ついに復活! 新型パジェロの予想価格は530万円~! なぜ今なのか? いつ登場する?
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:小林 岳夫/佐藤 正巳/和田 清志/三菱自動車
2019年の国内生産終了から約7年、三菱の伝説的SUV「パジェロ」が、2026年末にも復活するとの情報が入りました。カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんの独自取材によると、予想価格は530万円からで、最大のライバルとなるトヨタ ランドクルーザー250を強く意識した価格設定が予想されます。
三菱の威信をかけ、ブランド復活の鍵を握る一台となる新型パジェロについて、この記事ではグレード構成や外観、内装のデザイン、走行性能、そしてライバル車との徹底比較まで、最新のスクープ情報を基にその全貌を詳しく解説していきます。
そもそも「パジェロ」ってどんなクルマ?
三菱「パジェロ」。その名を聞いて、かつて一世を風靡した本格SUVの姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
1982年に誕生した初代パジェロは、それまでの無骨な四輪駆動車(4WD)のイメージを覆し、日本に「SUV」という文化を根付かせた伝説的な一台です。
今や乗用車の35%を占めるSUV市場ですが、三菱はその草分け的存在です。1953年の「ジープ」ライセンス生産で培った技術を基に1982年に登場した初代パジェロは、本格的な悪路性能と乗用車のような洗練されたデザイン、そして5ナンバーサイズのコンパクトさを両立させ、日本のSUV史を変える一台となったのです。
その強さの原点は、1953年から続く三菱の四輪駆動車の歴史、特に「ジープ」のライセンス生産で培われた悪路走破性のノウハウにあります。
それまでの4WDといえば「働く男の道具」というイメージ。しかしパジェロは、頑丈なラダーフレーム(ハシゴ型の骨格)構造はそのままに、街乗りもこなす洗練されたデザインと快適な乗り心地を両立させました。
「お父さんが週末、家族を乗せてキャンプに行く」。そんな、今では「SUV」というカテゴリーが担う、当たり前の光景を日本に定着させた、まさしく文化のパイオニアなのです。
パジェロの名を世界に轟かせたのが、世界一過酷なモータースポーツと呼ばれる「パリ・ダカール・ラリー(通称:パリダカ)」での圧倒的な活躍です。
通算12回の総合優勝という記録を打ち立てたことでも知られています。この輝かしい戦歴が、「パジェロ=世界トップクラスの悪路走破性」というイメージを不動のものにしました。
しかし、栄光の歴史にも転機が訪れます。時代の変化とともに、より乗用車ライクな都市型SUV(トヨタ RAV4や日産 エクストレイルなど)が市場の主役となっていきました。
時代は快適な「都市型SUV」を求め、本格オフローダーとしての骨太なキャラクターが、皮肉にも時代の主流から外れていきました。そして2019年8月、多くのファンに惜しまれながら、その栄光の歴史に一度、幕を下ろします。
この輝かしい成功と紆余曲折の歴史を経て、多くのファンが待ち望んだパジェロが、いよいよ復活を遂げるのです。
なぜ今、パジェロは復活するのか? 三菱ブランドの未来を占う「2つの理由」
2019年に惜しまれつつも国内向け生産を終了したパジェロが、なぜ今復活するのでしょうか。そこには、三菱自動車が置かれている現状と未来への狙いがあります。
【理由1】三菱の“顔”となる「絶対的フラッグシップ」の不在
現在のSUVブームにおいて、三菱はこのカテゴリーの老舗でありながら、残念ながら存在感が強いとはいえません。そこで、かつて絶大な人気を誇ったパジェロを復活させることで、三菱の「悪路に強い」「タフな4WD」というブランドイメージを再び強く訴求する狙いがあります。
新型パジェロは、アウトランダーPHEVを超える三菱の新たなフラッグシップとして、ブランド全体を牽引する重要な役割を担うのです。
【理由2】今なお色褪せない「パジェロ・ブランド」という強力な資産
クルマにとって車名は命であり、その中でも「パジェロ」という名は三菱にとって特別な意味を持つ“資産”です。
