TRDチューンのGRスープラ&無限が煮詰めたシビック タイプRを中谷明彦が斬る!|ワークスチューニンググループ合同試乗会 後編

  • 筆者: 中谷 明彦
  • カメラマン:大西 靖
画像ギャラリーはこちら

メーカー系ワークスチューナーが手掛けるチューニングカーの一斉試乗会レポート。前編の「NISMO」「STI」に続き、後編ではGRスープラからアルファード/ヴェルファイアなどのトヨタ車、さらには救急車などの特装車までを手掛ける「TRD」。それに加え、ホンダ車のチューンアップやレース用エンジンを手掛ける「無限」の2メーカーを紹介。果たして、中谷明彦の評価はいかに?

目次[開く][閉じる]
  1. GRスープラをTRD流にアレンジ!
  2. 空力特性アップ&見た目もよりレーシーに
  3. 低速域では2Lターボのほうが早い?
  4. ヤマハが開発したサスで接地性と安心感を向上!
  5. シビック タイプRがニュルのラップタイムを更に更新?
  6. 弱点を改善! 激速マシンにレベルアップ!?
  7. 新登場のクイックシフターは中谷明彦も絶賛

GRスープラをTRD流にアレンジ!

トヨタ自動車系ワークスチューンはTRD(トヨタレーシングデヴェロップメント)が主軸だ。今回は登場から間もなくも人気が高いSUVのトヨタ RAV4をマッド系のドレスアップしたモデルと、プリウスの「アグレッシブスタイル」「エアロダイナミクススタイル」という2つのスタイリングアイテムを展示していた。

だが一番気になるのは、やはりトヨタ GRスープラだろう。独・BMWと共同開発しハイパワー直6ターボエンジンを搭載するFRのスープラをTRDがどうチューニングしているのか大いに気になるところだ。

トヨタ/スープラ
トヨタ スープラカタログを見る
新車価格:
499.5万円789万円
中古価格:
109.8万円1,500万円

空力特性アップ&見た目もよりレーシーに

試乗用に用意されたのはイエローが鮮やかなトヨタ GRスープラに各種パーツを纏わせた、SZ-RとRZの2グレードだ。両車に共通しているのはエアロパーツをメインに装着し、空力特性を高めていること。

まずフロントにはチンスポイラーがバンパー下部に装着され、ダウンフォースを強める効果と視覚的な低重心効果を狙っている。ボディサイドはスカート状のエアロパーツで武装され、前後ホイールハウス手前でせり上がり、“レーシー”な雰囲気を演出している。

またドアパネルの特徴的なキャラクターラインをさらに際立たせながら、空気の流れをスムーズにする“サイドドアガーニッシュ”が強烈なアクセントを効かせているのだ。

リヤまわりはホイールハウス後方にサイドスポイラーを備え、トランク後端にもスポイラーを装着。これらの相乗効果で空力性能が高まり高速直進性、旋回性能も向上。また19インチの鍛造アルミホイールが専用開発され、足もとを引き締めつつハンドリングの正確性にも貢献させている。

低速域では2Lターボのほうが早い?

残念なのは今回サーキット内の限界走行が試せなかったことだ。エンジンやブレーキなどはノーマルのままなので一般道領域でのインプレッションを求められた。

もともとスープラはBMW製の上質な乗り心地で、一般道ではジェントルな走行フィールだが、短いホイールベースを活かしてタイトターンでは身のこなしが軽快だ。それがエアロ効果を得たうえで、ハイスピード領域でいかに接地性を高められるか興味深かったが、そのインプレッションは別の機会を探ることにしよう。

上級グレードのRZはハイパワーの3L直6ターボを搭載するためフロント重量が大きい。一方SZ-Rグレードは2L直4ターボエンジンを搭載するため、フロント重量が軽い。低速域での運動性能はともすると軽いSZ-Rの方が勝ってしまう。

ヤマハが開発したサスで接地性と安心感を向上!

そこでTRDはYAMAHAが開発した新技術である「TRAS(Through Rod Advanced ショックアブソーバー)」を採用したサスペンションキットを開発。今回その試作品をパフォーマンスダンパーと共にRZに装着させいる。このTRASは従来ダンパーが押し込むと反力で伸び側に戻ってくるのに対し、引っ張ると反力で縮み側に戻る特殊な構造となっていて、路面の突き上げをいなしながらロードホールディングも高める効果を狙っている。

実際連続してマンホールの凹凸がある路面を通過する際にクルマが跳ねず、常にタイヤの接地感が正確に得られていることを確認した。タイヤが接地していればステアリング操作が反映され、軽量なSZ-Rと同等に回頭レスポンスが得られるというわけだ。RZ 専用というわけではないようだが、個別にチューニングしてTRDチューンによるGRスープラ全体の走りに質を高めてくれるのは間違いないだろう。

シビック タイプRがニュルのラップタイムを更に更新?

続いてホンダ車をチューニングする「無限」。無限はドレスアップをテーマにエアロ系パーツを豊富にラインアップし、インサイト、CR-V、N-WGNとジャンルやクラスを問わず幅広いカテゴリーに対応させている。

その中で今回試乗したのはシビック タイプRだ。先代が独・ニュルブルクリンクサーキットでFF(フロントエンジン前輪駆動車)世界最速ラップタイムを刻んだのは記憶に新しいが、現行モデルはさらに速く安定性も高まっているという。

ホンダ/シビックタイプR
ホンダ シビックタイプRカタログを見る
新車価格:
499.7万円499.7万円
中古価格:
112万円918.2万円

弱点を改善! 激速マシンにレベルアップ!?

早速コースインする。先代はタイヤが冷えている間はハイパワーFFゆえトルクステアに注意しなければならなかったが、現行はいきなりパワーを掛けていっても直進性を大きく乱さない。若干駆動スリップを引き起こすことで前輪は早くウォームアップし、最初のコーナーはオーバーステアになるほどだ。

だが、このリヤタイヤのスキッドで後輪も暖まり、次のコーナーでは安定した旋回姿勢に持ち込めた。こうなるとシビック・タイプRは鬼のように速い。もてぎ北コースは最高速度が低いため空力効果は薄いハズだが、路面に吸い付くようにコーナリングし、パワーも有効にトラクションとして伝えられているのが分かる。

新登場のクイックシフターは中谷明彦も絶賛

今回採用されたクイックシフターもシフトストロークをショートストローク化させ、煩雑な操作を素早くこなさせてくれるのでミニサーキットでは必須のアイテムになる。空力効果による安定感の高さも奏功し、ハイスピードで連続アタックが可能だった。シビック・タイプRを開発した研究所のエンジニアが無限パーツ開発にも関っているとあって、まさにメーカー直系のワークスチューニンモデルとなっているのである。

【筆者:中谷 明彦/写真:大西 靖】

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

筆者中谷 明彦
MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

トヨタ スープラの最新自動車ニュース/記事

トヨタのカタログ情報 トヨタ スープラのカタログ情報 トヨタの中古車検索 トヨタ スープラの中古車検索 トヨタの記事一覧 トヨタ スープラの記事一覧 トヨタのニュース一覧 トヨタ スープラのニュース一覧

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる