ただし、同グループはフランスなどに複数のBEV工場を構えているため、日本に輸入されるモデルがどの国の工場で生産されるかは、まだ確定していません。
続いて、外観の注目のポイントについて、現在発表されている欧州仕様から詳しく見ていきましょう。
外観:ダイナミックシールドと欧州テイストの融合
新型エクリプスクロスの外観デザインは、三菱車に共通する力強い「ダイナミックシールド」のコンセプトを踏襲しつつも、プラットフォームを共有するルノー セニックのような、洗練された欧州車風のテイストが加えられるでしょう。
都会的な雰囲気を併せ持つ、精悍なスタイリングが期待されます。
ボディサイズ:ワイド&ローなプロポーションへ
新型エクリプスクロスのボディサイズは、ベースとなるルノー セニックに近いものになると考えられます。
現行モデルや国産の競合SUVと比較すると、その特徴がよくわかります。
| 車種 | 全長 | 全幅 | 全高 |
|---|---|---|---|
新型エクリプスクロス(予想) | 4470 | 1865 | 1570 |
現行エクリプスクロス | 4545 | 1805 | 1685 |
ルノー セニック E-TECH | 4470 | 1864 | 1571 |
トヨタ カローラクロス | 4455 | 1825 | 1600~1620 |
三菱 アウトランダーPHEV | 4720 | 1860 | 1745〜1750 |
単位はmm。
現行モデルより全長は短くなりますが、全幅は兄貴分のアウトランダーに匹敵するサイズまで拡大され、ワイドで安定感のあるプロポーションになりそうです。
新型エクリプスクロスの内装・荷室予想
続いて、内装や荷室について解説します。新型エクリプスクロスのインストルメントパネルの中央には、日本仕様でも12.3インチの大型液晶ディスプレイが配置されるでしょう。
このディスプレイには、ナビゲーションから車両情報まで多彩なコンテンツを表示可能です。また、Googleの技術を組み込んだインフォテインメントシステムが採用され、最先端の通信機能を利用できることも大きな魅力です。
内装のデザインは、インストルメントパネルからドアパネルにかけて連続性を持たせた、乗員を包み込むような一体感が特徴です。
エンジンを搭載しないBEVならではの静粛性も大きな特徴です。その静かな車内で音楽を存分に楽しめるよう、高音質な「ハーマンカードン製プレミアムサウンドシステム」の採用も考えられます。
前席には、スイッチ操作で腰部分の張り出しを調節できる「電動ランバーサポート」の採用も期待されます。この機能は、長時間の運転でも疲れにくい最適なドライビングポジションを提供してくれるため、ユーザーにとって大きなメリットとなります。
また、BEV専用設計の恩恵で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2785mmと、アウトランダーを80mmも上回ります。これにより、後席の足元空間にも十分なゆとりが生まれ、4名での長距離移動も快適です。
荷室は、リヤゲートの開口下端部と荷室床面との間にやや段差があり、重い荷物を積む際には少し持ち上げる必要がありそうです。
しかし、荷室容量そのものは十分に確保されています。後席の背もたれは3分割可倒式となり、乗車人数や荷物の量に応じて柔軟にシートアレンジを変更できる利便性も備わるでしょう。
新型エクリプスクロスのパワーユニット・航続距離予想
新型エクリプスクロスに搭載されるパワーユニット(駆動用モーター)の最高出力は160kW(約218馬力)、最大トルクは300Nm(約30.6kg-m)と予想されます。
突出して強力なスペックではありませんが、モーター駆動ならではの俊敏なアクセルレスポンスにより、街中から高速道路まで、活発で十分な動力性能を発揮します。
駆動用電池の総電力量は87kWhと大容量で、1回の充電で走行できる距離は、国際的な測定基準であるWLTPモードで600km以上に達する見込みです。この数値は、国産BEVの中でもトップクラスです。
例えば、日産 リーフのe+(60kWhバッテリー搭載車)の航続距離がWLTCモード(日本独自の測定基準)で450km、トヨタ bZ4Xの最長グレードが567kmであることを考えると、新型エクリプスクロスは日産 アリア「B9 2WD」(640km)に迫る数値です。測定基準は異なりますが、新型エクリプスクロスは国産BEVの中でもトップクラスの性能が期待できるでしょう。
さらに、150kW級の高性能な急速充電器にも対応可能となり、充電時間の短縮も実現されるでしょう。
以下はバッテリー容量と航続距離について、新型エクリプスクロスの予想数値とライバル車の数値を一覧でまとめたものです。
| 車種 | バッテリー容量 | 航続距離 |
|---|---|---|
新型エクリプスクロス | 87kWh | 600km以上 |
日産 アリア B9 (2WD) | 91kWh | 640km(WLTC) |
トヨタ bZ4X Z (FWD) | 71.4kWh | 559km(WLTC) |
日産 リーフ e+ | 60kWh | 450km(WLTC) |
※測定モードが異なるため、数値はあくまで参考値です。
新型エクリプスクロスの駆動方式予想
新型エクリプスクロスの駆動方式に関する詳細はまだ不明ですが、ルノー セニックと基本部分を共有する点を考慮すると、前輪駆動の2WDが基本となる可能性が高いです。
三菱といえば「4WD(4輪駆動)」のイメージが強いメーカーだけに、この点に物足りなさを感じるユーザーもいるかもしれません。
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