なぜなら、初代パジェロは単にヒットしただけでなく、乗用車感覚で乗れる本格オフローダーという文化そのものを日本に創り上げたからです。
この成功体験が、今なお多くのファンの心に「パジェロ=本物」というイメージを強く焼き付けています。
国内向け生産の終了後も、SNSなどでは復活を望む声が絶えませんでした。このファンの熱量と、「パジェロ」と聞けば誰もが振り向く圧倒的な知名度。これこそが、三菱が再び勝負をかける上で、他社にはない強力なアドバンテージなのです。
予想価格は530万円から! 3グレード構成で最上級グレードは700万円程度
読者の皆様が最も知りたいであろう、新型パジェロの価格を予想します。販売店からは「新型パジェロのシャシーや主要なメカニズムは、トライトンと共通化されます」との話でした。
そのため重要な基準となるのが、ベース車両と噂されるピックアップトラック「トライトン」(498万8500円〜540万8700円)と、最大のライバルと目されるトヨタ「ランドクルーザー250」(520万円〜735万円)の存在です。
これを踏まえると、新型パジェロは530万円あたりからスタートし、最上級グレードは700万円に迫る価格設定になる可能性が高いと考えられます。
ここでは、3つのグレード構成を想定し、それぞれの価格と装備内容を予想します。
ベーシックグレード:530万円前後
エントリーモデルとなるこのグレードは、価格を重視するユーザー向けの選択肢です。基本的な安全装備や4WDシステムは標準装備しつつ、内装の加飾や快適装備をシンプルにすることで、戦略的な価格を実現してくると予想されます。
とはいえ、三菱の最上級車種として、安っぽさを感じさせない十分な質感は確保されるはずです。
売れ筋の中級グレード:600万円前後
装備と価格のバランスが最も優れた、販売の主力となるグレードです。上級グレードに近い内外装の質感を持ちながら、一部の豪華装備をオプション設定とすることで、現実的な価格に抑えられるでしょう。
先進安全装備もフルスペックに近いものが搭載され、多くのユーザーにとって満足度の高い「買い」の選択肢となりそうです。
最上級グレード:670万円前後
最上級グレードは三菱の現行ラインナップにおける最上級モデル「アウトランダーPHEV」の最上級グレード「P Executive Package」(662万5300円〜671万6600円)に並ぶか、それを超えるフラッグシップにふさわしい価格設定となるでしょう。
レザーシートや「ヤマハ製ダイナミックサウンドシステム」といった高音質なオーディオシステム、先進の運転支援機能など、考えられる全ての豪華装備・快適装備が標準で備わるとみられます。
三菱の技術と威信を懸けた、フラッグシップにふさわしい一台です。
永遠のライバル対決! 新型パジェロは“王者”ランクル250とスペック比較
日本のSUV史は、常にこの2台と共にあると言っても過言ではありません。陸の絶対王者トヨタ「ランドクルーザー」と、パリダカの覇者三菱「パジェロ」。
復活を遂げる新型パジェロにとって、最大のライバルはもちろん、同じく悪路走破性に優れたラダーフレーム構造を持つ「ランドクルーザー250」です。
価格面では、ランドクルーザー250の2.8Lクリーンディーゼルターボ搭載車が520~735万円という価格帯であることを考えると、新型パジェロは全体的に割安な価格設定で勝負を挑んでくると考えられます。
特に、同等の装備内容で比較した場合、新型パジェロの方が数十万円安価になる可能性は十分にあります。
走行性能のキャラクターは、両車の思想の違いが最も表れる部分でしょう。
走行性能の違い
ランドクルーザー250: 伝統的に「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」という絶対的な信頼性・耐久性を追求。
新型パジェロ: パリダカで鍛えた、より軽快なハンドリングが持ち味。特に、三菱独自の4WDシステム「スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)」が強み。
