TOYO TIRES スタッドレスタイヤ「OBSERVE GARIT GIZ(オブザーブ・ガリットギズ)」試乗レポート/飯田裕子(3/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:TOYO TIRES・島村栄二・オートックワン編集部
「OBSERVE GARIT GIZ」と先代の「GARIT G5」を比較試乗
屋内アイススケートリンクで行われた試乗では、トヨタ プリウスに装着した「OBSERVE GARIT GIZ」(オブザーブ・ガリットギズ)と先代の「GARIT G5」(ガリット・ジーファイブ)を、同じタイヤサイズで比較することができた。
別に何もフォローするつもりもないのだけれど、新製品のOBSERVE GARIT GIZを知らず試走しただけなら、GARIT G5でも十分に満足と信頼感を抱くことができる。そこまで完成度の高いスタッドレスの性能を進化させると…。
冒頭にも書いたように、氷上の上で普段通り=優しくアクセルを踏んで走り出したときから、足元に良い意味で重たさが感じられるのだ。つまりG5よりもタイヤが氷板を捉える性能が上がっていることがわかる。スラロームでも思ったラインをより捉えやすく、コーナリングではG5よりも内側のラインを維持して走りやすい。
ブレーキングについては20km/hからABSが作動しない強さで制動をしてみたが、GIZのほうが踏み始めから制動する感覚が強く伝わってくる。G5でも不満はないものの、両者を詳細に比べてしまうと、本当にほんのわずかな一瞬なのだけれど空走感に近いスーっと進む感覚がある。結果、制動距離にもわずかだが違いがあった。歩くのが難しいようなツルツル路面において、この差は大きいはず。
タイヤの面を感じられるほどの手応えが頼もしい
そんな訳で、OBSERVE GARIT GIZは走る、曲がる、止まるという様々な場面でタイヤの面を感じやすい。発進やブレーキングでは足元に、コーナリングでは手元にあのツルツルの氷板にもあるグリップ感がわかりやすいのだ。とかく滑りやすい路面ではただでさえ手応えというか、足応えが薄いもの。そんな中でも特に比較をしてみることで、比較をしたドライバー(私)に嬉しさと頼もしさをより強く抱かせてくれた。
実は2月にトーヨータイヤのサロマテストコースでもOBSERVE GARIT GIZの試走をしているのだけど、あいにく気温が高く、今回ほどのガチガチの氷上性能を確認するのは難しかった。そのかわり、シャーベットのような路面や氷が融けてビシャビシャになったような状況では、同じプリウスで比較した際のESC(横滑り防止装置の介入)がやや遅く、その分タイヤが排水とグリップを頑張ってやってくれていることを実感できた。
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