このSS4-IIの真価は、ドライバーが任意に駆動方式を選べる多彩さにあります。
燃費を稼ぎたい高速道路では、静かで経済的な「2H(FR駆動)」、雨の日の高速道路など、安定性が欲しい場面ではセンターデフを備えた「4H(フルタイム4WD)」、雪道やダートで力強く走りたい時は、センターデフをロックした「4HLc(直結4WD)」と路面状況に応じて選択可能です。
これは、ランクル250(フルタイム4WD)ともまた違う、三菱ならではの大きな魅力と言えるでしょう。
2台の違いをスペック比較表としてまとめました。新型パジェロはトライトンのスペックを基準としているため、もう少し強化することも考えられます。ランドクルーザー250は2.8Lディーゼル車のスペックです。
| 新型パジェロ (予想) | ランドクルーザー250 (参考) | |
|---|---|---|
| 価格帯 | 約530万~670万円 | 約520万~735万円 |
| エンジン | 2.4L 直4ディーゼル | 2.8L 直4ディーゼル |
| 最高出力 | 204ps | 204ps |
| 最大トルク | 47.9kgf-m | 51.0kgf-m |
| 4WDシステム | スーパーセレクト4WD-II | フルタイム4WD |
| キャラクター | オンロードでの軽快な走り | 悪路での絶対的な信頼性 |
新型パジェロを具体的に予想! 外観デザインからパワーユニット、内装、先進装備など
それでは、新型パジェロの具体的な中身について、外観から性能まで詳しく見ていきましょう。
外観:三菱の最新デザインとパジェロらしい力強さの融合
フロントマスクには、近年の三菱車に共通するデザインコンセプト「ダイナミックシールド」がさらに進化して採用されるでしょう。
ヘッドランプは、2025年7月にインドネシアで披露された新型SUV「デスティネーター」や、ジャパンモビリティショーで注目を集めた「D:Xコンセプト」と同様に、「T」の字を横倒しにしたような特徴的な形状となり、存在感を際立たせるでしょう。
ボディサイドは、大きく張り出したフェンダーが力強さを強調し、本格オフロードSUVらしいタフな印象を与えそうです。
また、SUVとして重要な居住空間の広さを確保するため、ボディ側面は現行の「アウトランダー」などにも通じる水平基調のスクエアなフォルムになると予想されます。これにより、トライトンとは異なるワゴンスタイルならではの機能美が追求されるでしょう。
ボディサイズ:ランドクルーザー250に近い堂々たる体躯
シャシーを共有するトライトン(全長5320〜5360mm)よりは全長を短く抑えつつも、LサイズのSUVとして堂々とした体格になるでしょう。予想されるボディサイズは、全長4900mm前後、全幅1930mm前後、ホイールベース2850mm前後です。
| 全長 (mm) | 全幅 (mm) | ホイールベース (mm) | |
|---|---|---|---|
| 新型パジェロ (予想) | 約4900 | 約1930 | 約2850 |
| トライトン | 5320〜5360 | 1865〜1930 | 3130 |
| ランドクルーザー250 | 4925 | 1940〜1980 | 2850 |
これは、ライバルであるランドクルーザー250に近いサイズ感であり、国内で扱うにはやや大きいものの、その分、圧倒的な存在感を放つとみられます。
内装と居住性:トライトン譲りの上質さと快適な後席空間
インパネ周りの基本的なデザインは、上質な仕上がりが好評なトライトンに準じたものになると考えられます。
ただし、新型パジェロではより乗用車らしい上質感を演出するため、曲線を多用したデザインや、ソフトパッドの採用範囲が広げられる可能性があります。
居住性、特に後席の快適性は、ピックアップトラックのトライトンを大きく上回る部分です。厚みのあるシートや適切な背もたれの角度が確保され、長距離移動でも疲れにくい快適な空間が提供されるでしょう。
身長170cmの大人が4名乗車した際の後席膝先空間は、クラストップレベルの広さを実現してくる可能性があります。
具体的には、ライバルとなるランドクルーザー250/300が「握りこぶし2つ分」程度なのに対し、新型パジェロはそれを上回る「握りこぶし2つ半」を確保し、ファミリーユースでの快適性も明確にアピールしてくるでしょう。
パワーユニットとメカニズム:悪路走破性と快適な乗り心地を両立
パワーユニットは、トライトンにも搭載されている新開発の2.4L クリーンディーゼルターボエンジン(排出ガスをクリーンにする性能を高めた過給器付きディーゼルエンジン)が基本となるでしょう。
トライトンでは最高出力204馬力(150kW)、最大トルク470N・mを発生しますが、新型パジェロではさらなる高性能化が図られることも考えられます。
トランスミッションは、トライトンの6速AT(オートマチックトランスミッション)から、よりきめ細かな変速が可能な「8速AT」に進化する可能性が高いでしょう。デリカD:5でもすでに採用されています。
これにより、発進時はより力強く、高速巡航時はエンジン回転数を抑えて静かに、そして燃費良く走ることが可能になります。街乗りから高速道路まで、あらゆるシーンで走りの質感が一段と高まるはずです。
足回りも、パジェロ専用の大きな改良が期待できるポイントです。
ベースとなるトライトンは、荷台に重い荷物を載せるため、トラック特有の頑丈な「リーフスプリング」という形式が採用されています。
しかし、新型パジェロでは後席の乗員が快適に過ごせるよう、高級SUVの標準である「コイルスプリング」形式に変更されるでしょう。
これにより、トラック特有の細かな突き上げや揺れがほぼ解消され、後席でも高級セダンのようなしなやかな乗り心地が実現されます。
駆動方式は、三菱が世界に誇る「スーパーセレクト4WD-II」を搭載すると考えられます。
これは、燃費に優れる後輪駆動(2WD)から、舗装路でも使えるフルタイム4WD、さらには悪路で駆動力を最大限に引き出すローレンジモードまで、路面状況に応じてドライバーが任意に走行モードを選択できる独自のシステムです。
さらに、フラッグシップモデルであれば、ダイヤル一つで最適な走りを選べる7つのドライブモードも搭載されるはずです。「MUD(泥道)」や「ROCK(岩場)」といったモードを切り替えれば、誰でも安心して悪路を走破できるでしょう。
先進安全・快適装備:三菱の最上級車種にふさわしい内容
安全装備は、衝突被害軽減ブレーキが右左折時の対向車や横断中の歩行者に対応するのはもちろん、後側方の並走車両を検知して警報する機能など、最新の先進運転支援システムが搭載されると予想されます。
快適装備も、「アウトランダー」の上級グレードで採用されている「ヤマハ製ダイナミックサウンドシステム」などが選択可能になるなど、三菱の最上級車種にふさわしい、充実した内容が期待できます。
【まとめ】発売は2026年末か? 三菱の復活をかけた一台への期待
ついに復活を遂げる三菱 パジェロ。その姿は、「王者ランクル250」に真っ向から勝負を挑む堂々たる体躯と、530万円からという戦略的な価格を両立した、極めて競争力の高い一台となりそうです。
これは、単なる一台の新型車ではありません。技術の三菱、ラリーの三菱、タフな三菱。三菱というブランド復活をかけた重要な一手なのです。だからこそ、私たちの期待は高まります。
この動きは、ホンダがプレリュードを復活させる狙いとも似ています。今後、BYDのような海外メーカーも参入し競争が激化する電動化時代を前に、今のうちに「タフな4WDの三菱」というブランドイメージを強固に確立する。新型パジェロはそのための重要な一手なのです。
なお、車名については、海外で販売されているピックアップトラックベースのSUVが「パジェロスポーツ」を名乗っていることから、日本国内でもこの名称が採用される可能性も十分に考えられます。
発売時期は販売店によると「2027年3月まで」とされていますが、その中でも2026年の終盤が有力です。今から登場が待ち遠しい、本格SUVの本命と言える一台です。
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/佐藤 正巳/和田 清志 画像提供:三菱自動車】
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